表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
130/212

第130話:聖剣ベラキリュム



 「では、実戦開始!」と男が叫んだ。


 レイムは剣を構え、相手が動くのを待った。

 「レイム様は様子を見るようですね…」


 レイムの相手は貴族のべトラ家の息子だ……家系は貴族の上位で剣術はそこそこだ。

 金髪の髪に周りからするとイケメンでエリートクラスに所属し学業の成績も上位な人物…。



 シリウス・べトラ……。





 そしてその剣は、神器だ…。

 大貴族の12柱の一つの家系…べトラ……。


 光のエネルギーを溜め、放出することができる『聖剣ベラキリュム』…12柱の中で3家系しか所有していない神器の一つ…。



 当たり前だが、その神器達は王家の神々達を守ってきた……力としてはそれほどのものだ。




 「あれが…『聖剣ベラキリュム』ですか……レイム様とは属性の相性としていい勝負になりそうです……」とロナは少しこの戦いを期待した。


 シリウスもレイムの様子をうかがっていた。

 「相手も動かないですね……お互い待つ気なのか……」





 するとシリウスが地面を踏み出し、レイムに接近した。

 走れば、すぐ目の前に相手がいる距離だ。


 

 この空間で突進攻撃は相手にとって圧倒的だ。



 「はぁぁぁぁっ!」剣をレイムに向けて振り下ろした。


 キンッ!と金属音が響いた。

 

 破壊の剣を横にレイムは構えた。




 今のレイムは完全に相手を舐めている。



 だが、これは剣術の戦い……。

 「レイム様……完全に舐めてますね……。剣術はあれだけじゃないと分かっているのでしょうか……」


 

 剣を受け止められたシリウスはすぐさま連続攻撃を繰り出した。


 「てぁぁぁっ!」


 キンッキンッキンッ!


 レイムは全ての攻撃を一歩も動かず、防いだ。



 今までの戦いで洞察力なども上がっているらしい……。


 

 するとシリウスは聖剣を上に掲げた。


 「『聖剣―(ムーン)(ライト)』!」神器の特徴の一つ…神器による技。

 その技は刀身から無数の光がレイムに物凄い速さで向かってきた。


 「くっ……」

 その一つ一つが光っていて視界にとらえるのが困難だった。



 「早速、神器による技を……レイム様は……」





 その時、ロナの5人の神々は見た……。

 レイムの口元が歪み、笑みを浮かべたことを……。


 

 レイム様……やっとやる気に……。



 その瞬間、レイムは笑いながらその剣を横に大きく振った。


 

 バシュバシュバシュバシュ…と光が弾け消滅した。



 「面白い……」とレイムは口を開け、シリウスに話した。

 「それは、よかったです。ではこちらは本気で行きます……」とシリウスは聖剣を構えた。


 剣を大きさや重さは二人とも同じだ。



 レイムも態勢を低くした。

 「すぅ~」レイムは大きく息を吸い、息を吐いた。



 「ふっ!」

 「はっ!」

 二人は同時に動き出し、剣に力を込めた。



 「はぁぁぁぁっ!」シリウスは両手で握り、振り下ろした。

 その刀身は光っていた。


 「てぁぁぁぁっ!」とレイムは下から振り上げた。


 

 キーン!!



 レイムが本気になった以上、どちらかが降参か倒れるまで……。

 「レイム様は、相手に神器解放を使わせるまで追い込むみたいですね……」その表情からわかることはそれだろう。


 

 『聖剣―ベラキリュム』は大剣よりかは小さく、片手剣よりかは大きいものだ。

 柄の部分は長く、片手剣にも大剣にも使える。



 シリウスが上でレイムが下はシリウスの方が有利だ。



 「力では、まだまだのようですね……」ロナはその状況を見て、少し危ないと思った。


 「くっ……」上から体重もかけられているため、いつもみたいに跳ね返すことはできない。




 「『破壊の剣―……」

 ここで、破壊の剣の新たな力を目にする……。



 その神器は破壊の神のために創られたと言っても過言ではない…。

 これまで所有したのは3代目とレイムだ…。



 その剣は破壊の神と同じ……。

 「『破壊の剣―破壊の翼』!」とレイムが叫び、その刀身から幾千の黒き羽がレイムの背中に翼の形になった。


 

 「何っ…6つの力を剣で!」5人の神々は驚いていた。


 「だけど、あの剣の『神器解放』は『破壊の世界』と組み合わせることであの破壊力だ…」破壊の剣の本来の神器解放は誰も分からない……。



 そしてその破壊の翼はシリウスを思いっきり押した。


 それで、距離は取れたが、訓練をしているせいかシリウスは普通に着地した。


 

 「『破壊の剣―破壊(ディスラクシェント)爆発(エクスプロージョン)(ブレード)』!」神器のほとんどの剣技が所有者次第で無数だ。


 レイムが剣を横に振り、爆発の斬撃のように横からシリウスに目掛けて爆発が発生した。


 この技は、離れた敵も当たるもので近接には向かない。



 そのことに気付いたシリウスはレイムに接近した。


 「『聖剣ベラキリュム―(ライトニング)(サンダー)』!」

 この聖剣は、光と雷の二つの属性を持つ。


 

 これは、ロナが最初に思ったことだろう。


 レイムは新たに雷の属性を手に入れた。



 

