第8話 狭い部屋も悪くない
『さてキュウよ、こっからお前のことを色々と調べさせてもらうぞ』
『いいよー、きゅうなにすればいい?ごしゅじんさま』
ふむ、そうだな、まずはキュウの攻撃性能を見せてもらいたいな、睡眠のぴゅっに関してはさっき身をもって体験したわけだが、キュウの純粋な攻撃力も見てみたい、が、どうやって見せてもらえばいいのだろう。
まさかまた俺が実験体か?
ひさしぶりにすら感じる俺の宿題に記されたステータスを確認してみる。
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名前 キュウ | ヒュプノスライム 所属 第73迷宮 『終の迷宮』
レベル1
体力 8/8
力 6(0)
耐久 6(∞)
速度 10(0)
精神力 30/30
運 20
魂量 30/30
≪技能≫
・睡眠魔法
相手を【睡眠】状態にさせる。
・睡眠薬生成
睡眠薬を生成する。
適切な量摂取すれば快適な睡眠を。
過度に摂取すれば安らかな眠りを。
≪眷能≫
・睡眠
【現在使用可能な能力】
睡眠中は耐久が∞となるが、力と速度のステータスは0となり、行動不能となる。
24時間の睡眠ごとに基礎ステータスが1上昇する。
睡眠中は魂量、精神力、体力が徐々に回復する。しかしデメリットとして魂量が全回復するまで起きることはない。
魂量が1割をきると強制睡眠。
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ふむ、前回見たときよりも少しステータスが上がっているな、微々たるものだが、これが眷能のちからか。
ちなみに今んとこうちのダンジョンの平均睡眠時間は、時計などがないので正確なところは分からないが、18時間くらいだと思う、一回寝ると信じられないほど起きないのだ。
おかげさまでまだ4日しか経っていないのにステータスが3も伸びている。
ま、寝る子は育つと言うしいいのかな、うん。
さて、重要なのは、力 6 というこのステータスだ。
成人男性が10くらいとのことなので、人間に殴られるよりも弱いということだろう。ならば俺が受けても大丈夫か。
『よし、キュウ、来い!俺を攻撃してみてくれ、ぴゅってするのは禁止な?』
『こうげきすればいいのー?わかったー、いくよーごしゅじんさま』
ぽよんっ
...まったくなにも感じない
ぽよんっ
やはりなにも感じない。俺のステータスを確認してみるが魂量はまったく減っていない。これは俺の耐久が高すぎるのかな。まぁキュウは特殊能力タイプなのだろう、あのぴゅっをうまく活かせばダンジョンの防衛に大きく役立つだろう。ステータスは寝ればあがるらしいし、もっと自由に寝かせてやろう。
さて、キュウを活かした部屋、か。どんなのがいいだろう。
素のステータスが弱い現状だと、キュウを矢面に立たせるのはもってのほかだ。
とすると最初に考えていた迷路の案にヒュプノスライムを採用して迷わせて眠らせてしまうというのはどうだろうか。結構いい案な気がする。
細い迷路を四方八方に広げ、侵入者にそこを歩かせる、そしてその迷路の上に細い隠し通路を這わせ、ヒュプノスライムたちを配置する、上からこっそりと例のぴゅっをやらせて侵入者を眠らせる、もちろんその他の罠もいたるところに配置する予定だ。
ヒュプノスライムたちをモンスターとしてではなく罠のギミックのひとつとして活躍してもらう形だな。キュウには敵と戦って死んでほしくないしね。
となったらまずはいまのところ一体しか召喚していないヒュプノスライムをたくさん召喚してみようか。
そもそも何体まで召喚できるのだろうか?
キュウ一匹でゴブリンを撃退できたことから考えても、とりあえずヒュプノスライムがたくさんいれば迷路なしにもそこそこの防衛力を発揮できる気がする。
れっつ召喚タイム
『キュウ、いまからお前の仲間をいっぱい召喚するぞ』
『なかまー?やったー!』
キュウもうれしそうなのでたくさん召喚してあげよう。
ということでヒュプノスライムの召喚を連打。
1、2、3、4、5、6............96、97、98、
そして99回目の召喚をしたところで俺のノートに"現在召喚可能な魔物の数 100/100"と出た。
どうやら100体がマックスらしい。
さて、後先考えずにこの狭い部屋に召喚しまくったわけだが、足の踏み場もないとはこのことだろう。
しかも召喚したスライム99匹すべて寝てやがる。なんだこれ、召喚されると睡眠状態で出てくるのが常識なんですかね?ダンジョンさんや。それともうちのダンジョンだけですかい?
うーん、この子らを召喚してからどこにいてもらうか考えてなかった。というか召喚されてからすぐ寝るなら上の階で召喚すればよかったな。俺の部屋が一面スライムだらけだ。
しかしこの寝ている子たちを起こして上の階に移ってもらうというのもな。
しょうがない、すやすやと眠っているこの子達を見ていると俺まで眠くなってきた。
おれも寝よう、がんばったがんばった、第一階層の構想も練ってこの子たちも召喚したし、十分働いただろう。
『じゃあ、キュウ、俺たちも寝るか。また明日起きたら上の階層がんばろうぜ』
『うん!ねる!おやすみ、ごしゅじんさま!』
俺がハヅキの寝ている布団に入り込むと、キュウも中に入り込んできた。
さぁ、寝ますかね。
起きた時に第一階層の構想忘れてないといいな




