第135話:裏世界の消滅計画開始!
「んっ……ワ―レストか………あぁ、んん………わかった……気を付けよう……」
計画は続行だ。
我が神の力を封印となれば、一早くも計画を進める必要がある。
この王国みまた立派なものだ…、とジュウロウは石が詰まった地面をカタッカタッっと下駄の音が静かな夜に響いている。
ジュウロウが城の前を歩いている時点で配下の者達は財や情報の回収を行なっている。
ディリアが掴んだ情報はもう渡っているため、ここにも同じ情報があればもう裏世界にはそれが広まったと言っていいだろう。
するとジュウロウの横から黒い影が地面から浮き出てきた。
「ジュウロウ様、闇の帝王と呼ばれるものが数人居るらしくその者達が柱として裏世界を支えているようです……」
ここで手に入れた情報だろう。
「ありがとうサリン…なるほどね……」
その影は黒い布を羽織ったような感じで顔の部分は鳥のようなクチバシを模した鎧の顔だった。
この者は3代目破壊の神が創造した上位の破壊の精霊で配下の中でも上位の地位に位置している。
全て十体いて、守護者や神の側に使えている。
サリンとの会話が終わり、ジュウロウは再び前に歩き出した。
その瞬間、城の入り口の位置する暗闇から何かが飛び出してきた。
んっ…。
キンッ!
ジュウロウは鍔に親指を引っ掛け、鞘から少し抜いた。
その幅はほんの数センチの刃に当たり何かがぶつかった。
「斬撃か……敵のご登場と言うわけか……」
余裕な様子のジュウロウだ…。
その長年の目からは相手のレベルがすぐに分かる。
そこにいたのはいかにも武闘家と生業とするものだった。
だがさっきに斬撃の説明がつかない。
あぁ、なるほど…これは腕がなるね……。
「何者だ……」と低い声で空気が振動した。
とても低い声だ……相手はこちらを侮ってはいないようだ。
「名を問い掛けるのであれば、先にそちらから名乗るべきでは……」と返した。
ジュウロウの雰囲気からすると、まだレベルはわからないようだ……。
「私は闇の帝王の部下……デイル………何故武士の格好をした貴様が城の前をうろついている……妙ではないか……それとさっき誰かと話してはいなかったか?……」
この時、相手の姿形や印象など全てが見えた瞬間、ジュウロウの目に相手の強さがはっきりと写った。
「では、その闇の皇帝と会わせていただけませんか?……」とジュウロウは言った。
まだ闇の皇帝の強さが分からない以上確かめた方がいいからだ。
当人が強いのか、闇の皇帝を守る部下たちが強いのか………。
サリンからの情報では闇の帝王が数人いると言う噂だ。
だったらその一人を操れば、全てを操ることも可能だ。
「おいっ……」とジュウロウは誰かを呼んだ。
するとサリンが横から現れた。
そして何かを耳打ちでサリンに伝え、すぐにサリンは姿を消した。
「じゃあ、早速始めましょうか……」とジュウロウは刀を抜くことなく構えた。
「あぁ、そうしよう……」とデイルも拳をジュウロウに向けた。
ジュウロウは笑みを浮かべていた。
そして鍔を親指で上げた。
「うぉぉぉぉっ!」と先に動いたのはデイルだった。
腰を落とし、思いっきり拳を前に出した。
熟練の武闘家は、剣の斬撃と同じに衝撃を遠くに飛ばすことができる。
ズドーン!、とジュウロウに命中したが、何も変化はなかった。
「なっ……だとっ………」
その表情は一気に絶望へ変わった。
そんな空気の中、ジュウロウの左腕が動き、鍔を上げたまま刃が数センチ出ている状態だった。
キンッ!、と親指を鍔から離し、刃が鞘に完全に収まった。
その瞬間、ボトッっとデイルの指が地面に落ち、体も地面に転がった。
「ふんっ……部下がこれでは、闇の帝王とやらも力はないが影響力はあるのだろう……」とジュウロウはそう予想した。
するとサリンが現れ、ジュウロウにナイカを伝えた。
「了解した……」と呟き、右手に水晶を展開した。
「我の全配下に告ぐ!闇の帝王と思わしき人物を見つけたら連絡、使役して我々のコマとする!」と告げた。
ここは、エレクシア領域外北の国……。
無限の星の裏の世界の消滅作戦が開始された……。




