第5話 テレパシー?
目が覚めると目の前で美少女が寝ていた。ハヅキだ、かわいい。
それにしても昨夜寝てから態勢が一切変わっておらず、いまだにすやすやと寝息をたてている。
さすがだな、『睡眠』の«権能»を持つ僕よりも長く寝ているとは、だが今日はそろそろダンジョンの内部を色々といじっていく予定だ、起きてもらわなくては困る。
勢いよく布団を引っぺがす。となりではスライムも一緒になって寝ていた。
「あったーらしーいーあーさが来た♪きぼーうーのあーさーだ♪ さぁ起きろ、今日はやりたいことがあるんだ、起きてくれ」
すると眠そうな顔をしたままハヅキが起き上がって来た。スライムもプルンッと体を震わせたかと思うとこちらに寄って来た。
「おはようございます、マイマスター。私の抱き心地はいかがでしたか?」
あれ、バレてる。おかしいな寝てたはずだけどなんで知ってるんだろう。まぁでも特に怒ってる様子もなさそうだしここは素直に感想を述べて何事もなかったかのようにスルーするのが正解か。そもそも俺の布団で寝だしたのはハヅキの方だしな、うんうん。
「お、おう、とっても寝やすかったぞ?」
「そうですか、少しびっくりしましたが寝やすかったのであればよかったです。」
どうやら一切怒っていないらしい。布団は増やさなくていいかな。悪魔でも経費削減のためだよ?うんうん、別に添い寝のためではない、決して
ハヅキと話しているとスライムが肩に飛び乗って来た、そしてしきりにぷよぷよと跳ねだした。
どうしたのだろうか?そう思いながら眺めていると、
「そのスライムはなにか伝えたいことがあるのではないでしょうか」
とハヅキが言った。
そう言われてみればそんな気がしてきた、だがどうやってスライムとコミュニケーションをとるのだろう、俺にスライム語はわからない。そんなものがあるのかも知らないが。
ハヅキならなにか知っているだろうかと聞いてみると案の定、
「スライムに名前を付けてあげると繋がりが深くなり、意識で繋がることが可能になります」
「ということは俺とハヅキもできるのか?」
「はい、可能です。しかもどれだけ距離が離れていても繋がる優れものです」
ということなので実験がてら第1階層へとあがってきた。すると昨日は暗くて気が付かなかったが、階層の端、つまりこのダンジョンの入り口の部分から光が見えることに気が付いた。
おかしい、ここの入り口はハヅキが埋めたと言っていた。まさか入り口が見つかってしまったのだろうか。
光の見える方へと近づくと、小さな穴が開いていた。そして人間のものではないが、なにかが通ったと思われる足跡がダンジョンの中へと繋がっていた、そして出た形跡はない。
つまり今もこのダンジョンの中に侵入者がいる?まずい、中にはハヅキとスライムしかいない。
すると頭の中にハヅキの声が直接響いてきた。
『聞こえますか、マイマスター』
うわっ、びっくりした。これがハヅキの言ってたやつか?
声は聞こえるがどうやってやるのかがわからない。
頭の中でハヅキを思い浮かべて声を送るイメージをしてみた。
『あー、あー、聞こえるぞ』
『そうですか、では戻ってきてください。このスライムに名前を付けてあげましょう』
そういえばそれが目的だったな、この足跡も気になる、ハヅキになにかあっては困る、早く戻るとするか。
俺は用心深く周囲を警戒しながら部屋へと戻った。




