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第162話:強者の敗北



 「レイレ様、それは……」幼い少年が黄金に輝く女性にそう聞いた。

 黄金色の長い髪に、背中には黄金の翼が生えていた。


 そう彼女こそが、龍人種の中で最強の個体…。

 黄金に輝き、空を舞う姿は黄金から純白の光へと変わる。

 純龍、レイレだ。


 時代が変わったが、我が神の裏切りで大戦が勃発した。神から真実を教えられ、破壊の神に創造された種族は全てを敵に回した。


 自分たちに勝算はあった。

 最強の神と呼ばれたあの方を信じるしか……。

 魔王の暴走により対抗しなければすぐに滅ぼされてしまうだろう。


 種族の中で強き者は女であっても戦争に参加せざるを得ないのだ。


 「あぁ、これか……不思議だろう……」レイレ様が手に持っているにはペンだった。

 その先端から光る宝石が出て、音楽を奏でていた。

 暖かい光に暖かい音楽の中に二人はいた。


 「神々の誰かが創った神器と呼ばれるものだ……」龍人種の中でも神器一つだけある。

 それは今はレイレ様が使用している。

 一番強き者が使うことができる……スカイランスは空での戦闘だと最強と言っていいほどの能力を持つ。


 「あの龍人種が持つあの武器もですか……」

 「あぁ、あれは空を元に作られた神器らしい……神器には元となるものが必ずある…それを考えれば神器の種類なんて数えきれない程だろう…」

 強さと知識を備え、俺は憧れていた。


 

 だが……。

 大戦が終わりあの人は帰っては来なかった。

 死んだと皆は思った……俺は待っていたが死んだのだと思うことにした。


 あの人が戦死するなんて…そう簡単に信じられなかった。

 龍人の男達が数人で掛かっても勝てた。


 リーンの頭にはその時の映像がはっきりと脳内に写っていた。




 「てぁぁぁっ!」レイム、ソージ、ソピアはリーンに一斉にかかった。

 だが素早さは向こうの方が上だ。


 「糞っ…早過ぎるだろう……」ソージは圧倒的な早さに叫んだ。


 「動きを止めるよ!」とレイムは破壊の手を展開した。

 「逃げられると思うなよ」レイムがそう呟くと破壊の手のスピード上がり、リーンの後を追った。


 

 「くっ……はぁぁぁっ!」とリーンは後ろを向き、スカイランスを破壊の手に向けて前に出した。


 その瞬間、見えない波動が真っ直ぐ破壊の手に突っ込んだ。

 波動が通った後には穴が空いたように破壊の手が消えていた。



 だがそんな狭い範囲の手を消しただけで動きは止まらない。

 「捕まるのも時間の問題……いやこっちも動かないと……」とレイムは左手を前に出した。

 すると破壊の力が左手に集まり、ランスを形作った。

 

 「レイム……」とソージはそれを出したら決着をつけると悟っていた。

 「レイムが上から下に落とすから二人は神器解放で高火力奴にっ!」

 「わかった!」と二人は同時に答え、レイムは高速で上に上がった。


 


 リーンにだんだんと破壊の手達が迫っていた。

 この幅で攻撃を繰り出すことはできない。振り返った瞬間に掴まれてしまう。

 

 そして奥にはレイムの姿があった。

 リーンは武器が増えていることはわかった。

 「あれはっ……」神雷(ジンライ)破槍(ハソウ)繰り出す技はもう既に知っている。


 だが掴まれたらもう終わりだ。

 破壊の一撃は力を溜め、標的に放つ攻撃だから動いている敵には当たるわけがない。


 だからだろう、破壊の手を展開したのは…今の状態のレイムでも高火力は破壊の一撃だ。


 


 すると破壊の手がリーンの足を掴んだ。

 「くっ…」

 その瞬間動きを止めた。


 手足を掴まれ、もう動けないだろう。


 「これで、私の勝ちですね……」とレイムはリーンの前に現れた。


 ランスの充填……そんな様子はない…。

 じゃあ何故……。とリーンは疑問に思ったその時だった。


 「落ぉぉぉちぃぃぃろぉぉぉっ!」とレイムはリーンの腹をランスで貫いた。

 そして力を流し込み、神雷(ジンライ)破槍(ハソウ)に雷が発生した。


 「ぐぁぁぁっ……」

 リーンの体に強い雷が走り、そして雷撃とともに放たれた。

 

 何だと…破壊の一撃を使わなかった……。


 それほどの相手だったのか……。

 「俺は……だが……」リーンは下を見た。


 なっ!あの二人がまさか!……。リーンは何かを悟り、飛ぼうとしたが、吹っ飛ぶこの速度では翼が折れてしまう。


 「糞ぉぉぉっ、糞ぉぉぉっ!」

 もう何もできないと感じ、リーンは叫んだ。



 そして……。

 「行くぞ!ソピア!」

 「うん!お兄ちゃん!」


 二人は純龍剣を上に掲げ、神器開放術を唱えた。


 すると、刀身が光り出し黄金の鱗が周囲に舞った。

 「あっ……あれは……」その光景を見て、リーンの目はそれに釘つけになった。

 

 二つの剣から舞う鱗が合わさり、龍の形になった。

 

 「いた……そこにいたのですね……レイレ様ぁぁぁっ!」


 その瞬間、レイレの龍の姿の光に飲み込まれた。

 

 「あぁぁぁぁぁっ!!」と叫びながら空の破壊者は世界樹の島に落ちて行った。

 


 「レイムぅぅぅっ!」とソージの勝利の叫びだ。

 「うん…二人共ありがとう……これで残りは二人だね……」とレイムは剣を修めた。


 

 裏世界の情報は……あとで聞くとしよう………。


 「無限の星に通達、計画を続行せよ……計画を続行せよ……」とレイムは通達した。

 

 


 

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