第155話:大魔術師レイン・レペレスト
あの時……私は忠誠を捧げた…。
今まで仕えてきたが、あの時……私は少しだけ神に絶望した……。
深く信じていたから…あの時は悲しく…そして絶望した。
何故、そんなことを抱いたのか……今でも後悔している。
「レイム様……何故、もう一人の三大最強守護者を……」とロナは問いかけた。
「ジュウロウの時は、単に戦力が欲しいという理由だった……だが今回は違う…その一人もジュウロウと同じ理由で守護者を止めたのかはわからないが、神が戻ってきたんだ……役目を与えに行く……」とそんな理由だが、破壊の加護を受けたからには、必要なのだ。
「レイム様……だが奴はワ―レストと同等の頭脳を持っております……レジナインと同じく頭脳にかけた個体です……」とジュウロウは言った。
かつて一緒の地位にいたジュウロウもそう言っていた。
「だからなんだ…頭脳では劣るかもしれないが……私は神だ絶対に元通りにするさ……」
三大守護者は攻撃力と防御力のジュウロウにバランスが良く全ての力が平均を上回っているワ―レスト、そして魔法技術に特化した破壊の神の配下で最強の魔術師…レイン・レペレスト……。
「着きました……」場所は奥地、一本だけ巨大な樹木は折られ、幹には巨大な穴があった。
「ここか……魔法による罠はないな……行くぞ……」
「はい……」
レイム達はその中へと足を踏み入れた。
「来た……」
「レイム様……魔力が感じられる所まで来ました……」中は細道で上にはランタンが掛けてあった。
「そうだね…あっちもこちらの存在には気付いているはずだけど……」
それよりまだまだ細道は続いていた。
どんだけ掘ったら気が済むんだ……。
するとランタンが途切れ、奥には扉があった。
そこ開けると、研究室の風景が広がった。
その空間に入り、人影を見た。
金髪のロングの女性が背を向けていた。
「レイン・ペレペスト……私が来た理由は言うまでもないな……」と新時代になり、5代目の時代が訪れた。
風格は変わっていないが、口調は指導者という地位についているからには、しっかりしないととロナと話し合ったらしい……。
「はい…わかります……。5代目破壊の神レイム・レギレス様……ジュウロウが戻ったのも分かる気がする……」レインもジュウロウの強さは知っていた。
三大守護者はほぼ同等の強さだ。
これでレインが入れば、14人だから何大というものを創るか、城を増築した方がいいな。
そんなことも頭の中で考えながら、会話を始めた。
「それで、答えを聞きたいのだ……」とレイムは言った。
「答えは戻りたいです……ですがその前に、少し考えさせてください……」とレインはドサッと椅子に腰かけた。
見ただけで精神的に限界なんだろう。
レイムもそれを見て理解し、レイムとジュウロウ、ワ―レストは部屋を出た。
様子見としてロナはそこに残った。
そして静かな空間の中レインが口を開いた。
「申し訳ありません……。私は敗北の時、神に絶望しました……最強と言われた者との約束が叶わなかった時に……同時に悲しく…悔しく……」と涙を流しながら、誰かに届くように話してた。
「それは……敗北した私には何も言うことがないよ……。だから私は自分自身の力を未来に託した……それがあの剣だ…。今は同じ姿で同じ名を持つレイムだけだ……。私はあの子なら私以上に優れ、その先にも皆を導いてくれると思っている……。強さではあの時の私より劣るがな……これからが楽しみだっていうことは変わらない……。帰ってこい、お前の家はあの城だろう……」とレインの後ろから小さい体が抱き着いた。
3代目レイム・レギレスだ…。
「うっ、うっ……了解…しました……」と涙を流し、レインは帰還することにした。
信じていたからこその悔やみと怒り、そして絶望……。
それは、他の守護者もその感情を確実に抱いていたことは間違いないだろう。
「レイム様…お入りください……」とロナは叫んだ。
「どう……」とレイムはロナに聞いた。
「レイン……自分で言えるね…」
レイム達の目線がレインに向けられた。
「あぁ、私、大魔術師レイン・ペレペストは5代目破壊の神レイム・レギレス様に忠誠を捧げます……」と跪いた。
「レペレスト?……」レイムは今頃だが、その名前に気が付いた。
「レペレストって、シールとピールと同じ名前だ…」とロナ、ジュウロウとワ―レストは呆れた顔をした。
レインのことを知らないとしても、名前を聞いた時から気付くはずだが……。
「あぁ、あれは私の子供だ……。私の後をと思って……。まぁいい、荷物を整えるよ……」とレインは荷造りをした。
「レイム様……では……」とロナはレイムにあることを聞いた。
「あぁ、三階分階を増やしてくれ……あとのことは玉座で説明する……」
ジュウロウの時と比べれば、話し合いで済んだ。
こうしてまた新たに…いやかつての仲間が戻ってきた。
そしてレイム達は城へ帰還した。




