第11話:「素晴らしい新婚生活」
「ルーカス!起きて!もう9時だよ!」
「うん・・・・・」
「お義父さんが怒ってるよ!」
「え、マジで?」
結婚してから約一年がたった。
最初はお互い敬語で話しており、堅苦しい感じだったが、
今はもうゆるーく話していてまるで親友のような関係だ。
私はこの関係をとても気に入っている。
毎日愛している人と幸せな日々を送ることができる。
当たり前のようで、当たり前ではないこと。
結婚する前、私は断罪されたいと思っていた。
それが私の人生の終着点だと思っていた。
だが、今考えてみると、私は過去の自分から逃げていただけなのかもしれない。
私の前世は、毎日が辛くて、苦しくて、色がない日々だった。
それが私の心の奥深くで、
無意識のうちにトラウマになっていてのだと思う。
そのせいで、私は自然と「死」の人生を選んでいたのだと思う。
けど実際は、この「幸せな」な人生の方が断然充実していた。
家族たちも意外にも喜んでくれた。
アイシュなんか、
「よ”がっだ、よ”がっだでしゅーーーーー!!!」
と、号泣していたからな・・・・・
アレはちょっとやばい。
義理の父母、つまり国王とその奥様も暖かく歓迎してくれた。
そして何よりも、ルーカスだ。
ルーカスには本当に感謝している。
普段は少しおっちょこちょいで、頼りないところもあるけれど、
私が困ったときはすぐに助けてくれるし、
毎日愛情を注いでくれている。
最近は子供を生むことも考えていて、具体的な将来設計をしている。
この話をぜひしたいところだが、それはまた次の話。
今は、この素晴らしい新婚生活を楽しみたいと思う。
この平和が乱れる前に。




