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死に戻りハンターの英雄譚〜「ロード」であらゆるジョブを手にした俺はいつの間にか人類最後の希望になっていました  作者: ころん


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第5話 ランク12の就職活動

翌朝、世界が違って見えた。


 見慣れた天井のシミ。窓から差し込む朝日の粒。カーテンの繊維のほつれ。昨日まで風景の一部だったものが、一つ一つ独立した情報として目に飛び込んでくる。

 壁紙のめくれた端に浮いた埃の粒子が、朝日を受けて金色に光っているのまで見えた。こんなもの、今まで一度も気にしたことがない。


 台所で水を飲もうとして、コップの水を注ぐ手が滑った。指の間からガラスが抜け落ちていく。

 落ちていくコップがやけにゆっくりに見えた。スローモーションではない。僕の認知速度が上がっているのだ。


 手が勝手に伸びて、コップの底を空中で掴んだ。水が少しだけ飛び散って、流しの縁を濡らした。


「……すごい」


 自分の手を見つめる。見た目は何も変わっていない。昨日と同じ細い指、同じ爪の形。

 でも中身が違う。筋肉の反応速度、神経の伝達速度、それらがほんの少しだけ底上げされている。たった一回のレベルアップ。「微」と表記された補正。


 それだけで、一般人の枠組みから何かが決定的にずれてしまった。嬉しいような、怖いような、形にならない感情が胸の中で渦を巻いている。


 ステータスを確認する。意識を集中させると、半透明のウィンドウが視界に浮かぶ。


【ステータス】

氏名:朝霧 透

レベル:Lv2

ジョブ:見習い走者(基礎)

スキル:瞬発強化Ⅰ

コイン残高:70


 この現象をどう呼べばいいのか。死んで、巻き戻って、やり直す。失敗したデータを破棄して、直前のセーブポイントから読み直す作業。ゲームでいうところのリセットとロード。

 「ロード」。その方がいい。死ぬんじゃない。データを読み込むだけだ。


 ――でもそう名前をつけた瞬間、首の冷たさが戻ってきた。

 名前をつけても消えない。ロードと呼んでも、身体は覚えている。頸椎を噛み砕かれる振動を、皮膚の下の記憶が抱えたままだ。




 管理局からランク認定の通知が届いていた。ランク12。

 研修生の下限が10だから、ほぼ最低ラインのスタートだ。


 備考欄には「基礎能力:低」「実戦適性:E」「特記事項:的確な状況判断(誘導)」とあった。装甲種を倒したことは反映されていない。公式には、僕は「逃げ回って叫んだだけの新人」だ。


 それでいい。目立てばリスクが増える。ランク12という数字は、今の僕にとっては隠れ蓑だった。


 明菜さんからLINEが来ていた。


『透くん、ランクの通知来ましたか? 私は18でした。透くんは?』


『12です。ギリギリですね笑』


『でも、あの時の透くんの判断がなかったら、もっと大変でした。数字だけじゃ分からないことって、ありますよね』


 数字だけじゃ分からないこと。その言葉が、別の意味で胸を刺す。

 明菜さんは僕を励まそうとして言ってくれているのに、僕の頭の中ではランク12と実際の力の間に横たわる巨大な溝のことばかり考えていた。


 スマホを閉じて、既読のまま返信しなかった。何を書いても嘘になる気がしたからだ。





 夕方、僕は駅裏の路地にある中古ハンターショップ『柳商会』に入った。表通りから一本奥に入った、看板の塗装が半分剥げた小さな店だ。


 自動ドアは壊れていて手で押し開ける必要があり、開けた瞬間に鉄錆とオイルと古い革の混じった匂いが鼻を突いた。狭い店内にはガラスのショーケースが詰め込まれ、中には使い古された武器や防具がぎっしりと並んでいる。


 刃が欠けた剣、穴の空いた盾、焦げ跡のあるコート。どれも元の持ち主が使わなくなったか、使えなくなったかした品物だ。遺品もあるのだろう。値札のない品物は訊かない方がいい、と直感で分かった。


「いらっしゃい。……なんだ、冷やかしか?」


 カウンターの奥から低い声がした。六十代くらいの男。頭は禿げ上がっているが、腕は丸太のように太い。口の端に煙草をくわえていて、灰が今にも落ちそうだ。目つきが鋭い。

 こちらの装備――というか、装備のなさ――を一瞥しただけで、僕のランク帯をおおよそ把握したのだろう。


「武器を買いに来ました」


「予算は?」


「……五千円以内で」


「はっ。五千円ねえ」


 親父は煙草の灰をようやく灰皿に落とし、顎で店の隅をしゃくった。

 そこには「ジャンク品」と段ボールに手書きされた木箱がある。遺品か、廃業したハンターの放出品か。箱の中には錆びたナイフや折れた短剣、片方だけの手甲などが無造作に放り込まれていた。