 「ロナっ…さすがにあの剣から雷はでないよな……」と横でべムルが聞いてきた。


 「はい…そうだと思いますが……あれを出さない限り……」



 この実戦は戦いだ…剣術の他もありだ。




 そしてレイムは光の雷を破壊の翼で防いだ…。

 だが、その羽は少し黒い煙を出して消滅していた。



 「やはり、破壊の力でも光の雷は……」レイムはすぐさま態勢を立て直し、シリウスを見た。


 

 もうシリウスが目の前だった。

 「くっ……はぁぁぁぁぁっ!」レイムは剣をシリウスに振った。


 「ふっ!」とシリウスも剣を振った。



 今の状況だと、レイムが押されている…。


 やはり、相手が光属性の神器を持つ者はさすがに苦戦するようだ。



 

 二人の刀身はぶつかり合い、また力の戦いになった。


 「この差を埋めるためには……」とロナは呟いた。

 

 

 すると、地面が黒く染まり、レイムの左側に凝縮し下から黒い武器が現れた。


 「それは……」とシリウスはレイムに問い掛けた。

 漆黒の美しい武器……先は万物を貫き…その強度は破壊の剣より上に……神器の中で鋭さは最強の武器……。


 黒い少女の血で創造された…その武器は………。



 「『神雷(ジンライ)破槍(ハソウ)』!」神の雷を発生させ、それを先端に溜め放出させる…破壊の槍ということでその名がついた。


 属性は破壊と雷……。


 「はぁぁぁぁっ!」レイムはランスを前に突き出した。


 その一突きをシリウスは避け、距離を取った。



 これでもう相手に近づくことは不可能に近い。


 これでレイムが広範囲の攻撃をしようもんならもう勝ち目はない……。



 「ということは…それまで追いつめてはいないのか……」シリウスはそう呟いた。

 

 これで戦っても、いつまで経っても勝負はつかない……だったら……高火力で光の力を叩きこめば……。



 「『聖剣ベラキリュム―(ライト)領域(レギオン)(ライト)(ソード)』とシリウスは叫んだ。





 すると聖剣が光り出し、シリウスの周囲の四角の角の位置の空中に光の魔法陣が展開され、身の上の高さの巨大な光輝く剣が現れ、地面に刺さった瞬間、領域が広範囲に拡大した。




 その広さはこの学院を囲むほどだ…。


 「光の領域に入ったレイム様は、動きが鈍くなるでしょう……」ロナの言葉は絶対だった。


 



 「糞っ……」この領域内にいる限り、少しずつダメージが入っている……。


 「だけど自分の領域を創ればいいこと……」

 レイムは破壊の剣を捧げた。





 「『破壊(ディスラクシェント)物体(オブジェクト)漆黒(ダーク)大剣(ラージソード)!』」と叫んだレイムの周りに10本の漆黒の大剣が展開され、地面に突き刺さった瞬間、破壊の領域のようにエネルギーが周囲に広がり、光の領域とぶつかった。






 「これで終わりにしよう……」とレイムはランスを前に向けた。




 そして周りから黒い雷が発生し、ランスの先端に凝縮した。

 領域と雷が集まる波動で一定に広がるように波動が波打っていた。





 シリウスもその様子に最後だと気づき、遂に繰り出すこととなる。


 「『神器解放』!」と聖剣を上に向けた。





 するとシリウスの頭上に月が現れた。

 その月は強い光を放っていた。





 するとその瞬間、その月が砕け、中から更に強い光が聖剣の先に球の形で集まっていった。

 

 聖剣ベラキリュムは月の光を元に創られた神器……。




 

 そして残念なことに月の光は無属性も含まれているため…シリウスの属性は光と雷の他に無があった。


 それにその場にいた全員が気付いたであろう。

 「これは、予想以上です……」とロナもその光景を楽しんでいた。





 そしてもう目を開けていられないほどに光が聖剣に凝縮していった瞬間、シリウスは聖剣をレイムに向けた。


 神器解放は必殺技だ……その名は神器の名と一緒………。


 そして遂に……。


 「行けぇぇぇっ!『聖剣ベラキリュム』!」と叫び、月の光がレイムに向けて放たれた。


 「全ての貫け、破壊の一撃!」と漆黒の雷が放たれた。



 シュ――ンと音を立て、月の光は動き、ズドーーンと音を立て、進む破壊の一撃……。



 二つの力がぶつかった瞬間、建物が吹き飛び、とてつもない衝撃波が広がった。


 「はぁぁぁぁぁっ!」


 この二つの力は完全に互角だった。

 

 ここから、どうなるのか……。とその場にいた全員がそう思った。



 その瞬間、白き剣が飛んでいき、二つの力の間の地面に刺さった瞬間、二つの力は消えるようにその剣に吸われていった。


 その状況に二人はわけがわからなかった。


 

 「何っ!……破壊の一撃が……」

 「どうゆうことだ……」



 「だっ……誰だ!………誰が私の邪魔をしたのはぁぁぁっ!」とレイムの心は怒りに満ちた。



 すると、「レイムちゃぁぁぁん!……授業参観に来たよぉぉぉっ!」と聞き覚えの声が聞こえた。


 あと少しで、怒りが爆発する寸前で怒りは消えた。



 「なっなんで…ここに……」


 その声の先には、4代目炎の神レイスの姿と白いレイムことミレルもいた。



 あれほどの力の戦いを止められたのは…誰もいない……。


 ましてや破壊の神の破壊の一撃を止められたのは、ミレルが初めてだった……。



 

 

 

 


 



 




 





 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