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第177話:お互い幼い



 「ここは……」レイムは玉座の間の所に立っていた。

 

 一瞬なことで、レイムは分からんなかった。

 ―だけどまさか、破壊の力を食って距離を詰めるなんて……。


 そのことにレイムはとても悔しがっていた。

 「糞ォォォッ!あんなもので、だけどこれって暴食の中だよな……。本体がどこかに……」とレイムは周りを見渡し、前の玉座を見た。

 

 そこには死んだような目でこっちを見つめる自分より年下の少女が座っていた。

 ―何だ、あれは……。


 レイムはあの少女のことを人とは思わなかった。

 人間にはあんな雰囲気なんてはない……。

 ―まさか、あいつが……暴食の神クロテナ……。

 「はぁ~」とレイムは息を吸った。


 そしてレイムは話しかけた。

 「何でこんな所にいるの……あなたは誰……」一様確認だ。


 だがもうレイムは斬りかかりたいのを我慢していた。

 「あなたは……」とゆっくりそうレイムに聞いた。


 「レイム……それが私の名前……」

 「私はクロテナ……暴食の神……」と自分で正体を明かした!いや暴食ってことは分かっていたが本体がどんな見た目をしているのかなんてわからなかった。

 「そう、私は破壊神……お前を倒しに来た!」とレイムは破壊の剣をクロテナに向けた。


 その瞬間、クロテナの左右から黒い触手が後ろの壁を壊し、こちらへ迫ってきた。

 「はッ――」


 想像もしていなかった。

 そして速さや強さも桁違いなよう……思い違いなのかな……。



 エマは大きな音が聞こえ、奥へと走っていった。

 ―向こうに、レイムがッ……。とエマは必至に前へ前へ進んで行った。


 すると瓦礫が床に転がり、扉があった所はもう跡形もなかった。

 


 「あッ……あッ……」とエマは何かを見て、言葉を発せなくなった。

 その目の先は、レイムが仰向けで横たわっていた。

 「アァァァァッ、レイムゥッ……」とレイムを抱き、顔を寄せ涙を流した。


 「お前もか……昔のことで覚えていなかった……だけど思い出したぞ……エマ・ラピリオン……あの時よりは見た目は変わっているようだが、中身は何にも変わっていないようだな……」とクロテナはエマにそう言った。

 「レイムをどうした小娘……」とエマは再び怒りに満ちた。

 

 「あぁ、一発攻撃しただけだ。我の攻撃が早すぎたのか防御もせずにそのまま……」

 「じゃあ私がお前を殺しても問題ないな……」とエマは鋭い目つきでクロテナを睨みつけた。


 「フッ――いいだろう……」とクロテナは床を蹴り、距離を取った。

 

 

 そしてレイムを床に寝かせ、杖を構えた。

  

 エマは力を展開し、体には紅蓮の炎が纏い周りは熱でジメジメしてきた。

 「この力で、お前を跡形もなく消し去ってやるッ!」


 二人の殺し合いが今始まることとなる。


 


 


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