桐ヶ島丈、課長の正体を知る
午後12時 とある企業 社員食堂
午前の仕事が終わり、昼休みに入った。
オムライスやとんかつが美味しい社員食堂は、たくさんの人で賑わっている。
そんな中、桐ヶ島はツナスパゲッティーを黙々と食べている。
すると、誰かが声をかけてきた。
「桐ヶ島くん。ちょっといいかな?」
桐ヶ島は手を止め、前方を向いた。そこには、白髪で優しい目つきをした男がいた。
彼の名は遠見権平。この企業の課長だ。
桐ヶ島と仲がいいことで知られている。
「課長。どうしたんですか?」
桐ヶ島が尋ねると、遠見は少し険しい顔をしてこう言った。
「桐ヶ島くん、君に言いたいことがある。この話は人目につかない所でしたいんだ。」
桐ヶ島は急いでツナスパゲッティーを食べ終えると、遠見についていった。
午後12時15分 とある企業 休憩室
桐ヶ島と遠見は、休憩室で話をすることにした。以前は昼食場所として有名だったが、社員食堂ができてからほとんど人気がない。
「課長。言いたいことって、何ですか?」
桐ヶ島が再び尋ねると、遠見はいつもの顔つきに戻った。と同時に、遠見から衝撃の言葉が飛び出した。
「桐ヶ島くん、私は人間ではないんだ。俗に言う、九尾の狐なんだよ。」
「またまた、ご冗談を…」桐ヶ島は疑っていた。遠見は冗談を言うことが好きなのだ。
だが、今回は本当のようだ。
遠見の体が白い光に包まれ、一瞬で九尾の狐へと変化した。
その姿は普段のがっしりした体型とは対照的に、スマートな体つきだ。
「桐ヶ島くん。どうだ、私の真の姿は?」
最初は驚いていた桐ヶ島だが、自分以外に妖怪がいることを知ってホッとしていた。
こうして楽しい昼休みも終わり、桐ヶ島と遠見は午後の仕事に励むのだった…