legend.5 地と空
次の日。勇希、キャサリン、ファクロンはジュウの言っていた草原に来ていた。草原は学校のグラウンドよりも遥かに広い。そのど真ん中で、2人の男が戦っていた。 1人は身長190〜200センチの大型の男だ。勇気の涙をともした太い腕で見た目からパワー型と思われる。 もう1人は身長はそれほどないが、勇気の涙をともした手裏剣を持っている。足が長く、スピード型と思われる。「ボスさん、どっちがルームニアスだ?」 「さあな。だがヤバいぜ!ルームニアスが倒れたらあのどちらかの部下になっちまう」 「私、分かった」 「本当か?キャサリン」
「うん。あの手裏剣持ってる方、私の家の近所に住んでたブーメラスって人」 「じゃー、デカいのがルームニアスか」 「そうらしいぜ!ボスさん!」「うん」勇希は走ってルームニアスの方に向かい、パンチを繰り出す。
「ハッスル・オブ・サンダー!」 ルームニアスはすぐさま防御の体制に入る。勇気の涙も強まった。 ハッスル・オブ・サンダーは命中したがダメージはあまりないようだ。 勇希がもう一発、ハッスル・オブ・サンダーを放とうとした瞬間、勇希の足元に手裏剣が飛んできた。ブーメラスは予備の手裏剣を構え、言った。
「そいつはオレの獲物だ!奪いたいならオレを倒してからにしろ!」 ルームニアスが呟く。 「オレも強い奴とやりてぇ。戦って勝った奴とやってやろうか」 「OK!」 「じゃ、オレはあんたのお仲間の所らへんで見とこ!」 「ブーメラスだったけ?名前の通り、ブーメランとかの飛び道具を使うらしいな」「オレの見るかぎりあんたは近距離を重視しているな。遠距離と近距離では戦い方によって有利になったりする」 「ああ、そだな!」 勇希はブーメラスに走って接近する。飛び道具は近距離に弱い。だから近距離戦に持ち込んだ方が有利に戦える。 ルームニアスはキャサリンとファクロンのいる所に座っていた。ルームニアスはファクロンに聞いてみる。「あのガキはあんたらのボスかい?」 「ああ。オレ達のボスにしてバッスラーファミリー10代目候補だ」 「バッスラーだと!?マジかよ・・・」 「マジなんだよ!で、あんたが地の腕輪を持つにふさわしいらしいんで、倒しに来たわけだ」 「おい!それを早く言えよ。バッスラーファミリー入りてぇぜ。ついでにブーメラスって奴も入れようぜ。奴は空の腕輪にピッタリっぽいからな!」 「ああ。だがボスが勝てばな」 ブーメラスはすぐに勇希から離れようとする。だが離れきれずパンチをくらう。これで2発目だ。体力も激しく消耗する。
「フン!近距離にもちこみ、少しずつ体力を削るのか!」 「この戦い方の方がいいとおもってね」 「だが武器を持たない」
「持ってるよ。剣をね」勇希は背中につけていたソード・オブ・ダイアルを構える。ボタンを押し、剣を出す。 「なに!?」 スチャン!ブーメラスを斬りつける。しかし、斬りつけたのは手裏剣。そしてブーメラスがいない!? すると後ろからキックをくらう。ブーメラスのキックだった。




