第17話:謎の影
そして丸1日で奥地にたどり着いた。
奥地はなんだか神秘的と言っていいほどだ。
一本一本の木が何かを発生させ、神秘的なエネルギーを……。
何故、翠色の大地シズゼリア領域が他の5つの領域との圧倒的な広さを誇るのか…。
それは、風の神が司るものの一つ…植物が理由だ。
今は生命がいること路には植物が生え、酸素を必要とするものに恵みを与える…。
この領域にはその植物から生まれたと言っても過言ではない種族…妖精やエルフ…そして酸素を吸い生きている獣人…。
そして奥地には回復や風などの魔法を得意とするエルフ種や妖精種が住んでいる。
だが、国はもう少し先に行かないといけない…。
「ねぇねぇ情報では奥地に向かったって言ってたけど、国に行ったのかわからないよ……」とレイムは疑問を吐いた。
まぁ、それはそうだな…。
奥地で何か動きがある…。
それは、何かを確かめに行ったのか…。
そうゆう疑問は直接本人に会って聞かないとだ…。
そういえば…昨日の夜だが、ソピアがレイムに呼び方について何か言っていたな。
まぁ、呼び方を決めないとなじめないからな…。
俺達はまだ日が前に見える頃に木の枝にいた。
その時だった。
「何かが来る…」と突然、レイムが言い俺達の前を指さした。
見ると、少し遠くの方から複数の何かがこっちに向かってきた。
何だあれは、力を感じるが…。
俺達はすぐさま避けた。
するとバシっバシっと音をたてて、木に刺さった。
突き刺さった。人ではない…。
それは矢…。
一見普通の矢のように見えたが矢には紙が括り付けてあり赤い文字が書かれてあった。
「これは魔法文字だ…」とレイムは言った。
俺とソピアもその魔法文字のことは知っていた。
魔法文字、それは神々が魔法を使用するときに書いたとされる文字だった。
一般的に言うと魔法を使うとき現れる円の周りに書いてある文字のことだ。
だが中には魔法つまり呪文が使えない者もいた。
その者達は紙に使用する魔法の文字を書いて使用することができる。
…でもそれをやる人はもうこの世界にはいないに等しい。
その理由は魔法文字を書く際に自分の血で書かないと魔法展開と唱えても魔法は発生しない。
普通は魔力を消費し、魔法を展開するが、この方法は自分の血を使用して魔法を展開する。
このことから魔力…つまり力は自分の中に流れていると言われているのは本当のようだ。
力が流れている…つまり自分の血に魔力がある。
まぁ、これに関してはわかりうるのはロナしかいないだろう。
このまま続けたらロナ以外の3人はその場で倒れてしまうだろう。
そして話を戻ろう…。
こんなもの一体誰が…。
すると「爆裂魔法の文字だ!しかもこんなにたくさん」レイムは魔法文字を読むことができた。
飛んできた矢は5本…それは俺達のいる木に刺さっていた。
その瞬間、数えて5本の矢が爆裂魔法文字によって魔法が展開され一斉に爆発した。
俺達は止む負えずその枝から飛び降りた。怪我は火傷くらいで済んだ…。
矢が飛んできた方を見ると人影があった。
人間の人影…相手は一人か…。
「おい、いたぞ!そんな遠くはない一人だ!」意外と素早いな…。
「何で私達に気付いたのかな…」とソピアは疑問に思っていたが俺はレイムのことが頭をよぎった。
いや、一人魔力が高い人がいるでしょ。
神クラスだったら、魔力感知で一発でわかってしまうし……。
だが、魔法文字で攻撃を仕掛けたということは少なくとも魔力感知は取得していないだろう。
するとレイムは人影に破壊魔法を唱えた。
「すべてを貫け。破壊光線!」
レイムがそう言うと掌から小さい魔法陣が展開され破壊の力が細く放たれた。
魔法陣は自分で大きさなどをイメージして展開されることができるらしい。
だが、破壊力は変わることはなく放たれている…。
すると破壊の力がその人影に直撃しその人も樹から落ちていった。
さすがのコントロールと言うのか命中率と言うのか…。
よくやったとレイムに言いたい所だが俺達はまだ落ちているのに~。
「光の力よ我らに翼を!」とソピアの声が聞こえた瞬間俺の背中から光の翼が現れた。
ソピアありがとう~。
だがレイムはそのまま落ちていった。
「まじか。レイムぅぅぅ」
レイムは相手に攻撃したことで翼を展開するのが遅かった。
そして落ちていった人影を見るとゆっくり落ちていくのが見えた。
あっちは大丈夫のようだ。
すると下からズドーンという音が聞こえた。
俺達はすぐさまレイムの方へ降りたがレイムは何もなく立っていた。
「はあ~、びっくりした…」レイムは少し安心していた。
まぁ、一様神だから落ちただけじゃ傷一つ追わないと言うことをソージとソピアは改めて凄いタフさだと思った。
そして無事に地上に直地?できた3人はあの影が落ちた所に向かった。
「あっあれは…人間…」レイムはそう言った。
そこには幸いに人の姿があった。
…ふう人間か…。俺はなんだか安心した。
だけど人間が魔法文字で攻撃なんて一体何者…。
「あっやっぱりサリア先輩じゃないですか」とソピアがサリア先輩と言った者に近づいていった。
「ソッソピア、何でこんな所に、」と慌てていた人はきれいでソピアやレイムよりも大人な女性だった。
しかも黒髪で長く結び、俺の目は大きい胸にいってしまった。
そういえば、そんな先輩が…いたか…いなかったか…。
そしてソピアが俺達のこと改めて見た。
「えーと皆さん紹介します。この人が4人目のメンバーのサリア先輩です」
まっ、まさか3人目でもびっくりしたのに4人目はまさか去年主席で卒業していった、あのサリア先輩なんて…。
「えっ…えぇぇぇぇ」
そのことについて驚いたのはもちろん俺とサリア先輩だけだった。レイムは無反応だった。
サリア先輩は俺の先輩でもあり、この人も主席で卒業していったソピアと同じくエリートだ。
だが、ソピアと関わりを持つと言うことは少し不安がある。
「んっ何のことだ。4人目のメンバー?」
また新しいメンバーが困ってるよ。これで2回目だ。
「まあここで話すもなんだからリーズェルに戻って話そう」とサリア先輩は大人の対応をしていた。
「うん」俺はまだ理解ができなかった。
「そうだね」とソピアとサリア先輩はそう言ったが「は…い」とレイムは言ったその顔は一言で言うとレイム顔死んでるよ…と言いたいくらいだった。
俺にとっては知っていた先輩で、レイムに関しては誰かわからない人間だった。
そして、ソピアのせいで勝手に話が進み、レイムとソージは全然ついていけなかった。
だが、驚いた…4人目のメンバーが同じ学院の先輩だなんて…。
こうして4人目のメンバーとなるサリア先輩を連れてリーズェルに戻ることにした。