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第157話:黄金と破壊の巫女パーレルゲン




 破壊の財産……名の通りに破壊の全てがここに納められている。

 

 他の神がこれを知ったら、絶対に欲しがるものだろう。


 

 パーレルゲンが大門に触れると、黒い光が大門に走った後に、ゆっくりと開いた。

 

 この大門が開いた瞬間、妙な臭いが鼻に突く……。

 くさいと言った方がいいが、長年蓋を占めていたためかとても臭い……。


 「くっさ……」と我慢できずに、レイムは溢した。

 「掃除はしているのか……」とロナはパーレルゲンに聞いた。

 

 「いえ、していないです。この扉は私と破壊の神しか開けられませんので……そしてここを開けるには神の御許可を取らねばならないので……」

 「そうか……この際だから、リツリ!」とレイムはリツリを呼んだ。


 「はっ……」

 「これが、終わったらここを掃除してくれ……私もここで作業することがあるから………」とレイムはリツリに命じた。

 「畏まりました……」



 こんな会話をしていたら、完全に大門が開いた。

 その瞬間、光が灯った。


 中は円状の空間で、上にはステンドガラスが割れて光が差し込んでいた。

 

 本当に地下なのかと思わせるような空間だ。



 周りには柱が複数立ち、階段を数階降りると奥に山積みになった財産があり、壁には破壊の歴史が刻まれていた。


 ここにあるものは、必要なものもあれば危険なものもある。


 そして山積みに突き刺さる、旗をレイムは手に取った。



 ー創造された者…。

  初代…世界の創造者によって……。

 ーここを守るのが私の役目…そして代々の神に忠義を尽す、永遠に等しい時間の中…。

 ーその歴史をずっと見てきた…その記憶が消えることもなく…。

 「あぁ、そんなこともあったなぁ〜」と昔のこと思えるようになった。

 

 神がいなくなれば、次の代の神が現れる。


 それが悲しく、そして新たな時代だった。




 「その旗は、3代目破壊の神が作成したものでそれは武器として使用が可能です。破壊の力の一つをその旗に宿すことできます…」パーレルゲンはそう言った。


 この印が3000年前までは世界を破壊する印として使われていたなんて…今ではこの印を知るものは少なくなってきたな。

 「レイム様、それをギルドの証として……」


 3000年経っても、劣化しないこの生地は魔術によって創られているからだ。


 印はこのままでいいとして……この旗は破壊だけで立ち向かうという印でもあり、戦火の証でもある品……次はギルドの証に………。


 「あぁ、これからの我らの印だ……」とレイムはホコリを払い、上に掲げた。

 

 漆黒の旗に黄金で描かれた破壊の印……改めて名を付けるなら、まさに『無限の星』だ……。


 「では、リツリ……ここの掃除は任せたよ……」とレイムは旗を肩に担ぎ、その場を後にした。

 


 まだまだ、レイムにはやることがあった。

 掃除は任せて、レイムとロナは第十五階層へ向かった。


 

 第十五階層は全く変わってない…その上が展望台的なものだ。


 その屋根に旗を立てようと、レイムは登った。

 これで、ギルドランキングが上がるであろう……。


 「よしっ……これでいいかな………」とレイムは旗を立て、少し離れて観察した。


 ゆったりできるのも今のうちだ…。

 明日からは表と裏での計画を開始する。

 

 「いいと、思います……」とロナはすぐさま言った。



 レイムとロナは展望台から下がり、レイムの部屋の扉の横には二枚開きのドアの奥がレイムの仕事部屋だ。

 全く使うこともないが、毎日使用人が掃除をしている。


 中に入ると奥の壁はガラス張りになっていて、その手前には椅子とデスクがあり、無駄に広かった。



 レイムはそこに腰を下ろし、はぁ~、と疲れのため息をついた。

 「レイム様……これからの計画ですが……」とロナは再確認のためにそうレイムに聞いた。

 「あぁ、気を付けないとならないのは、裏世界の方だ……。指揮官や調査班は三大守護者とレジナインの魔王軍で行い、表世界では世界七神皇帝の頂点に君臨というわけだが、その七神皇帝について正直エマ以外全く知らない……」とレイムは言った。


 最低でも残りの五人と戦うのに、一つも情報がないとなると……。


 「それなら、早く行って下さらないと……」とロナは呆れた。

 

 

 すると、扉が開き…レジナインが入って来た。

 「レイム……だったら私がその情報を持っているぞ……」とレイムは久しぶりに目にしたレジナインに対して、手を振った。

 「それは、ありがたい……」

 

 

 そしてレジナインは情報の述べた。

 

 一人目は、【雷神】『ジジン・フィールド』。種族は幻獣種でLv.755だ。

 あの時、ジジンはレイムに敗北し再戦闘は期待できないが……まぁ、数に入れておく……。

 種族は幻獣種でLv.755だ。


 そして二人目は【精霊最強】の『ポーリン・リステリィ』種族は精霊種で属性全てを使用可能で

 Lv.740だ。


 次に【空の破壊者】リーン・リレベルト…世界樹に住み、種族は龍人種でLv.740だ。


 四人目は、【天災の魔女】リア・リ・ベレーシア…魔王種でLv.766だ。

 リアはエマたち合わせて6人で死の神に創造された。


 そして五人目……これが今代の強敵だろう。

 【食いつくす者】クロテナ、暴食の神でLv.780だ…。


 

 「んっ……ちょっと待って、最後のが気になるけど……」とロナもレイムと同意見だった。


 「暴食の神……名の通り、全てを食い尽くすもの…目覚めたら手が付けられないほどだ……。正確には幼女戦闘兵器と呼ばれているものだ。作ったものは……私だ☆」と何の驚かせ方だよ……とツッコミたくなるほどの空気に染まった。

 「それは…本当か……。レベルを聞いた感じ、自分より強いけど……」とレイムは恐る恐るレジナインに言った。


 「あぁ、だが弱点もある、奴の活動なんだが、ほとんど知識はなく暴食で食べることだけ考えている……。そのため防御などもないと思うから、それは破壊の力を叩きこめば大丈夫かもしれない……」と曖昧なことを言った。


 

 レイムは事実と受け止め、最強を目指すためにはそれも倒すことになるとはわかっているからだ。

 

 「はぁ~……わかった情報は渡った。では裏世界について再確認をするよ……」とレイムはロナに言った。

 「はい……」

 「裏世界の計画については守護者はソージ達を除き、全員で進行する……この計画の責任者かつ伝達者はレジナインだ……」とレイムはレジナインの方を向いた。

 人材は完璧なものだ。


 裏世界の計画は大雑把に言うと、周りを包囲して中心に攻める……。

 

 そこまで行けば、闇の帝王共を中心に集まってくるだろう……。



 「了解した……」とレジナインは頭を下げた。

 

 「では、レイム……明日の予定を聞いていいか……」とレジナインは問いかけた。


 その質問を待っていたという顔をレイムは浮かべ、レジナインの問いに答えた。

 「あぁ、私とロナと光の勇者達は世界七神皇帝の一人に会いに行く……。そして裏世界は早速、情報を元に裏世界の全方位を囲むことだな……」


 「はい……」

 「そして、強者が現れたら、レイムに報告してね……。その時は私が相手をするから……」とレイムは椅子をくるりと回し、背後のガラス張りから見える景色を見つめた。


  


 

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