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第136話:無限の星、失態!計画中止!?



 「さて、最低でも夜のうちに自分の分は片付けないといけませんね……」と余裕の様子を一切変えずに城の方に進んで行った。

 エレクシア領域外の北に位置するレトラクター王国はエレクシア領域との三大領域同盟から貿易を受けている、結構大きな国だ。


 そのため城内もとても豪華な作りになっている。


 堂々とジュウロウは城内の一番上を目指して進んでいる。

 デビル達は今も情報と財をディスラクシェント城へ運んでいる……。


 私が狙うのは闇の皇帝だ……。

 「さてと、場所もわかったことですし…さっさと行きますか……」とジュウロウは階段を登り上へ向かった。




 そして少し登るとその階に足を止めた。

 「数人か……少し面倒だな………」目の前の廊下を右に進むと、一番奥に両開きの扉があった。

 

 進む先はそこだ。

 


 「あの兵器は、本当に使えるのか?」

 「もし使えなかったら、高額の金で売ってきた意味がわからん……」と静かな廊下に男達の話し合いが聞こえてきた。

 兵器と言うのは情報のあれだろう……。


 今男達が話していると言うことは、その出所がわかるかもしれない……。


 「こんなもの…破壊神を殺せと言っているようなもんだぞ……」

 ガチャッっと何か金属な音が聞こえた。



 「まさか………」とジュウロウは囁くように呟いた。

 



 そして扉を開けた。

 その空間は大きな長テーブルに男が6人囲んでいた。


 「なっ……なんだ貴様!」と男の怒鳴り声がジュウロウの耳に飛び込んできた。

 「闇の帝王はいらっしゃいますか?……あと………」とジュウロウは兵器らしきものを持った男を確認した。


 「その兵器をこちらへ……」と手を差し伸べた。


 だが素直に応じることもなく、男達は武器を構えた。

 「やれやれ……」


 キンッ!、とジュウロウはまた鍔に親指を引っかけ刃を見せ、離した。


 その瞬間、6人の男達が床に倒れた。

 「貴様たちのアキレス腱を切りました……さてっ……あなたが闇の帝王ですね……」

 それらしき気配を感じ、その方向を向いたら肥満体の男がいた。



 「なっ…なんだ貴様はぁぁぁっ!私は闇の帝王の一柱…『家畜の番人』レドルドである……この私を殺せばどうなると思う……」とレドルドは言葉で抵抗をしていた。

 「他の闇の帝王が黙っていないぞ!」と怒鳴り声がうっとおしく思い始めた。


 そんなことより、ジュウロウは兵器を持った。

 

 見た感じ、ドワーフ種が作っている拳銃のようだが……金属が使われているのはわかるが、見たことがないぞ……。


 

 すると、ジュウロウは窓に向かって、銃口を向けた。


 ダンッ!、とためしに撃ってみた。

 弾丸は固体ではない、黒い光が飛び出した。


 はっきり言って未知だろう……。



 「これを、どこから手に入れた……」とレドルドに問い掛けた。

 「それは……」

 「どこで…手に入れた……」と再び問い掛ける。


 「どこからわからない……闇の帝王の間でそれが流れているのがわかったんだ。私に売ってきた奴は買った同じ額と売るって言うから……」と曖昧なことを言った。

 「ということはつまり出所がわからないと言うのか……」と低いトーンでレドルドに聞いた。


 「はい……」と答えた。


 嘘ではないな……。



 「で、どうする……」とジュウロウは懐から水晶と取り出した。

 「そうだな……それはレジナインに調べてもらおう……。計画通りそいつには出所を探ってもらう……」とワ―レストの声だった。

 「ディリアはもう帰還してシールとピールも終わったようだ……ジュウロウも早くした方がいい……」

 「わかった……」と水晶は消滅した。



 「では、聞こえただろう……貴様はこのままこの兵器の出所をっ――」とジュウロウはレドルドの後ろの窓を見た。


 そこには、浮遊する何かがあった。

  

 少女?……。

 

 それは細い何かをこちらに向け、その瞬間、黒い光が壁を砕き、ジュウロウは光に飲み込まれた。


 

 ズドーーン!!


 城は半壊しただろう……。

 ジュウロウは飛ばされ、城下町に落ちた。

 

 三大最強守護者の一人であるジュウロウはかすり傷で済んだ。


 「なっ!……」地面に足をつき、すぐさま上を向いた。




 すると……。

 

 ズドーーン!

 ズドーーン!、とまだ城に向けて、光線を撃っていた。


 「何者かはわからないが……新たな奴が関わっているようだ……。はぁ……神器がなかったら俺は死んでいたな……」


 闇の皇帝はさすがに死んだであろう……。


 恐らくだが、俺があそこにいたから奴が現れた。


 

 どこの者なのか……受けた攻撃からすると……史上最強級なのは間違いない……。


 どちらにせよ……。、とジュウロウは自分の手の中を見た。


 「糞っ!…重要な素材を逃すなんてっ!……」そう、その手の中にはあの兵器はなかった。

 あれさえあれば、何かが変わったはずだった……。



 ジュウロウの中は怒りで満ちたが、だんだんと落ち着きを取り戻した。

 「だが、こうなっては仕方がない……すぐに………」とジュウロウは掌に水晶を出現させた。


 「ワ―レストか……」

 「あぁ、そうだ。どうしたジュウロウ?」


 「謎の者に襲撃を受けた、恐らく新たな組織かもしれない……。すまない兵器を取り損ねた……失態だ………」と自分を悔やんだ。


 「わかった……だが私にも失態がある……。計画の全てもそうだが、それを予想していなかった………」とワ―レストもそう述べた。


 

 そして「無限の星全員に告ぐ、計画は中止だ……。また新たな組織が関わっている……そしてこの時期こんな計画は無謀……今私ワ―レストの権限で計画を中止する!」

 、と今無限の星に所属する全員に計画の中止が言い渡された。


  

 「そしてジュウロウ……情報や財は全てディスラクシェント城に来たから早くジュウロウも戻ってきて……」


 「………了解した……………」ジュウロウは城を再び見て、歩き出した。




 

 計画の中止が言い渡されたのは夜の12時を過ぎている頃だった。



 「レイム様……」とロナとリツリは寝ているレイムの寝室へ入った。

 

 「んっ……どうしたの………」とベットから顔を出し、レイムは起きた。

 「はい……レイム様……。たった今ワ―レストがある理由で計画中止の宣言が出ました……」とロナはレイムにそれを報告した。


 「その理由は、計画中に謎の者からの襲撃を受け、予想では新たな組織が関わっていると思われたと……そしてこの時期ということで………」とロナは計画中止の理由を説明した。


 この事態では計画中止も賛成のロナとリツリだ。


 「わかった……。じゃあ再計画は新時代が始まったらだ……それまでは休暇を静かに過ごすことだ……」とレイムは命令を出し、計画は完全に撤廃された。

 

 これ以上続ければ、無限の星だとバレ、潰されるからだ……。


 

 裏世界は表世界より深く……より暗いようだ………。



 この計画は悔しい状況で終了した。


 


 


 

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