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烏の羽根  作者: Taka多可
6/18

6、葛藤

「………、…… ……」



なんか、話し声っていうより悲鳴に近い。

いやな気配もする。




「…っへ!」


いらいらしてた俺は、何の躊躇もなくそっちへ向かって歩いていく。












「ちが、違う!家族には手出ししないと…!」

「契約上、そんなものは書かれてないねぇええええ?」

「ほらよく見なよ、奥さんとお嬢さんが怖い目にあっちゃうよ?」

「やめろおおおおおお!」

「このボタン、押したら終わりだねぇええ?」





「ほい。」

      がちゃん!




「「「は?!」」」


「ひぃ!?」




「うるせーぞ、あんたらよ。表通りあるいてて聞こえてたぞ。ふつーの人間さんにもばれちゃうだろーが。」

「何しさらすんじゃ小僧!?」

「殺されたいんか!」



刃物を出すヤクザ。

その刃先にぷすっと指を当てる。


指先から血がにじむ。




「悪いけど、そーゆーの効かないから。」


    ぎり。

     ぐしゃ。

   めきめき…



「…ぎゃぁぁぁっぁぁぁぁぁあああああああああ!!!!!????」


刃物が金属の板状に延びていき、木製の柄が木の幹が成長していくように膨らんでいく。


ヤクザの手を巻き込んで。





「何だこのガキ!!?」

「何をしやがった!」


「ちょっとだけ元に戻してるだけだ。」


「はっぁぁぁ?!」


「…よく考えたら、あんたたちってヤクザなんだから…殺したところで大事にゃならねぇよな。」

「や、やめろ!こいつがどうなってもいいのか!?」

「ひぃぃ!!」


家族を盾に、脅されていた男。

意味のない人質。


「べつに。」

「おま、お前悪魔かよ!!」


人でなし! の意味なのだろうが。








「おう、悪魔だ。 ノインナチュラル(自然法則否定型悪魔属)所属のルーキーだ。」


「…は?」


「悪いけど、今スッゴクむかついてるんだ。八つ当たり、かんべんな。」



にこー。 っと笑って見せた。






      ずぶぅ!

     ばぎゅ!

        びぢゅぅう!




















「ひ……ひぃ…」


「大丈夫かおじさん。」


血みどろの手で男を引っ張って立たせる。



「こ、ころ…」

「殺さねーよ。 俺は、相手が気に食わない場合だけだ。おじさんには何の関心もない。助けたつもりもない。誰かに口外した場合は気に食わなくなるかもしれないな。」


「…ひぃぃぃぃ………!」







必死に逃げてったな。

まぁ、あれが普通だ。



あいつ、やっぱり変だ。







いらいらする。








公園で手を洗いながら、いらいらする腹の中を押さえようとしてた。


とにかくぎりぎりするこの痛いものをどうにかしたくて、とりあえず…

寝床 (まぁつまりいつもの神社) へ戻ることにした。

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