第3話:「特別な授業」
レッスン初日。
私は書斎の椅子に座っていた。
どうやら、このレッスンはダンスとかのレッスンではなく、
会場での立ち振る舞い方などを復習を兼ねて教えてくれるらしい。
「コン、コン」
「失礼します」
部屋に入ってきたのは、メイドのアイシュだった。
「今回のレッスンを担当させていただくことになりました。よろしくお願いいたします」
「よろしく」
正直、アイシュがレッスンを担当するとは思ってなかった。
普段、アイシュは掃除などの家事的な事と、
私が外出する時の付添人をやっているもの。
意外だ。
「まずは、挨拶の勉強です」
その後、私は3時間程アイシュにたくさんの作法を教わった。
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「今日はこれで終わりです。お疲れ様でした」
私は以前貴族のマナーや所作を一通り覚えたはずだったが、
まだまだ完璧には遠かったらしい。
もちろん、最低限はできていたが、
まだまだ無駄な動作が多く、練習が必要らしい。
正直言って、結構疲れた。
ただ、意外と楽しかった。
新しいことを覚えて自分が成長することも楽しかったが、それよりも、
アイシュがすごく熱心にレッスンをしてくれていたのがとても嬉しかった。
普段、アイシュは落ち着いていてクールな感じだが、
今日のレッスンでは少し違ったのだ。
私が苦戦していたことを克服した時に、私と一緒に喜んでくれたのだ。
しかも満面の笑みで。
アイシュが私のメイドになってから5年ほどたったが、
あんな笑顔見たのは初めてな気がする。
私もつい笑顔になってしまった。
すごく幸せな気分だ。
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初めてのレッスンが始まってから、1週間が過ぎた。
やっと所作を完璧にできるようになった。
アイシュによると、今日からは少し違うレッスンを受けるらしい。
「今日からは、女性の魅力を最大限に出すためのレッスンをします」
ん?
なんか今、すんごいパワーワードが聞こえちゃった気がする。
「あ、あの、もう一回言ってくれない?今日のレッスンのこと」
「聞いてなかったのですか?ではもう一回言います。今日からは、女性の魅力を最大限に出すためのレッスンをします」
聞き間違いではなかったみたい。
なんか、えっちい事を教えられそうでちょっと怖い。
けど、ちょっと興味もある(むっつりです)。
「最初は『上目遣い』です!」
おーっと。
最初から中々なすごいこと教えこんでくるな。
しかもなんでちょっとテンション高いの?
「相手を見上げる形で可愛くて見つめるんです。分かりましたか?」
「ま、まぁ。分かったわ・・・・・・」
「では私にやってみてください!」
あ。
やばい。
完全にスイッチ入っちゃった。
アイシュはあれだ。
そう。
あれ。
ド変態だ。
「こ、こう?」
「そう!そうです!すごく可愛いです!」
アイシュがめっちゃニヤニヤした顔でこちらをすんごい目で見つめている。
「次はさりげないボディータッチです!」
え!?
ボディータッチ?
まぁ、確かに男性は喜ぶと思うけど、そこまで練習しないといけないの?
ってかもう悪役令嬢関係ある?
ないと思うんだけど?
「腕を掴んで、その際にミスエナ様がお持ちの立派なアレを押し付けてください!」
「アイシュ、それはさすがにやりすぎじゃない?」
「いえ、そこまでしないとこの国のトップを奪えませんよ!」
自分で言うのもなんだけど、確かに私の体は豊かではあると思う。
直接的な表現は伏せるけど、私のアレはレベル6か7ぐらい。
自信はある。
「さぁ、早くしてください!」
「わ、わかったからちょっと待って!」
アイシュがせかしてくる。
恥ずかしいことをやるんだから、少し時間が欲しかったが・・・・・・
「こ、こうかしら?」
「キャー!最高です!才能ありますよ?ミスエナ様!」
「そ、そう?やっぱりそうよね!この私だもの!」
やばい。
アイシュがすごい褒めるからちょっと楽しくなってきちゃった。
「もう一回やってください!」
「いいわよ!じゃんじゃんやるわよ!」
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