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シャッフルワールド!!  作者: 夙多史
第四巻
144/314

間章(2)

 暗く深い闇と、大小様々な白い球体が広がる世界。

〝彼女〟はそれらを俯瞰する位置で眠るように瞼を閉じていた。

 今は白い球体も闇に汚染されることなく安定している。〝彼女〟の〝思い出〟が喰い潰されるようなことはしばらく起こっていない。

 そのことに〝彼女〟は安堵する。

 それが束の間の安心だということは理解していた。いずれまた侵蝕が始まり、どうしようもない無力感を味わう時は必ず来るだろう。

「でも、今だけは」

〝彼女〟は願う。いつか、この安心が束の間で終わらなくなることを。

 願いながら、〝彼女〟はただただ静かに無音の時を過ごす。

 その無音が打ち砕かれる、数秒後まで。

「――ッ!?」

 世界が大きく揺らいだ。

 侵蝕とはまた違う、大きな〝乱れ〟を〝彼女〟は感じた。

「これは……」

 白い球体に影響はなかったようだが、不安になる。

 原因を特定しなければならない。

 その〝乱れ〟がどこから来たのかは既に感知している。だがもどかしいことに、そこは〝彼女〟がいる場所からだいぶ離れていた。

 実際は距離など関係ない。

 そこを認識しているかしていないかの問題だ。

〝思い出〟を手探りで探し、〝彼女〟はそこを見つける。

 幸い、そこの壁は既に取り除かれていた。

 あとは、そこのどこに〝乱れ〟の原因があるかであるが――

「な、なに……これ?」

 知らない道ができていることに〝彼女〟は気づいた。そしてその道の先こそが、〝乱れ〟の原因に繋がっていることも感覚的に悟る。

 吸い寄せられるように、〝彼女〟はその道を辿ることにした。


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