第4話:「縁談会①」
ついに来た。
縁談パーティ当日。
やっと悪役令嬢らしいことが多くの人の前でできる!
楽しみすぎる。
目標は、私以外の人を全員引き離すこと。
んでその後は展開は、
『パティーでは王子とイイ感じだったけど、
パーティー終了後に私の悪役令嬢っぷりが発覚して断罪されて監獄行き』
どうせなら死刑でも・・・・・・
「ミスエナ様、準備は出来ましたか?」
パーティー用ドレスに着替えていた私に、アイシュが扉越しに話しかけてきた。
「ええ、あと靴を履くだけ」
今日のドレスは色々な装飾がついていて、着替えの時間が普段よりかかった。
ただ、すごく可愛いドレスだ。
着替え終わったので、アイシュと両親が待機している扉の反対側に向かって、
ゆっくりと歩いて行く。
もしドレスを壊してしまったら大変だ。
「どうかしら」
扉を開けて、アイシュと両親に問いかけた。
「あら、似合ってるじゃない!」
「本当ですね!」
「さすが俺の娘だ」
みんな喜んでくれて何よりだ。
このドレスは、金色と白色の中間ぐらいの色合いをメインとしてドレスで、
所々に蝶や花などの美しい装飾がついている。
私自身、すごく気に入っている。
「それでは、パーティー会場に参りましょう」
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「私は中に入れませんが、頑張ってくださいね!」
「そんなに心配しないで、レッスンで学んだことは忘れないから」
そう。
この縁談パーティーには、婚約を希望する本人しか出席できない。
よって、私は今からソロだ。
少し緊張しているが、このパーティーは楽しむことがベストだと思う。
なんせ初の悪役令嬢ミスエナのお披露目だし。
パーティー会場はお城の中だから、
会場から少し離れた場所で馬車を降りた。
この城はでかいから、会場まで徒歩で5分ほどかかりそうだ。
その道のりの間、私は他の令嬢の観察に専念していた。観察中に気になった人物がいた。
その人物とは、スミア侯爵家のヴェルベア・スミア。
なんか魔女みたいな名前をしているが、実際そんな感じだ。
可愛いロリ魔女っ子ならいいが、ヴェルベアはオバハン魔女の方だ。
内面についてはまだわからないけど、外見だけ見てもその魔女っぷりを理解できる。
とてつもなく濃いメイクに、紫色の口紅。
しかも年齢は35歳と貴族社会の中では中々歳だ。
そんな悪いことしかなさそうなヴェルベアだが、スミア侯爵家には強力な武器がある。
その武器とは“武器”なのだ。
これはダジャレではなく、戦闘などに使う“武器”だ。
スミア領には昔、「剣術の父」と呼ばれた歴代最初の剣聖が住んでいたらしく、
その影響で鍛冶屋が集結したらしい。
そして、その集結していた鍛冶屋が今もなお存在し続けており、
武器の生産量が他の領地を遥かに超える量になっているのだ。
最近は、我が国アリアーナ王国と隣国のリークマス王国との関係が悪化しており、
緊張状態が続いているらしいから、国王や王子がスミア侯爵系との縁を取る可能性は除外しきれない。
こんな感じで、中々の強敵がいるが、
私は結婚できなくてもいいからそんなに心配する必要はないから、
自分の勘に従って行動すればいいだろう。
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