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第127話:初めての世界



 神々の会議が終わって、数日が経った。


 上では新時代に向けて…何かが動いているようだ……。




 無限の星の現状は要塞の残骸の片づけと、世界七神皇帝に加入したことにより…わずかだが破壊の国が発展の道へと進んでいる。



 それに続き、世界は新時代に向けて、動き出していた。


 今代は2000年で終わった…。

 神にしては短いのであるが、第二神暦が4000年ということが長いのだ…。




 そして……レイムの姿は地上から消えた。


 

 

 そこは洋風な街……。中心に見えるのは…王家が住まう城だ。

 それは巨大で一番高い建物だ。


 

 ここは、天界……存在が暮らす中で2番目に高い所だ………。

 天界の国は円状に広がり、ここに住んでいるのは全て神だ…。


 人間のように暮らし、人口も増えている……。



 

 四つの方向に進む大通りを抜け、喫茶店の野外でその小さき黒い影はあった……。




 「レイム様~…砂糖は?……」とロナがレイムに砂糖の数を聞いていた。

 「うん……」といつもとは違う様子でロナの問いに答えた。


 この周辺は人間の社会階級で言えば、国民の住宅街だ……。



 レイムの様子がいつもと変なのは、この世界に関してレイムには初めてだった。

 神が自分の世界を知らないと言うのは、変だが破壊の神はこの世界で生まれることはない……それは神が裏切ったことにより、4代目からだ……。



 「どうしましたレイムさ――」とロナは言いかけたが、何故かその理由がわかった。

 「それは、きついですね~……」とレイムを和ませようとそれを発言した。


 今の状況でのレイムはとても気まずい……。

 これでもレイムは王家の人間だが、ここは何故か居心地が悪いようだ。



 二人の向かいには席がもう一つ空いていた。




 

 すると道に豪華な馬車と、王家に仕える騎士達が止まった。

 「レイム様、来たようです……」とロナが呟いた。




 

 その馬車から出てきたのは、3代目炎の神ジルフィスだ…。




 そして赤き鎧に包まれ、周囲の人々はジルフィスに跪いた。

 この所の上下関係は人間と同じだ…。




 「やぁ、レイム!この世界に来たのは、初めてだったな……」と明るく話しかけた。

 

 「こんにちは、ジルフィス様……ここは居心地が悪いです。それにここは、私にとって故郷ではなく、ただの同族が暮らす世界だけ……私の故郷は下界の我が破壊の国だけです……」


 その言葉は、自分の同族に復讐を抱いているような様子だった。




 しかも、それを聞いた騎士達が同様し、剣に手をかけるほどだった。



 

 「はっははは!そうか……そんな言葉が返ってくるとは、まさに俺の孫だな……」

 レイムのそんな言葉に怒鳴ることなく、ジルフィスはまた笑い話した。




 その言葉を聞いて、騎士達は騒めいた。


 「あの少女が、ジルフィス様の孫だと……まさか5代目破壊神?………」


 

 

 そして二人の会話は続く……。


 「まぁ、仕方ないだろう……新時代に向けてなんだからな………。それで何だが……お前は、学校に行ってもらう……」


 なっ……何っ!?


 学校とは、学問を学ぶ場所!?……。


 「私には、学校など必要ないです。今ある知恵だけで――」とレイムは学校に行くことを拒否した。

 


 だが、「その学校には、新時代の残りの5人がともに入学だ……これは命令だ。レイム…お前はこれから数日まで学校で通い、ランキング戦を終えた暁には、新時代へ突入だ……。わかったなこれは命令だ……」

 

 命令?………。


 そんなことを言われたのは、初めてだった。


 縛りなど存在しない…。



 

 そして歴代の破壊神は、そのことを変に思い、裏切りや大戦でも戦いがあった……。


 

 縛り……破壊の神は最強の神と呼ばれ、その影響で上からの縛り…つまり世界からの縛りがあった。




 その破壊神は命令は受けない……。

 破壊の神が何故、世界の縛りに違反したのか…それは、自分勝手と言うこともあるがこの世界に不満を持っている。


 だから縛りは受けない……そうゆうことなら魔王や死の神と同じだ………。



 もし、世界がまた強者を縛り付け、更に強くしたなら……また大戦が起きる……。




 だが、今度は地上だけではなく、最強の攻撃は天界に向けられるだろう……。


 「俺も…命令は嫌いだ……。この命令は我が妻が出したことだ……。お前も大概にしろよ……この世界がおかしいのは誰もが知っているが……俺はお前と戦いたくない………」とそれは本音だった。



 「それは、私もそうですが……この状況で行けば……新時代の突入で何かあるかもしれませんし……新時代に突入したら、我々『無限の星』は世界七神皇帝の最強を目指します……」


 「はっははは!やっぱりそうか……。だがその前にランキング戦はどうするのだ……」


 その言葉は、もうわかっているような感じだった。



 「はい……。命令によれば事前に5人の会うのですけど……私は上を目指します……」とレイムはそう言った。



 その5人は同じ家系の者…つまり従兄など元は地の繋がった者達だ。

 

 

 「じゃあ…いい学校生活を……」とジルフィスは手を差し出した。



 「はい……。人生では初めての学校生活を楽しみたいと思います……」とレイムは差し出された手を握った。


 ラフでは敬語は必要ないが…騎士達が一緒では今の二人の上下関係は3代目の炎の神と5代目破壊の神の上と下の関係となる。



 そしてジルフィスは馬車に乗り込み、騎士達のその場から立ち去っていった。




 「レイム様…いいのですか?………」とロナはレイムに問い掛けた。


 「あぁ……ロナ今すぐに無限の星に繋げよ……」と言われ、ロナは水晶をレイムに差し出した。

 

 「無限の星のメンバーに告ぐ!新時代まで私はいないが…我が領域と無限の星の損害、敗北は許さん!…そして新時代に突入した暁には我々は世界七神皇帝の全員を潰す…今はそれだけでいい…。ではレイムが戻るまで、副リーダーであるエマと本城では、ロナの代わりに三大守護者の二人が指揮官に任命だ…それでは新時代まで休養だが…くれぐれも注意を怠らない様に……」


 と言い終え、レイムに手から水晶が消えていった。



 すると、また道に馬車が止まった。

 だが、騎士の姿はなかった……。



 「レイム様…迎えが来たようです……」


 あの馬車はこの世界で暮らす家まで向かう馬車だ。


 「うん……。じゃあ学校生活を楽しむとしよう……」とレイムは何かを企んでいるようには見えないが、そう呟き、ロナと一緒に馬車に乗った……。

 

 

 


 

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