 その中から、一本のサバイバルナイフを見つけた。刃渡り二十センチ。グリップの樹脂は擦り減って下地の金属が覗いているが、刃先だけは鋭く研ぎ直されている。

 手に取ると驚くほど軽い。重心がグリップの中央にあって、振り回しても手首に負担がかからない設計だ。


「これ、いくらですか」


「三千八百円。前の持ち主はCランクのハンターだったらしいがね。名前は知らん。入ってきた時はもう遺品だった。……まあ、縁起は悪いわな」


「買います」


「……坊主、一つ忠告しとく」


 親父が煙草を揉み消し、低い声で言った。目が変わった。

 さっきまでの商売人の顔ではなく、もっと真剣な、何かを見透かすような目だ。


「そのランクで武器に頼るなよ。ナイフ一本で怪物が殺せると思ったら、次にこの箱に入るのはお前の持ち物だ。お前の一番の武器は足だ。ヤバいと思ったら、プライドも見栄も全部捨てて逃げろ。生きて帰ってきた奴だけが次がある。分かったか?」


「……はい」


「よし。死ぬんじゃねえぞ」


 僕はナイフを腰のベルトに装着した。グリップの樹脂が腰骨に当たる感触がある。

 心強いかと言われれば、正直微妙だ。でもないよりはずっとましだ。これは戦うための武器というより、最後の最後に自分を守るための御守りだ。




 ハンター専用の電子掲示板を開く。パーティ募集が無数に流れている。

 「ランク25以上」「経験者のみ」「装備確認あり」。どこもかしこもランクの壁がある。ランク12。武器はナイフ一本。実績なし。そんなハンターを歓迎するパーティは存在しない。


 フリーワード検索に切り替えた。正規のフィルタリングを外した闇鍋状態の募集一覧。怪しい求人が並ぶ中に、一つだけ目が止まるものがあった。


『【急募】D級ゲート・地下水路マップ。荷物持ち兼雑用』

『報酬:固定2万+成果歩合。即日払い』

『条件:ランク不問。初心者歓迎』


 条件が良すぎる。D級ゲートは正規ならランク20から30が推奨される難易度だ。そこに「ランク不問」で即金。

 裏があるのは明白だった。捨て駒か、囮か、あるいはもっと露骨な搾取か。まともな求人なら「ランク不問」なんて書かない。


 けれど、今の僕には走者の足がある。いざとなれば逃げられる。

 そして何より、金が要る。来月の家賃。光熱費。食費。今の仕事の給料では一ヶ月ともたない。


 申請をタップして、数秒で返信が来た。


『承認。明日9時、地下鉄A駅3番出口集合』



 翌朝九時。地下鉄A駅、3番出口。地上に出ると、コンビニの前に四人の男女が集まっていた。


「遅えぞ。お前が朝霧か?」


 声をかけてきたのは背中に大きな両手剣を背負った大柄な男だった。胸のバッジには31の数字。筋肉質だが腹が少し出ていて、目の下に隈がある。徹夜明けのような顔だ。

 二階堂。依頼主にしてパーティリーダー。


「すみません。五分前には着いていたんですが、出口が分からなくて」


「チッ、これだからガキは。おい聞いてたか梶? ランク12だとよ」


 二階堂の隣に立っていた痩せた男が、にやりと笑った。

 梶。ランク29。槍使い。頬骨が出ていて目が細く、表情が読みにくい。


「マジっすか。ゴミじゃないすか」


「ギャハハ、ゴミでも荷物は持てるだろ」


 その後ろで、派手な金髪の女が口元を手で隠してクスクスと笑っている。ユリ。ランク24。ヒーラー。指先にマニキュアが塗られていて、爪が長い。戦闘向きの手ではない。


 僕は頭を下げた。言い返したい言葉は喉の奥にあったが、飲み込んだ。

 長いものには巻かれろ。弱者の処世術だ。ランク12の新人が意見を言える場ではない。


「で、そっちのビビってるのが三浦。ランクは11だそうだ」


 二階堂が顎で指した先に、もう一人の男が立っていた。

 安っぽい布の服に、パンパンに膨らんだリュック。黒縁の眼鏡。痩せていて背が僕より少し低く、肌が日に焼けていない白さだ。顔色は青白いを通り越して土気色で、小動物みたいに肩を震わせている。


 目が合った。泳いでいる目だ。この場から逃げ出したいのに、逃げられない事情がある目。


「よ、よろしくお願いします……三浦です……」


「声ちっせえな。聞こえねえよ」


「す、すみません! 三浦です!」


「うるせえ。行くぞ」


 三浦の声は裏返っていた。僕より低いランク11。怯えた目が泳いでいる。

 その姿に、研修ゲートで震えていた頃の自分が重なって、胸の奥がざらりとした。



 


