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第126話:過去の思い出



 次々と神や王達は城から出てきた。世界で一番高い所だから空は雲一つなく青が広がっている。


 レイムは白を出ると、城の左の階段を上った所には草や花咲き、その奥には二つのお墓があった。

 そう、その墓はバカな2代目達に殺されたと言っても過言ではない3代目破壊神とその横にその父である2代目の墓が立っていた。


 その墓の前に立ち、レイムは両手を合わせた。その姿をロナとエマがそれを見ていた。すると後ろから足音が聞こえ、とんでもない人が、「ちょっといいかな…」と二人に話しかけた。

 

 そう言われ、二人は後ろへ振り向くとそこには3代目炎の神ジルフィスがいた。この瞬間エマの黒歴史が姿を現した。



 「なっ…3代目ジルフィス…」そう、魔族やダークサイドの中でも最強格であるエマは今までで3回も敗北していた。

 新しい方から言っていくとレイムと戦い、3代目達に子供ができた頃にエマは神々と戦っている、その時に戦ったのが3代目ジルフィスだった…。そして大戦で3代目レイムと戦い、そしてエマは死んだと思われていた…。


 「おぉ…誰かと思ったら、エマか…。まぁ、心臓を突き刺しただけで死ぬとは思っていないがなぁ…だがあの時代のお前は確かに初代世界七神皇帝たちと渡り合う力を持ち、そして2代目で遂に加入とは…だが俺はもう定年だ…。そして今お前と戦ったら俺は確実に負けるからなぁ…。まぁだからと言って5代目を舐めると同じ炎の神にまた負けるかもなぁ…」とエマをおちょくり階段を上った。


 「なめるなぁっ!まぁ、私もお前と戦っても何も面白くないから~」と我慢強くそう言ったがロナがそれを壊した。

 「そうなると、3代目炎の神ジルフィスとの勝負はジルフィス様の勝ち逃げですよ…」とロナは言った。



 その瞬間、エマの胸に目に見えない者が突き刺さり、エマは地面に手をついた。その光景を帰り際に王達は見え要る。

 「そんな……だが私は新たな新時代で…」悔しい口調で新時代にかけた。だがジルフィスの考えは結果として合っていた。


 それはエマと戦った者や死の一族だったら分かるが、3代目のナンバー2が定年と言っている時点で3代目は今の世界七神皇帝や大魔王たちに勝つのは難しくなる…それだけ年月が経っているからだ。それなのにエマは同じ時代を生きた神々とは変わりまだまだだった…。


 それが簡単な理由となるだろう。


 

 そして3代目炎の神ジルフィスは両手を合わせ、目を瞑るレイムの横へ立ち止まった。

 「大きくなったな……」と優しく語り掛けた。その声に反応し、レイムは目を開け、横を見た。その光景は本当の叔父と孫だった。


 レイムは返す言葉が見つからなかった。


 「この世界は狂っている…だが他もそうとは思わないか……完璧だったら住む者も退屈だ。破壊の神が存在する理由は世界が完全に狂った時に必要なのかもしれないなぁ…つまり世界を救う者だ…」と風格とは裏腹に笑みを浮かべ、話を続けた。


 「2代目に関しては神や王がお前と同意見だ…。だが神が神を殺すことはできるが、出来ない…。これから起きることはもう何でも仕方がないと言われてしまうようになる。そんなものなど俺はまっぴらごめんだが…お前は今、そして新時代で好きなようにやればいい…」とレイムの肩に手を乗せた。


 そして「俺はこの世界が滅ぶのはもう近いと思っている……。だからそれをお前が止めてくれ…」ともう死ぬ覚悟はできていると言う表情とその前に浮かぶ、満面の笑みがそうレイムに思わせた。


 「忘れるな…終焉は近い……」とそう言い残し…ジルフィスはレイムから去っていった。


 

 そして再びレイムはお墓の方へ向き、手に何かを込めた。その思いは光を放ち、レイムの手に2つの黒い花として生まれた。


 レイムはその花を一つずつお供えし、また両手を合わした。

 

 そしてその光景を見る、ロナのエマはレイムの頬に微かに流れる雫を見た。レイムは二人の死を悲しみ、そしてその思いを破壊の神として同じ血を受け継ぐものとして背負うことをこの瞬間決めたのであった。


 それを見て、エマは階段を完全に上がり、レイムの横に立ち、同じように両手を合わせた。

 

 「新時代はもう近い…」

 「まぁ、私は矢あることはないけどね…安心に暮らせればそれで充分と…」もう終わっているははずの会議室から話声が聞こえた。


 そして城から一つの影が入り、それはとても小さく脂質はぬいぐるみのように柔らかく、どう見たって人形だろうという外見をして、それはロナの形をしていた。

 それは大きな扉を開け、もう会議室の机はかたずけられているが、向こうには5人座り、目の前には一つの椅子があった。


 そして…それが入ると5人は黙り、それを見た。


 するとそれの後ろから何かが出てきた。まるで殻を出る虫のように…。


 そして人が出てきた。

 それは床に寝ている人形を持ち、「やぁ…」と5人に話しかけた。


 その5人は3代目達だった。

 「久しぶり…レイム…」と光の神はそう言った。

 「お前が生きているとレルリアから聞かされた時は驚いたよ…」とジルフィスはそう言った。


 この会話から彼らが話している相手が誰かわかった。


 「私もあんな所で死ぬなんて…でも破壊神は死んだ…。私はあの子が行く道を一緒に見てみたい…この目でロナとしてね…」レイムは片手で空っぽの人形を持ち、自分の掌を見つめた。

 大戦で死んだと思われていた…いやそう思わせた…。3代目は知っていた…3代目破壊の階レイム・レギレスが生きていることを…。


 だが、もう5代目のレイムが倒して、正直3代目レイムはほっとしていた。


 そして話を続けた。

 「じゃあ、教えてよ…レイムが見たもの…」とレルリアはそう言った。

 「うん…新時代の手前で話すっていう約束だもんね……」とレイムは大きく息を吸い、その空間は緊張に包まれた。

 


 そしてあの大戦でレイムが知ったことを口にした。

 「レイムはね…本当は勝ってた…2代目にだけど負けた…。その原因を見た者は私の他にあの時は一人だけだった…この世界は一つじゃない…」

 そう、それはエマだ…エマは負けたことはわかっていたが、その本人はその先をあの時目にした。


 「無限の星はこの世界…いや全世界のラスボスとなる…初めはこの世界を飛び出し、地球という世界に行くだろう…」


 3代目レイムはその時、討った者の記憶を覗いたのだろう…。そして考えたものの結果がこれだ。3代目はもうたしかな未来を見ることができ、確かな未来を打ち明けた。


 これは、3代目だけが知っていて、世界は構わず、進み続けている。

 

 そしてレイムは…。


 「さぁ、もう既に始まっていて、分からないまま参加している、巨大なゲームに旗を立てるのは…もちろん――」とレイムは手を握りしめ、上に掲げた。

 

【第一部:第四章】破壊の神塔-Tower of Destruction-完結です。


ここまで読んでくださりありがとうございます。

破壊神同士の戦いでレイムは色々とプチ覚醒しました。

神々の状況も描き、この後の話は神々の世界を舞台となり、地上はしばらくないです。


次回もお楽しみに!!

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