架空の例え話〜この物語は完全なフィクションです〜
何度も警告します。
胸糞注意です。 苦手な方は回避をお願いいたします。
そして全く救われない展開です。 これも苦手な方は回避をお願いいたします。
異世界の異世界のそのまた向こうにある異世界。
つまりこの地球とは全く、全然、本当に何の関わりもなく、地球からの転移者や転生者が歴史上でも1人も存在しない異世界。
その世界は崩壊寸前の危うい時もありましたが、順調に発展し、現代の地球と同じ位にまで発達した文明を持つ世界となりました。
そこに1つの国土が小さめな国が有りました。
小さめとは言え四季が存在する温暖な気候に加え国土は海に囲まれ、隣国と地続きでないので侵略される機会も少ないお陰か独自の文化が発展し、豊富な海洋資源もあり、実に特殊な立ち位置のまま成長した国です。
特殊な文化が良かったのか他国の文化や技術を上手く取り込み、その世界の根幹技術の改良を上手にこなし、尖り過ぎた技術と美食の国とまで言われています。
ですがその海の向こうにある近隣の国々は心が貧しい国ばかりで、近年はそれらによる理不尽な暗闘を仕掛けられていて国として色々苦労はありますが、それ以外の国々からは特殊かつ特別な国だと認められるまでになりました。
そんなある日です。
……まあある日と言っても以前からそうではあったのですが、昨今の情報化社会になってから、ある問題が顕在化しました。
【軍事力を放棄せよ!】
そんなプラカードを持って行進する集団デモ。
その世界では、軍事力と言う言葉は死語に近い言葉でした。
なぜなら国にないものを戦って奪うより、お金を出して買う方が断然お得であるのが常識とされる世界になったので。
他国を武力で侵略するメリットがほとんどありません。
更にこの情報化社会では侵略したなんて知られたら、即日で世界から批判が飛んできて交易を止められて、国として干上がる未来しか残っていませんから。
だからと言ってどこかの頭のネジが外れた国が侵略を始める可能性が絶対に無いなんて言い切れず、まだまだキナ臭い世界情勢なので戦う力を放棄できるほど平和を無条件に信用・信頼できる世界ではなく、世界各国は自国を防衛する力を揃える時代なのです。
それなのに、軍事力を放棄せよ。
しかもその言い分が、訳がわかりません。
軍事力を放棄すれば武力侵略してこない!
とのことですが、訳がわかりません。
この世界も例に漏れず、歴史ある国は隣国と戦争を経験しているもので、その開戦のきっかけに不意打ち・奇襲はよくある事。
つまり、いつ攻めてくるか分からない。
むしろ遺恨がある分、戦う力を放棄したらコレ幸いと侵略をしかけてくるかも知れない。
国同士でなくとも、国内の不穏分子による内乱や国際的なテロ組織が「我らの理想の国をつくる!」と大言して侵略してくる可能性だって否定しきれない、不安定な情勢。
そんな時代に戦う力を放棄するなんて、考えられない。
ですが、彼らは放棄しろと叫ぶのです。
放棄すれば、無防備な国に攻め入るのは恥だからと侵略は踏みとどまるだろう。
もし攻めてきたなら酒を片手に持って迎え入れ、語り明かせば侵略は回避出来るだろう。
と、叫ぶのです。
訳がわかりません。
が、こんな思想をする団体が世界の有力な国に1つは存在し、時々こうやってデモを行うのです。
やたらと国際問題になりかねない言動を小さめの国へし(問題がある国が一方的に)遺恨を持って、イメージを貶める情報工作を自身の国内すら含んだ世界規模で行い、やたらと敵視していつか征服してやると息巻く危険な隣国が存在している小さめの国で、でも。
普通の人なら耳も貸さず、冷めた目でチラと見て通り過ぎる。
そんな主張を繰り返す団体。
そんな団体が、急激に力をつけ始めました。
実際はその小さめの国へ入り込んだ不穏分子の暗躍により、子供の教育現場へ潜り込み隣国寄りの思想教育化に成功。
小さめの国の各メディアに影響力を確保し、隣国寄りの言論・世論操作に成功。
世論の後押しを受けて政界へ進出し、隣国融和派政党・議員として各地に地盤を築き与党となり、隣国の無法を黙認し続け、それだけでなく人道支援を名目に国家予算から多額の支援金を贈るなどして国力の減衰に成功。
その割を食らい、隣国融和派議員の「軍事力を減らす」と言う声により国防費への国家予算の分配の割合が減少した結果、防衛力の維持が困難になった。
