legend.2 VS.キャサリン・ドゥ・リッセ
女は腕を動かすだけで近くの岩を割ってみせた。岩は真っ二つにドンドン割れていく。これで10こめだ。 「あれは、超能力か!」
「ああ。キャサリン・ドゥ・リッセは超能力と幻術を操る術士だ。」 キャサリンはこっちを睨んだ。その目には、炎のような物が宿っている。
「あれは、炎か?」 「いや、『勇気の涙』だ。マフィアは全員宿っている。人体に宿るもの、武器に宿るもの、それぞれだ。そして、マフィアの掟として、フリーのマフィアで負けたものは勝ったものの下につく。」 「つまり、勝てば部下ゲットってわけだ。」 「そだな!てめーにも勇気の涙は宿っているはずだ。勝てるかもな。」 そう言うとキャサリンがこっちに向かって来た。
「勇希、体に力を入れろ!勇気の涙が出た所がお前の武器だ。出なかったら、ソード・オブ・ダイアルを使え!」 「おぅ!」勇希は、体に力を入れた。
そして、手が湿ったと思うと、オーラのような物が出てきた。
わずかに電気を帯びている。
「宇宙の涙だな。よし、戦え。マフィアの戦いにルールは無い。お前の思うようにやれ!」 「分かった」 勇希は手に力を入れ、キャサリンに向かって行った。
勇希の足は県大会クラスで戦闘では役に立ちそうだ。
しかし、足が速い分、スタミナは低めだ。つまり、短期決戦に強い。
「オラァァァ!」 勇気の涙で威力の増した勇希のパンチがキャサリンの腹に命中。
上級のマフィアもひとたまりもない一撃だ。
「ぐっ・・・」 「どうだ!」 キャサリンが呟く。
「まだだ・・・」 そして、キャサリンの勇気の涙が強くなり、手に丸い光の球が現れる。
「サイキックス!」 光の球は勇希に向かって飛んで来た。
勇希はそれを瞬時に避ける。
ジュウが呟く。
「魔法弾か・・・」 「そうらしい」 「いや、」 キャサリンが割って入る。 「これは、ビー玉に魔力と勇気の涙を投入した。普通の魔法弾ではない」ジュウが叫ぶ。 「なぜ、教える!?」 「普通の魔法弾と一緒にされたくないからね」 勇希がパンチの構えをする。
「続きをやろう」 「望むところだ!」




