第116話:転生者の獣
守護者達が下で戦い、レイム達は上に進んでいた。レイム・ロナ・ソージ・ソピア・サリア・エマ・レジナインの7人で階段を上っていた。
みんな無事でいいが…あと一人だな…人数を数えれば…。
この教会は同じ構造だ…そしてもう少し上がれば、また大きな扉が見えるだろう…。
そして扉を開き入っていった。もう4階くらいまで上に来たのか……。
中にいたのは沢山の破壊大司教の戦士と6人の最後の一人だった…。その者は他の者より小さく子供のような体型だった。
「子供か…レイム様、どうします…」ロナはレイムに作戦を聞いた。
「今度は私が奴を相手するよ……他は皆で相手してやってくれ…」とレイムは破壊の剣を抜いた。
「わかりました…レイム様気を付けてください…」ロナはレイムに一言忠告した。
まぁ、モブたちは簡単に倒せるが…レイムと奴の戦いを見ることになるだろう…。
恐らく奴の力は破壊の覇気だ…その力は身体能力を上げることができる…その力は神レベルとなる。
その機動力には同じ力でないと戦えもしない……。そしてレイムには元から破壊の覇気の力が宿っていた。
「…破壊の覇気…展開!」体の中から黒いオーラが湧き出てきた。そしてレイムは続いて破壊の鎧と破壊の翼も同時に展開した。
「さぁ…これで…スピードと身体能力も上がった……」
「それがあっても、私とあなたの差は埋められていますか?…」と他の者と同じく相手を舐めていた。
あの者は普通とは違うような…正直厄介かも…。早速レイムは一瞬にしてその者の目の前に移動し剣を振ると、その者は短剣を取り出し攻撃を防いだ。
まさか…一瞬で移動したのに……目で追っているの…。これは手ごわい…。
レイムは留意を回り、さまざまな位置から攻撃を加えた。
するとその者は手に力を溜め、レイムが攻撃をする瞬間…その手をレイムの方に出した。
「なっ……」レイムは壁を破り、外へ飛び出した。それに続き、その者も穴から外へ飛び出していった。
あれは、他と違う…破壊の神の力もあるがそれとは別の力も存在している。
レイムは教会の屋根の上で横になっていた。「まさか…そんな者が……だけどもう敗北はない…」とレイムはゆっくりと起き上がり、右手には破壊の剣を左手には神雷・破槍を握った。
そして目の前にはその者が上から落ちてきた。すると手でローブを脱いだ…。
その姿はレイムより小さい少女…いや幼女だった…獣人種の姿で破壊の覇気なんてそれは目でも追えるし身体能力も上がっているのか…。
今、レイムは自分との強化が相手とほぼ同じということがわかった。
「さぁ、返してもらうぞ…その力……」神雷・破槍をその少女に向けた…そして先端が変形し黒い雷を溜め始めた。
レイムが何をやっているのか予想した少女はもっと距離を取り、短剣を構え、同時に破壊の覇気を強く体に纏い体から黒いオーラが出ている。
「破壊の一撃!」破壊の雷が少女を襲った…腕を前に出し防いでいた。だが破壊の一撃を無傷で終わることはない…少女の黒いローブが少しずつ削れていた…。
しばらく経ち、破壊の一撃が終わり少女は膝をついた。
何とかダメージは与えたみたいだ……だがまだのようだな…だったら今……。レイムは剣を構えた瞬間少女の口が動いた。
「最強の神…やはり凄まじいな…先代とは比べ物にならない……」と4代目破壊の神を知っていて会っているという口ぶりだった。
「何だと……」
「私はね…3000年前にこの世界に来たんだよ…初めに出会ったのは3代目光の神だった…」と
少女はレイムに話をした。レイムは疑うことなくその話を聞くことにした。
私は3000年前にこの世界に来た……そう、転生という形で………。前世の記憶はもう自分の頭にはない…初めに私は白い世界で椅子に座っていた…そして目の前にも椅子に座る誰かがいた…。
その人は3代目光の神と名乗った……。
酒とギャンブルに金を使い、家族を巻き込んだ……そして気付いたら妻の首を絞めていた。俺は警察に捕まり…裁判で終身刑が下った…。
「俺は…一生独房のまま……なんてことをしてしまった…」その時の自分は自分を見失い…そして調理室から包丁を持ち、檻の中で自殺を……。
そして白い世界に椅子に座る自分に目の前に美しい女性がいた…。
「あなたはこの世界に招かれた…望みのものを一つ叶えてあげる…」と光の神は前世を俺を知らないようだった。
だから俺はやり直すために力を欲した…。すると光の神は黒い石を差し出した。
「それを食べると凄い力が手に入る…」と言い俺は大戦が終結した世界に降ろされた…。
そして俺は人のために力を使い…4代目破壊の神に出会った…。俺は破壊の神の所で修行を積んで破壊大司教に潜入した。