そのまま8年かけて防衛費が減り続け、所持していた主な防衛兵器は国家予算確保を名目に中古だからと超格安で隣国へ叩き売られ、警察機関の特殊部隊並の武装しか残っておらず、もはや最低限の防衛すら行えない程度に落ちぶれた。
その落ちぶれた様子を見たこの国に防衛協力で派兵・駐留していた世界一位の大国の軍組織は、こんな体たらくでは足を引っ張られてしまうと見限って撤収。
その頃を見計らい、隣国が完全武装で武力侵略を開始。
だが小さめの国には防衛力が残されていなかった。
それで小さめの国の国民は何をしたのか。
それは、団体が叫んでいた例の行動を取ることとなる。
国土へ上陸してきた完全武装の兵士たちの前に立ちふさがり、酒を手に持ち笑顔で迎え入れた……。
もちろんそんな事はするなと防衛組織が制止していたが、減り続けた予算で減った人員と貧弱な装備とでは止めきれるものでは無かった。
結果は暗澹たるものとなった。
やはり酒を手にして笑顔で迎え入れたって他国の軍隊は帰ってくれなかった。
それどころかその場に居た男性達を全て持っていた銃で撃ち殺し、女性達を……しかも容姿で選別して連れ去った。
連れ去られた女性が辿る末路は、言うまでもないだろう。 そして選ばれなかった女性達は、男性と同じ結果を辿った。
その惨劇を見ていた防衛組織の人員は必死に抵抗しようと僅かな武器で抵抗を試みたが、結果は火を見るよりも明らかだった。
侵略軍はそのまま小さめの国の首都まで攻め上がり、侵略国の「この国の民に笑顔で出迎えられたから、我が物にする」というあまりにもトンチキな大義名分によって、武力による征服を受けてしまった。
これを知った他国は慌てて小さめの国解放連合国軍を結成し、可能な限り早く小さめの国へ進軍した。
が、時既に遅し。
準備している期間に軍事衛星から情報を入手していたが、それより非道い有り様だった。
小さめの国の様々な重要拠点は全て破壊され、価値のある者は全て略奪され、小さめの国を小さめの国たらしめていた重要人物達は、全員処刑された後。
隣国の武力侵略から生き延びた技術者達は全員拘束され、隣国へ移送済み。
そんな事が書かれたメモや日記や新聞等があちこちで見つかった。
建造物や金目の物はダメだと分かっていても、生き残り位は居てくれるだろうとの淡い期待すら、隣国は打ち砕いていった。
国土も物的人的資源も全て滅茶苦茶にされ、残ったのは小さめの国の絞りカス。 それと隣国による破壊の跡。
この惨状により連合国軍は隣国を許せんと義憤のまま攻め込もうと言う流れになったが、その思惑は消え去った。
連合国軍が動く情報を得た隣国が「国際社会からの非難を回避したい」なんて極めて身勝手な思惑のために、無法の限りを尽くした痕跡を消そうと隣国が密かに大量破壊兵器を他国から買い、それを小さめの国へ慌てて撃ち込んだのだ。
その大量破壊兵器によって、消滅してしまった連合国軍。
大量破壊兵器は言うまでもなく国際条約で使用禁止の、大変に危険な代物である。
もちろんそんな凶行は衛星画像により撮影されていて、報復として大量破壊兵器を撃ち込まれ、地図から消滅した隣国――――。
――――かくして地獄の蓋は開き、この世界の終焉は始まった。
思わぬところから撃ち込まれた大量破壊兵器。
それを輸出したとして、大量破壊兵器を所持している関係国へ報復の大量破壊兵器が飛ばされた。
それを察知した飛ばされた側の大量破壊兵器所持国もカウンターで大量破壊兵器を飛ばし返す。
大量破壊兵器は破壊を齎す範囲の大きさは言わずもがな、その破壊する範囲より大きな範囲に生き物にとって猛毒としか言えない物質を大量にバラまき、その猛毒は何十年もその場に留まり続ける。
もう大量破壊兵器の使用禁止条約は事実上無効となり、あちこちで大量破壊兵器を飛ばし合う戦争が始まった。
大量破壊兵器を持てない弱国は強国に「まだ住める土地」として侵略され、侵略された国へは「移住させてなるものか」と他の国が大量破壊兵器を撃ち込む地獄絵図。
最終的に世界は生き物の生存を許さない死の世界へと変貌したのだ……。
以下独白注意
やらかしました。
なんか最悪の未来を見てしまった感じがします。
が、これはフィクションです。
フィクションであって欲しいです。
こんなのを読んで、
「ばっかで〜、こんな未来が起きる訳無いじゃん!」
と馬鹿話になって欲しいです。
なお、この作品はフィクションです。
現実の団体や国や思想やその他諸々とは全く一切全然関係なく、フィクションでございます。
フィクションなんです。
フィクションですったらフィクションです。