 D級ゲート『腐敗水路』。


 ゲートを潜った先は、膝下くらいの深さまで汚水が溜まった薄暗い水路だった。

 最初に来たのは匂いだ。カビと腐った肉と硫黄を混ぜたような瘴気が喉の奥まで入り込んで、胃がひっくり返りそうになる。


 壁面は緑がかった苔とヘドロに覆われていて、触れると指がぬるりと滑る。天井は低く、大柄な二階堂は少し屈まないと配管に頭をぶつけそうだった。

 足元の汚水は体温に近い温度で、靴の中に染み込んでくる不快感がまとわりついて離れない。


「うぇ……臭い……こんなところに本当にモンスターがいるんですか……」


 三浦が鼻をつまんで呻いた。リュックが体格に対して大きすぎて、歩くたびに左右に揺れている。


「文句言うな荷物持ち。口閉じて歩け」


 梶が槍の石突きで三浦の背中を小突いた。三浦がよろめいて汚水に手をつく。「ひゃっ」と小さな悲鳴を上げた。

 梶がそれを見て笑う。ユリも笑う。二階堂は振り返りもしない。こういう扱いが日常なのだろう。雑用の人間は殴っていいものとして計算に入っている。


 僕は黙って歩いた。視界が妙にクリアだ。

 水面の揺らぎ、壁面の苔の厚さの変化、天井から垂れる水滴が落ちた時の波紋の広がり方。レベル2の知覚補正が、環境情報を過剰に脳に送り届けてくる。


 このゲートの空気には、さっきまでの地上とは違う緊張感が混じっていた。呼吸のたびに肺に入ってくる瘴気が重くて、身体の奥に細かい砂が溜まっていくような不快感がある。


 前方、水路の曲がり角。水音が不自然に途切れている場所があった。

 さっきまでぴちゃぴちゃと足元を洗っていた波紋が、ある地点から先でぴたりと止まっている。水面が鏡のように平らになっている場所。何かが、水の下にいる。


「あの、何か――」


 僕が声を上げた瞬間、水面が爆発した。

 汚水が柱状に噴き上がり、全長二メートルはある黒い軟体生物が飛び出してきた。スラッジ・リーチ。D級ゲートの出現モンスターだ。


 太い触手を振り上げ、一番近くにいた二階堂の頭上へと叩きつけようとする。僕は咄嗟に足元の石を蹴った。石が壁に当たって甲高い金属音を立て、リーチの注意が一瞬だけ逸れる。

 その隙に二階堂が大剣で胴体を両断した。


「おい朝霧! 急にデカい声出すんじゃねえよ!」


「す、すみません……」


「お前が叫んだせいで敵が興奮したんだろうが。次やったら殺すぞ」


 耳を疑った。僕が声を上げなければ、触手が二階堂の頭蓋を潰していたはずだ。でも言い返せくことはできない。

 ここで口答えしたら置き去りにされる。今の僕の実力では、このゲートを一人で切り抜ける自信がない。


 三浦が後ろで震えている。目が合った。三浦は何も言えず、ただ唇を噛んで俯いた。

 その横顔を見て思った。この男も、同じことを感じているのだろう。理不尽を飲み込むしかない苦さを。





 地獄のような行軍が続いた。リーチを何体か狩るたびに、僕と三浦が素材の剥ぎ取りを行った。


 軟体生物の体内に手を突っ込んで魔石を探る作業は、想像していた以上に悲惨だった。粘液に覆われた内臓は体温より高い温度で、指を差し込むたびにぬるぬるとした感触が肘まで伝わってくる。

 匂いは外から嗅ぐのとは比較にならない。消化液の酸っぱさと腐敗臭が混じって、最初の一体で三浦は吐いていた。僕も唇を噛んで吐き気を堪えた。


 梶は少しでも作業が遅いと槍の柄で背中を小突いてきた。


「遅ぇんだよ。手ぇ動かせ」


「は、はい……」


 三浦が涙混じりの声で答える。僕は黙って自分の手を動かした。怒りはある。でも耐えろ。今は耐えろ。


 水路の奥深く、地図にも載っていないエリアに差しかかった時、巨大な鉄扉が行く手を阻んだ。

 髑髏のマークが刻まれている。錆びた鉄の表面に何かの爪痕が無数に走っていた。内側から引っ掻いたような跡だ。


「おっ、レアエリアじゃねえか! ラッキーだぜ」


 二階堂が目を輝かせた。ゲートには稀に、通常のマップにない隠しエリアが存在する。高価な素材が眠っている可能性がある。ただしその分、通常エリアとは比較にならない危険もセットだ。


