第178話:vs暴食の神クロテナ
「燃え盛れ、《紅蓮》!」とエマは自身の周りから紅蓮の塊が出現し、クロテナに向けて放たれた。
「ふッ――、そんなものか……食らい尽くせ《漆黒喰》」背後から無数の触手が無数にエマに迫った。
―何でも食うけど、こいつが食えないのは我々でも弱点な属性だ。
エマは片手に何かを掴んでいた。
これは、レジナインが渡してくれた光属性を最大火力で放出できる。
「《紅蓮・十字架》!」と叫ぶとエマの前に赤い装飾の十字架がその触手が触れた途端燃え盛った。
だが、全てを食らう者はそんな者食らえればいいと思っているようだが……。
「我の紅蓮などもう二度と食うことなどないッ!《紅蓮流星群》!」と次エマが繰り出したのは、天井に無数の赤き魔法陣が展開され紅蓮の球が無数にクロテナに降り注いだ。
一番手っ取り早く、本体を倒した所だが攻撃が全く当たらん。
―糞ッ!周りの触手が邪魔過ぎる。
その瞬間、エマの後ろから黒い雷撃が一瞬にして触手を消滅させクロテナに《紅蓮流星群》が確実に命中した。
「はッ――」とエマは咄嗟に後ろを向くと、レイムが『破壊の剣』と『神雷破槍』を構えていた。
「私も、戦う……」とあの一撃を食らったレイムの体はまだ傷を負っていた。
「レイムッ――」エマはその時一瞬肩の力が落ち、地面に膝をついた。
「もう大丈夫……ありがとう……」とレイムはエマに近寄り抱き締めた。
「うん……。死んだかと、思った……」とエマも手を回し、しがみ付いた。
「そんなことはない……絶対にこれからも……」とレイムは少し成長したようだ。
そして二人は立ち上がり、前を見た。
「くッ――、糞ッ……まさか触手を消滅だと………」とクロテナは訳が分からず、混乱していた。
「さぁ、もうそろそろ終わりにしょう……」レイムは武器を構えた。
もう触手は消滅させる。
つまりはもうクロテナの攻撃はレイムとエマには届くこともないのだ。
「糞ッ…糞ッ……」と顔を抑え、唸っていた。
「外に出るぞ……」とレイムは静かな声でエマに言った。
するとレイムは『神雷破槍』を上に構え、先端に破壊の力を流した。
「糞ォォォォォッ!!」気が狂った。
触手がもうこの空間を埋め尽くすほどに発生した。充填が終わり、レイムは破壊の一撃を天井に向けて放った。
「貫け、《破壊》!」
そしてレイムとエマはすぐさま飛び、崩壊した天井から外へ飛び出した。
「よしっ……動きを止めたぞ……」とレジナインはロナに言った。
ロナも表面を削いでいるが、ダメだ。
すると黒い塊からドーン!と黒い電撃が飛び出してきた。
「ふぅ~、やっとか……」とレジナインは安心した表情でそう呟いた。
「救出は成功ですね……」ロナはレジナインの横に現れ、そう言った。
「グァァァァァァッ!!」と暴食の神は悲鳴を上げていた。
そして空いた穴から出てきたのは、レイムとエマだった。
「外へ出られた。だけどまだ終わっていない……」
クロテナは苦しみ出し、触手があちこちに伸びていった。
だが全て二人に迫ってきた。
「糞ッ、このままではまた繰り返しだ。逃げるぞッ!」とレイムは驚きの発言をした。
逃げたって意味がないんじゃ……。
だが、今は悩んでいる暇はない。
「あぁ、教会の方に行くぞ!」と二人は猛スピードで教会の方向に飛んでいき、暴食の神はそれを追い、動き始めた。
ロナとレジナインも暴食の神クロテナを追った。
そして問題はこの後どうするかだ。
勿論レイムは……。
「考えてないッ!:とエマはレイムから出た言葉に驚いた。
「うん!出たのはいいけど、あれ全てをなんて……」消滅させる方法は『神雷破槍』で……。
「だけど……やってみる価値はある……。エマは先に行って!私っが失敗したらその時はその時で……」ともう投げやりだった。
「あぁもう、わかった!」とエマはそう言い、上空へ飛んだ。
「じゃあ、やってみるか……」とレイムは『神雷破槍』を上に構えた。
だがその瞬間、背後に何なら違和感を感じ、後ろを見ると壁が見えた。
「うわッ……」とレイムは上へ上がり、避けたが暴食の神クロテナはその壁にぶつかり動きを停止した。
レイムはこの瞬間を逃さなかった。
再び『神雷破槍』を上に掲げた。
そして、レイムは……。
「我が力よ、世界に轟け!……神器、解放!」




