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小鬼&検索

『チュートリアル➊ゴブリンとの戦闘を開始します』


視界の横に「目標:ゴブリン一体を倒す」と表示される。

 同時に20m程先に突如出現したゴブリン。僕は手近にあるはずの銃を探し、目を疑った。というか信じたくなかった。


「ナイフしか落ちてないんかぁ!?」


 バトロワFPSを銘打っているのにどうやらこのナイフで戦うしかないらしい。そもそもゴブリンが出てくるようなファンタジックなFPSなんて見たことがない。


「首長竜がいたFPSも昔あったけど……」


 近接武器のチュートリアルと言うわけなのだろうか?ナイフを握り、攻撃の意思を持つが動作のアシストが始まる気配もない。


「攻撃モーションにアシストも無いの!?」


 つまりはもう眼前に迫り来る小汚い小鬼を、ナイフ素人の僕の動作で攻撃せねばならないことを意味していた。

 フルダイブFPSには基本的に銃を構えたり、ナイフを振ったりする事にはアシストが働き、誰でもその動作を行うことを可能としている。それが働かなければゲームの敷居はとんでもなく高くなってしまう。


 焦りから僕はナイフを取りこぼし、慌てて拾おうとしゃがんだところで


「gaaaa!」


 ゴブリンが振った棍棒は僕の眉間を思いっきり叩き、視界が明滅する。流れるダメージログからこのゲームにもヘッドショット判定があるんだとこの瞬間には無意味なことを把握した時には、すでに追撃の棍棒が炸裂していた。




◾️



『チュートリアル➊失敗 』

『再挑戦しますか?』


システムが僕に問いかける。さっきは銃が無い上にモーションアシストが無い事に慌ててしまって無様を晒した。しかしよく考えてみればばゴブリンはそこまでの脅威ではないはずなのだ。

 射程は棍棒込みでもナイフを持ったプレイヤーとほぼ変わらず、ゴブリンの攻撃も背の低さゆえ本来ならプレイヤーの頭部にはヒットしえない。

 

「久々にゲームを遊ぶから腕が鈍りすぎてるなぁ……」


 僕自身に言い訳を重ねてから再挑戦を選択する。

 落ち着きを持ってナイフをゴブリンめがけて振るだけできっと倒せるはずなのだ。

 ゴブリンにもヘッドショット判定があるなら、頭部にナイフを突き立てやればいい。


『チュートリアル➊ゴブリンとの戦闘を開始します』


 先程と同じ様に森の中に降り立つと、程なくしてゴブリンが出現する。今度こそ……とナイフを拾い上げ構え、近づくのを待つ。


「gaaaa!」


 ゴブリンは棍棒を叩きつけて来たが、同時に僕のナイフも醜い小鬼の顔面に当たる。強くナイフを握り込むと、ゴブリンはそのまま倒れ込んで吸い込まれるように消滅して行った。


『tips:モンスターには弱点が存在します。それは体の部位であったり、特定の属性や種族、スキルに武器等に攻撃される事など多岐にわたりますが必ず存在します」


『N78星雲人のレベルが2に上昇』


『チュートリアル➊をクリア』

『チュートリアル❷装備の回収を開始します』


 視界の端に「目標:棍棒を拾う」の文字が出現している。

 僕の目の前でゴブリンが消えた跡には、使っていた棍棒が残されていた。すぐにそれを拾い上げればそのまま次の目標が提示された。


『tips:武器は敵プレイヤーや武器を持つモンスターを倒す。もしくは宝箱から入手することが基本の入手手段です」



『チュートリアル❷をクリア』

『チュートリアル❸ステータスの振り分けを開始します』




「ん?ステータスの振り分け???」


 僕はいよいよ不安が隠せなくなってしまった。このゲームはバトロワFPSのはずだ。武器やらバッグパックならともかく、プレイヤー自身のレベルやステータスを振るような要素が存在するようなゲームなのか?