「おい、お前ら。あの扉を開けてこい」


「え……でも、罠があるかも……」


 三浦が後ずさる。当然の反応だ。

 あの扉から漂ってくる空気を、レベル2の知覚が拾っている。扉の隙間から漏れ出す気配は、D級の魔力密度じゃない。もっと濃い。もっと重い。あの装甲種の時に感じた空気の変質とよく似ている。絶対に開けてはいけない蓋だ。


「うるせえ! さっさと行け!」


 梶が三浦の背中を蹴り飛ばした。三浦が汚水の中に前のめりに倒れ込む。顔まで汚水に浸かって、もがきながら起き上がった。

 眼鏡がずれて、目に汚水が入ったのか、涙なのか分からない水が頬を伝っている。


「ぐっ……!」


「行きます。行くから、剣をしまってください」


 僕は三浦の腕を掴んで引き起こした。彼の腕は細くて、力を入れるとすぐに持ち上がった。

 三浦は泣きじゃくっていた。声を殺しているつもりだろうが、肩が大きく震えているから隠せていない。


「朝霧くん……僕、死にたくない……」


「大丈夫だ。僕が先に行く」


 大丈夫じゃないことは分かっていた。でも、それ以外に言える言葉がなかった。


 鉄の扉に手をかけた。金属は冷たくなく、生温かかった。内側から熱が漏れ出している。

 指先に伝わる微かな振動。何かが、この向こうで動いている。肌が粟立ち、本能が全力で警鐘を鳴らした。


「伏せろ!!」


 僕は叫び、三浦を抱え込んで横に飛んだ。


 その瞬間、扉が内側から吹き飛んだ。鉄の塊が空気を切って飛んでいき、背後の壁に激突して大穴を開けた。

 爆風と熱波が汚水を一瞬で蒸発させ、水蒸気が視界を白く塗り潰す。


 蒸気の向こうから現れたのは、全身を赤黒い鎧で覆われた巨大な人型の怪物だった。

 天井に頭がつきそうな体躯。手には二階堂の大剣よりも遥かに巨大な戦斧を持ち、双眸が燃えるような紅い光を放っている。熱気が波のように押し寄せてきて、肌がひりつく。呼吸するだけで喉が焼けるような空気の密度だ。


 守護者。ゲートの主。推定ランク、40以上。D級ゲートに存在していいものじゃない。


「う、うわああ! 逃げろ!!」


 二階堂が踵を返して走り出した。


「待ってくれよリーダー!!」


 梶とユリも悲鳴を上げて逃げる。三人の足音が水路に反響して遠ざかっていく。

 僕も三浦の手を引いて立ち上がろうとした。だが守護者が戦斧を振り上げている。その狙いは一番近くにいた僕たちだ。


「二階堂さん! 援護を! 一瞬でいい、一瞬でいいから!!」


 叫びが通路に響いた。二階堂が振り返った。表情が見えた。

 恐怖と、そしてそれを上回る打算的な笑み。


「悪りぃな、朝霧。そいつの相手はお前らに任せた」


 梶が何かを投げつけた。小さなガラス瓶。それが僕の足元で砕け、強烈な刺激臭を放つ液体が飛び散った。目と鼻が焼けるような痛み。

 誘引剤。モンスターを興奮させ、特定のターゲットに攻撃を集中させるアイテムだ。


「――テメェら……!」


 理解が追いついた。こいつらは最初からこうするつもりだったのだ。何かあったら荷物持ちを囮にして逃げる。だから「ランク不問」だった。だから「初心者歓迎」だった。

 僕らは最初から、保険として連れてこられた使い捨ての肉壁だった。


 予想はしていたがここまで凄惨なことになるとは思ってなかった。

 守護者の赤い瞳が、僕と三浦だけに固定される。誘引剤の匂いが僕たちを"餌"として塗り替えてしまった。戦斧が振り下ろされる。


「逃げろ三浦!!」


 僕は三浦を突き飛ばした。彼の軽い身体が汚水に落ちるのが見える。

 次の瞬間、凄まじい衝撃が僕の全身を襲った。ナイフを構えたが意味を成さなかった。戦斧の衝撃波だけで身体が壁に叩きつけられ、背中から全身に電撃のような痛みが走った。


「がっ……!」


 背骨が折れた音が自分の体の中で反響する。内臓が押し潰される熱い感覚。口から血の塊が溢れて、汚水に赤い模様を作った。

 視界がぐにゃりと歪む。天井がどちらか分からない。動けない。指一本動かない。


「あ、朝霧くん!! 朝霧くん!!」


 三浦の声が遠く聞こえる。泣いている。叫んでいる。逃げろと言ったのに、逃げずに僕の名前を呼んでいる。馬鹿だ。逃げろよ。


 薄れていく意識の中で、僕はあの三人を思い浮かべていた。

 二階堂の笑み。梶の細い目。ユリの金髪。あいつらだけは。絶対に。許さない。


 視界が赤く染まって、そして暗転した。 


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