第10話:新たな人物
次の日…俺の死ぬ日がきてしまった。
ソピアと俺は装備を整え、島の浜辺で待てと命令された。
「妹よ。お前は生き残れると思うか…」浜辺で俺達二人で待ち構えていた。
「うん。ソー兄と一緒なら生き残れると思ってるよ」妹は俺の顔見てにっこり笑った。
どんな所にそんな気持ちがあるんだ…。
俺はもう泣きそうだった。
だが、嬉しい、こんなかわいい妹を持って俺は幸せだな…。
妹のためにも俺がしっかりしなくては…。
俺は新ためて妹のことを大切に思った。
そしてレイムと男と犬のぬいぐるみが浜辺に来た。
なっ…なんだ…男ともう一人?…。
「えーと紹介しなくちゃいけないね」とレイムはその2人を紹介した。
レイムの隣にいる男は紫の鎧をまとっているが小柄な男だ。
「えーとこの人は4代目闇の神ザレム様とこの子は私の家系に代々つかえてる犬の妖精ロナ」と紹介した。
その時ザレムは俺達を睨みつけた。
「まあ何で人間がこんな所に来るとは疑わしいがレイムが怪しくないと言うならば仕方ないだろう。だが機人を一人殺したそうだな、その件に関してはどうなんだ」とザレムはレイムに聞いた。
そのことについてレイムはめんどくさそうに答えた。
「その件に関しては機人の王に私から謝罪をしておきましたので…」
「はぁ、それはいいとしてこの国に人間が入ったことが他の国に知られたら多種族に攻められる可能性も高くこの国にいる種族にも被害が出るんだぞ」と指をレイムに向け言った。
「まあその時は私が攻めてきた種族を排除するんで」
レイムはなんとなく答えたがザレムはレイムの頭をグーで殴った。
うわっ…痛そっ…。
「バカそれでまた神々が争ったらどうするんだ」また、ということはあの大戦のことだろう…。
「すみません…だけど攻めてくる種族が悪いよ」とレイムは頭を抑えながら言った。
いや初め近くの国を燃やしたそっちが悪いと思う。
そしてなんやかんやで話がすんだ。
「じゃあ準備はいい」とレイムは昨日とは違いテンションが少し高かった。
楽しそうだな…やっぱり破壊神というなぁ…。
「うん」
「あぁ」
ソピアは左腰にある細い剣を抜き、長剣を中段に構えた。
その剣はレイムの剣と形がほぼ一緒だった。
レイムはソピアと同じ形の剣だな…。
だが、普通の剣ではないのは確かだ…普通ではありえない黒い刃…。
あの剣は何で出来ているのか…黒曜石なのか…普通は鋼色の剣なら見覚えがあるが、黒い剣って木炭で染めたような…。
そして俺は背中の右側から少し重い剣を抜き両手で構えた。
「手加減はしないよ…この剣は破壊の剣…どんなものも断ち切ることができる…」
レイムも長剣を構え、これからどんな攻撃をしてくるかわかる構えた。
剣を後ろに構えた?…。
つまり開始と同時につっこむきか。
「いいか、俺が突っ込むからそのスキに攻撃してくれ」
「わかった」
あっちも突っ込むんだったらこっちも…でも速さは向こうの方が…いややってみるしかない。
俺達は覚悟を決めた。
「いくぞ」
「うん」
そして俺達はたった今破壊の神と戦う…。