 訳の分からなさに一度チュートリアルを中断した僕は、「Dominate and annihilate」の攻略サイトを検索して、このゲームの概要とレビューを調べることにした。








そこに並んでいた評価はまさしく賛否両論、もしくは両極端と言って良いものだった。


『⭐︎1:ゴミゴミゴミゴミ!ランキングに乗ってたから買ったけど空腹ゲージがあるバトロワとか有り得なさ過ぎてほんまだるい』



『⭐︎2:思ってたゲームとはかなり差があった。公式アカウントのメディア欄でペットみたいなのを紹介してたし種族やスキルもあるからRPGかと思ってたら、マッチ毎に育成がリセットされるとは……」


『⭐︎5:ジャンルが付けられて無いのが理解できる神ゲー 様々なゲームジャンルから要素を引っ張ってきてて面白い』


『⭐︎1:そもそもプレイヤーの操作に補助がなく大変だし、1試合の時間が長いので気疲れする』


『⭐︎4:スーパー陣取り合戦って感じのゲーム』

等々



「まっったくゲーム内容が伝わって来ないのは何!?」


 少なくとも自分が今まで触れて来たようなバトロワFPSとは別物のゲームだという事だけは理解できたが、レビューを纏めて見るとサッパリだ。

 大人しく攻略サイトの初心者向け内容説明を読んで見れば、そこには概要として


『ファンタジー世界で国おこしをして、最後まで必死に残って滅ぼされるゲーム』


と評されていた。



◼️


Dominate and annihilate公式サイトより


 Player

 System

> World

Event


  この世界では数多の怪物が闊歩し、魔法が飛び交い、災害は頻発します。その中でプレイヤーは最後の一人まで行き伸びることが目的です。地を這い蹲り、毒を啜ってでも。



◼️



「大枠のルールはバトロワで、オープンワールドサバイバル要素を足したゲームに近いのかな?」

 様々なサイトを漁り、大体の内容を掴んだ僕はチュートリアルを再開した。


『チュートリアル❸ステータスの振り分けを開始します』

目標:ステータスを上昇させる


name:N78星雲人 種族:?

Lv:2 HP:15 MP:15 ATK:10

 STR:10

 INT:10

 VIT:10

 AGI :10

 DEX:10

 + 1pt



「あんまり詳しくはないけど、MMOみたいなステータスシステムだなぁ」


そもそもMPや種族があるFPSってなんだよと訝しみながら、僕は適当にDEXにポイントを振り分ける。


『tips:種族によってはLvが上がるとステータスも上昇します』


『チュートリアル❸をクリア』


『チュートリアルオールクリア』


『フリーマッチ解放』

『ここから先は実際にマッチを行いながら、システムに慣れていきましょう』


『注意!マッチ中にゲームを中断した場合ペナルティが発生します


『マップガイド、種族一覧、初期スキル一覧が確認できるようになりました』


 絶対に分量が足りていないチュートリアルが終わり、ようやく対戦ができるようになって僕はこのわけがわからないゲームに高揚していた。

 VRMMOやオープンワールドゲームの類いはほぼ触って来なかった僕には新鮮で、どうしてこのゲームにFPSのタグが付いているのかも知りたかったからだ。


 後にわかる真相としては、運営が「一人称で射撃が出来るゲームだから付けていいやろ!」と乱雑に入れただけだったんだけどね。





 マッチング開始ボタンを押すとマップ選択が始まり、マップ名の横に待機人数が表示される。


燎原遺跡   43/50

黒魔海域   31/50

大竜半島 new!! 33/50


 数秒悩んだのち初期に実装されたであろう燎原遺跡を選択してフリーマッチ開始を待つ。最初のマップだし初心者向けのはず……。


『フリーマッチを開始します』

『体感時間の加速開始』

『加速中に各プレイヤーは種族のピックを行います』


『希望種族を選んでください』

Race list

「系統別」/属性別

獣   

植物

妖精

悪魔

その他



 こうして僕のDominate and annihilateでのマッチは開始された。

 勢いに任せて攻略サイトで試合の流れの確認や、初心者ガイドなんかを放り投げて。

 


 ひとつだけ今回のマッチのネタバレ。

 凡そでいいから試合時間を掴んで置くことは大事だった。明日の予定がある時は特に。

 



「Dominate and annihilate」が一番近いジャンルはリアルタイムストラテジーですが、かなり他のゲームジャンルの要素がごった煮されています。

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