第106話:vs大魔王エマ・ラピリオン-2
自分の血で作り上げた『神雷・破槍』…破壊の神が生み出した破壊の一撃…その稲妻が焔の壁にぶつかっていった。
その波動は周囲に広がり空間が震えた。
世界七神皇帝の最強格でもあるエマ・ラピリオンと結成時では最弱と言われたレイムがエマと戦ったという情報も全てレジナインが止めている…。
「この下は海だが崩壊したら…エマ、お前は……いや、ないよな…」
お前が負けるなんて思ってはいなが…これは…。
レジナインはまた階段に腰をかけていた。
そして焔の壁に亀裂が入り、遂に突破され…破壊の一撃をエマは受けてしまった。
「あっ…えぇぇいっ…」エマは杖を振った瞬間、無数のマグマがレイムに向かって飛び出してきた。
レイムは破壊の一撃を放っているためその位置を保たなくてはいけなかった。
飛んだマグマはレイムの位置まで飛び、そして近くに止まった瞬間、膨張し爆発を起こした。
「くっ…」だがレイムは破壊の鎧を纏っていたため、攻撃は通らず衝撃だけがきた。
一撃が終わった瞬間、レイムはすぐさま下へを高速で下がっていった。
そして右手には破壊の剣を左手には神雷破槍を持ち、エマに攻撃を仕掛けた。
地にはマグマがあったが鎧でそこは何ともなかった。
「ぐはっ…やっぱりあの時と同じだ。破壊の力は私の力の上にいる…これは絶対なんだろうけど、これで諦めるなんてしないのは…わかっているだろう…」エマは杖の先をレイムに突いた。
それをレイムは避け槍を振った、エマは杖でそれを防ぎ、跳ね返した。
二人は接近戦になった。
武器を振り、防ぎそれを交わす…。
「あいつは檻に入れられた時、未来を見たと言っていた…それはお前にも見れるのか…」と戦いの中レイムに問い掛けた。
「私は夢だと思っているが世界が光に包まれたおとぎ話的なものを小さい頃に見たのを覚えている…」とレイムは剣を大きく振った。
「おっと…それがもし未来だとすると…」とエマは杖の後ろをレイムに振った。
「そんなこと何の証拠もない…そんなつまらないこと…」ランスを大きく振り、杖とぶつかった。
接触すると火花が散り、次の攻撃がお互いに入る。
「だったら、それが本当か…確かめればいい…あいつを倒して…君にはその力がある…」とエマはレイムを自分が今見えている流れに乗せようとしていた。
「本当に別の世界と繋がりがあるとすれば…私はその先を…見てみたい…」レイムは剣に力を込め、エマの首目掛けて思いっ切り振った。
それをエマは簡単に止め、「私もそれを見たい…だから私はついて行く…お前に…」エマは剣を跳ね返し、レイムと距離を取った。
「行くぞ!」エマは杖を地面に突いた。
そして「大噴火!」とエマが叫ぶと…地面に広範囲の赤い魔法陣が展開された。
中心からだんだん焼けるような暑さを感じた。
レイムは鎧を着ているがその鎧から煙が出てきた。
「その鎧でもこの攻撃は防ぎようがない…生き残るのは私のみ…」と両手を広げた。
「くそっ…だったら、先に討つ!」レイムは目に追えないほどに移動し加速した。
「貫けぇぇっ!」破壊の剣をエマの体、目掛けて突いた。
突いた瞬間、レイムの姿はエマのすぐ前にそして剣はエマの体を貫いていた。
「がはっ…一突きされただけで倒れるとは思うなよ…勝負はまだまだ…」と血を吐きながら笑みを浮かべたエマが杖をもう一回地面に突いた瞬間、名の通り地面から大噴火が起き、二人は一瞬にして姿を消した。
さすがに要塞で大噴火を起こせば、要塞が崩れ始めた。
「まずい…まさか本当に…まぁ本気の勝負と言っていたからなぁ…」機械の手の平で周り…その状況をレジナインは楽しんでいた。
「これが、運命の導き…やっぱ面白いなぁ…」そう言い、笑うレジナインの目には薄っすらとレイムと同じ紋章が浮かんでいた。
何故、レジナインがレイムと同じ紋章が目に浮かんでいたのかは誰もわからない…。
「私は非難するとしますか…」と風のように姿を消した。
要塞は完全に崩壊し、瓦礫は海に落ちていった。
中心にはマグマが…その周りに溶けた瓦礫が支えを失っていた。
だがまだ、勝負は続いていた。
「ふっ…」レイムは赤く燃える視界からでも剣を振った。
すると周りのマグマが黒く染まり、破壊の力と化した。
そして一旦もっと上に飛ぼうと羽を動かしたその時、前からエマがレイムの両手を掴んで拘束した。
「これで…」と手を掴んだ瞬間、マグマが蠢いた。
「待って!それはズルい…」とレイムは抵抗したが、体型は相手の方がレイムより小さかったため上手く逃げ出すことができなかった。
エマは自分はマグマは聞かないためゼロ距離からの状態で発動しようと企んだ。
「だったらこっちも…」と一定距離で周りに無数の魔法陣を展開した。
掴んでいるエマの手の中が光り出した。
「全てを貫け!『破壊』!」
「消滅せよ!『地獄の炎』!」
