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おばあさんと文鳥

おばあさんは一人暮らし

僕がここに来た時から一人

おばあさんは僕に写真を見せてくれる

若い男女が写っている幸せそうな写真

おばあさんはそれを見るとだいたい泣いている

おばあさんは一日中この部屋で過ごす

おばあさんの下には毎日お客さんが来る

朝昼晩やって来てご飯を持って来てくれる

水色の爽やかな制服のお兄さん

お兄さんは僕にも食べ物をくれる

お兄さんはおばあさんと会うと少しだけ話をする

おばあさんはお兄さんと話すのが嬉しいみたい

おばあさんの食事はお味噌汁とご飯とお漬物そして毎日変わるお惣菜

おばあさんは自分の水を僕にも分けてくれる

僕のわがままだけど、 一つだけ嫌いなのはおばあさんがトイレをする時間

おばあさんの体調が悪くなって僕はここに来た

一昔前の時代は一人で最期を迎えることが多かったみたい

僕はおばあさんの最期を見届けるために生まれた

僕の仲間たちも配られた先で似たような生活をしている

僕たちは同じ建物の中で生活をしているけどきっともう会えない

おばあさんは昔いけないことをしたんだって

そういえば隣の部屋が静かになった

仲間の羽ばたく音だけが聞こえる

おばあさんが寂しくないように鳴いてみる

だって僕はお世話をしてくれるおばあさんが大好きだから


読んでくれてありがとうございました。


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