第140話:漆黒の大悪魔
「ここが……水源の都市ソルレンテ……」海に沿って続く領域で漁業や魔道具などの生産が盛んだ。
海から掘り出す鉱石は水や氷属性の武器や防具魔道具などになっている。
領域の広さはエレクシアと同じ広さで人口はエレクシアを劣っている。
領域を囲む、大きな山の上には古びた教会があり、この町のギルドに訪ねた時にこんな情報を聞いた。
そこには、最高位の悪魔が住み着いていると言った。
レベルは恐らく100以上のランクS最強級だ。
この領域で災難度のクエストだ。
報酬は高くつくらしい……何十組もの冒険者やギルドがそのクエストを受けたが、ダメだったらしい……。
光の勇者という称号を持っているためか、報酬は倍だと言った。
俺達にはできないからか、それよも期待を寄せているのか……。
肩慣らしということで俺達はそれに同意し、今はその教会まで足を運んでいる。
そして、結構高く地上が見えないくらいの高さまで登り、ここが山の頂上だった。
行く時は簡単だった。
ここは領域内だからモンスターは侵入することはない……。
つまり神の領域に侵入できるほどの強さを持つということか……。
「あそこか……」あまりにもの高さで霧が少しかかっていて視界が悪い……。
踏み外したら、さすがの俺でも死ぬだろう。
そして教会の扉の前まで、何も起こらずたどり着けた。
「何もなかったな……」とグアはそう呟いたが、内心とても緊張していた。
神器で二人のレベルなどは大幅アップしていて、その悪魔と同等の強さだろう。
ギィィィッと古びた音を立て、扉が開いた。
その瞬間、若々しい声が3人の耳に飛び込んできた。
「ほぉぉっ…今度の客は珍しい方ですね………」と姿は見えないがどこからかその声が聞こえてきた。
「珍しいとは、どうゆうことかな……」とグアは言葉を返した。
その言葉を聞き、クスクスと笑った。
「そうだな…光の勇者もそうだが、破壊の神がここに来るなんて……天界は余程崩壊しているのでないかと……」ともう来た者の正体は分かっていたらしいな。
「そうか……じゃあ相手が僕である以上…お前は敗北だ……」とライトは姿が見えない悪魔に言い捨てた。
それもそうか、破壊の神が来たなら、相手の敗北は確実だろう。
「そうですね………では、私と本気で一対一で戦い…勝利を収めたら――」と悪魔は何かを言おうとした瞬間、ライトが先に言葉を挟んだ。
「もし、勝ったら僕の所で働いてもらうよ……」と悪魔は想定はしたようだが、会話が少しの間途切れた。
「いいでしょう……もし私が敗北したら破壊の神…あなたに忠誠を誓います……」と言い、3人の目の前に黒い影が現れ、人の形となった。
そして現れたのは、青年の姿で黒いスーツを見に纏っていた。
その大悪魔は、ニヤリと口を曲げて…その名を口にした……。
「私は、ディリア・ブラッド……漆黒の大悪魔と呼ばれている最上位悪魔です……」と名乗った。
その言葉は、誠なもので…その実力は同格か向こうが上かの違いだ……。
「僕は、破壊の神ライト・レギレス……悪を倒すものだ!」と叫び、二人は睨み合い周囲には波動さえも感じられた。