中から赤が周りから黒がぶつかり合った。
破壊と紅蓮の衝突の爆発と衝撃は凄まじく空も海も揺れ、もしも周りに町などがあったらこの衝撃だけで平地になっていたでしょう。
「はぁぁぁっ!」と爆発した瞬間にエマの片手を振り払い、剣を振った。
それを防ぐためにエマはもう片方の手を離し、剣を防いだがレイムの作戦に引っかかってしまった。
「これで…」レイムはエマの肩に手を乗せ、下に向けて押した。
大魔王でもあり紅蓮の魔王だったら水に弱いと言う、単純な考えだ。
「なっ…」エマは杖を地面に突いた時にしか飛べないという偶然のことだった。
そしてエマは瓦礫やマグマが落ち、凹んだ海に落ちていった。
「これで…」とレイムは安心した。
だが少し経ち、海が変に揺れ始め…そして一点からザァーと音を立てて海水が動き周りに広がっていった。
その中心にはエマが佇んでいた。
「まさか…海水も動かせるの…」これ以上攻撃を仕掛けられると危ないと気づき、レイムはすぐさま神雷破槍を構え、稲妻を溜め始めた。
「まだまだ…『地獄の炎・領域』!」と海水が動いた範囲に炎が壁となって吹き出した。
レイムはエマの上にいたため…完全に炎の壁に閉じ込められた。
だがレイムは一回目の反省を踏まえ、自分の周りにも破壊の魔法陣を展開した。
これで外付けとなる威力で発射と同時に魔法陣からも放てば威力が増える。
エマはそれを見て、考えを推測した……。
なるほど……。
「『紅蓮の壁』!」を5枚も上に展開した。
二人とも驚くように考え方が同じだった。
「いや…ただ色々な数字が近いからだからか…」とレジナインは二人より更に上で見守っていた。
「この一撃で二人のうちどちらかが懲りればいいのだが…」と時間がかかり過ぎると言い、少し呆れていた。
「これ以上時間がオーバーすれば神に見つかってしまう…」と焦りもしていた。
だが二人はそんなことは気にせず、自分の中にある力を全部攻撃に注いだ。
そして二人は同時に攻撃を放った。
レイムは破壊の一撃と魔法陣…エマは炎の壁を一瞬にして収縮、そして焔の壁をレイムに飛ばした。
壮大な衝撃とともに放たれた破壊の一撃は魔法陣から放たれた力と結び付き、焔の壁に激突した。
レイムは収縮により、鎧を着ていても少しの火傷を負った。
一枚目と二枚目はすぐに突破され、三枚目でその黒き光線の左右に翼のようなものが生え、まるで破壊の神のシンボルとも言えるドラゴンの形に変化した。
そして三枚目、四枚目と突破され、五枚目の壁に亀裂が入った。
「はぁぁぁぁっっっ!行っけぇぇぇぇっ!」槍を前に前にと押し、遂に五枚目の焔の壁を突破され、エマは破壊の一撃に飲まれた。
「あっ…ヤバい…」とレジナインは上から見ていて気付いた。
エマが自分の周りの海水を動かしてなくしたため、今エマが足ついているのは海底だった。
エマに直撃した破壊の一撃はそのまま地を砕き、周りの地まで大きく裂け目が広がっていった。
破壊の力が消滅しエマは倒れ、海の中にレイムは上空へ維持していた。
そこにレジナインは降りていき、レイムに拍手を送った。
「お見事…私の思った通りだ…おめでとう。これで信じてくれたか本気で戦った結果だが…私はあいつはあの時みたいに後悔はしてほしくはないんだ…。あいつは生まれてから最強の力を持っていた…状況によっては君と同じだが、あの大戦で私はある可能性を指摘した…あの大戦には別の誰か…つまり2つの神と我が大魔王の軍団と裏切り者とあともう一つが絶対にあの時この世界にいたのはたしかだ…世界では2代目が3代目を倒したと言われているが3代目があれに負けるはずがなかった。私は3代目の体に飛んできた光線はまったく違う方向から飛んできた…それが今も疑問なんだ…まぁ、わかりやすく言えばあいつは大魔王だがいいやつなんだ…もちろん正式に同盟を結べば未来永久にこの同盟はほどけないし、断ち切ることも不可能となる…そして我々も無限の星に入ることとなる…まぁ敵同士だったということは忘れて、どうか結んでくださいリーダー…お願いします…」とレジナインはレイムに頭を下げた。
「わかりました…でもレイムはあなた達をよく知らない…だからあなた達のことをいっぱい教えてください…私もみんなについて教えますから…」とレイムはどこかすっきりしたように笑い、レジナインと握手を交わした。
「ありがとう…じゃあ改めて我が大魔王率いる我々最古の魔王達は無限の星に加入することとなった…以降我が同盟は結ばれ、無限の星と大魔王は一つの集団となるそのリーダーはもちろんレイム…そしてサブとしてあなた様の下にエマをつけてください…」とレジナインは親ように頼みそれは承諾された。
この同盟は世界七神皇帝より大きな戦力が一つできたことを意味する。
これで完全にメンバーが集まり…同盟を結んだその最強軍団の名は無限の星と名付けられた。




