第167話:真実の記録
闇の帝王の軍勢は意外にも人数はざっと100万は自分らと無限の星の間に蟲のようにうじゃうじゃいる。
「人数は圧倒的だ。油断をしたら簡単に突破されるだろう……少し数を……」とレジナインは手を前に向け、上空に巨大な水色の魔法陣を展開した。
「さぁ、我が力よ貫け!『堕空』!」
その瞬間、巨大な魔法陣が一瞬純白に輝いた。
「なっ、何だ!あの巨大な魔法陣は!」闇の帝王はその巨大な魔法陣を見て、相手には巨大な戦力を知った。
無限の星とは、誰も分からないが、魔王達を見た瞬間その正体はバレるだろうが……。
「まさか……」と少女は呟いた。
そして巨大な魔法陣から無数の純白の光が軍勢を襲った。
「ギャァァァァァッ!」と余裕で断末魔が聞こえる。
「これで、少しは減っただろう……さぁて、行こうか……転移…地下だ!」とレジナインとエマは一足早く敵の本陣に向かった。
「俺達も行くぞ……ワ―レストは情報を頼む……」とジュウロウも軍勢に走っていった。
「了解……」そう言うと、既にそこには影はなかった。
軍勢の対処は3人の魔王と戦闘を任された守護者になった。
軍勢の数は時間が経つにつれ、確実に減っていった。
「よし…俺も敵の本陣へ行く……レイン!」
「あぁ、転移……」とレインはジュウロウに転移魔法をかけ、ジュウロウの姿を消した。
地下には迷宮のようだった。
先に向かったエマとレジナインは、順調に進んで行き重要な所に来た。
そこは、荒らされたようだったが何かの力で人が消えたみたいだった。
「不自然だな……さっきまで人がいたような感じだが……」紙が散乱している。
レジナインがその空間を見渡していると、後ろから足音が聞こえた。
二人は警戒態勢に入った。
すると見えたのあ、守護者のワ―レストとジュウロウだった。
「はぁ~、君達も来たか……」とレジナインは大げさなリアクションを取り、そう話しかけた。
「えぇ、だが人は一人もいないようです……闇の帝王はどこに行ったのか……」
「あぁ、そうだな。全く向こうから攻撃をしてきたのにとんだ期待外れだ……」とエマはレジナインの後ろで言い捨てた。
「まぁ、本当にそうだな……だが情報は手に入れた……」そうここの紙全てが真実に届くものだった。
その紙には世界との繋がりがあった。
――とある研究者が別の世界との繋がりに成功した。
いや……正確には向こうからも偶然に世界との繋がりをしていた。
その者は黒ずくめで破壊神の存在を知っていた。
そしてその者の最初の言葉が――。
「破壊神を殺せ…」という命令だった。
その者の世界はこの世界より発展していてある兵器を差し出してきた。
それは確実に破壊神を殺せる武器だと言った。
我々は選ばれたのだ……。
「繋がりがあったのは、これで完全に証明された……そしてその繋がりについては研究者とやらしか出来なようだ……。付け加えて、闇の帝王たちはもうここにはいない……どこに行き何をするのか……。考えられるのは、ただ逃げただけ…ではなく……」
「まさか……助けを求める……」とエマは言った。
「わからない……可能性だがそれも考えておかないといけない。そして我々の目的を忘れたのか、結果的に世界の繋がりを超えて向こうに行くことになる……。その理由は向こうがこっちの世界の事について知っているということだ……」
情報はこれで全部だ……ここにいる必要はもうなくなったわけだ。
「まぁ、無駄話は外でしよう……早く出るぞ―」レジナイン達は動き出した。
だが……。
「いや……ここから出ることは不可能です。私がいるのだから……」
いつの間にか扉の前には、豪華なドレスに包まれた少女が立っていた。
「お前は誰だ……」とエマは問いかけた。
するとキレイに左右の布を摘み、頭を下げた。
「初めまして、無限の星さん……私はレルリア……闇の帝王の一人『鮮血の薔薇』レルリア・べレスト・ラテナーダ……」
「ほう……」レジナインはその力を見分けた。
そして周りを見た。
「では、お前の目的は私達を殺すと……」
「はい……」
「面白い……では、この戦力だと一瞬だろう……。では、こちらからはジュウロウを出そう……いいな?」レジナインはジュウロウを見た。
色々な理由を踏まえているのだろう。
「あぁ、問題ない……私が出よう……」
「では、頼むよ……」と言い、レジナインは指を鳴らした。
その瞬間、ジュウロウとレルリアはどこかに転移した。
「んっ……ここは………」石の床に風が強く、周りには街並みが見える。
この景色から言えるのは、首都エレクシアを囲む高い塀の上だった。
「貴方が相手じゃ、少し期待はできないけど……」少女は余裕だ……。
強者なのは、たしかだ……。
今ならわかる……あの時襲撃したのは、この娘だ……。
「ふっ……」
こんなに相手に慎重になるのは、久しぶりだ。
「そうか……。まぁ、私に勝つことなんて嬢ちゃんには無理だ。なぜならこの私が再び守るものができたからだ……」
ジュウロウは強い視線でレルリアを見た。
「ふっ……いいですわ~、この状況になってしまったからにはやるしかない、ね……」
その瞬間、レルリアの雰囲気が切り替わった。
その目は獲物を見る鋭い目をしていた。
そしてレルリアは細剣を抜いた。
「この戦いで得られることは、強き力を持つ者の事……」と言い、刀を抜いた。
刀身は鋼……それはどんなものも反射する無の力……。
「さぁ、始めようか……。見せてやろう俺の武士道を……」




