プロローグ
「はい じゃあ次の配信は3日後になると思うんで またみてくださいね〜!」
ポチッと電源を落とす
「ふぅ〜疲れた…」
などと言って部屋の3分の1を占めるコタツに颯爽と滑り込む。
あーあ、こんな面倒臭いものだとは思ってなかったなぁ 1ヶ月に数回ゲームして、それを配信すれば簡単に稼げる筈だったのに…とミカンの皮を剥く。
確かに金はたくさん稼いでいる。でも視聴者達は1ヶ月に数回の配信じゃ満足してはくれない。最初は1ヶ月に4回程度だったのだが人気が出始めてからは配信回数を増やして欲しいという要望が沢山寄せられてしまいやむを得ず増やしたのだ。
「まぁ見てくれる人が沢山いるってのはいい事なんだけどね〜」
だが今はこれで食いつなぐ事が出来ているがこの先もそうとは限らない。いや確実に無理だろう。現状何故こんなに人気かと言うとゲームが特別上手いわけでもなく話がお笑い芸人みたいに面白い訳でもない、顔なのだ。自分で言うのもなんだが私は可愛いらしい。自分ではあまり自覚はないが…と言うより可愛いなどと自惚れてはいない。コメント欄にそう書いているのだ。物好きな奴もいるもんだと思う。それはそうとこの仕事で食っていけなくなる理由の話だった。理由ははっきりとしてる老化だ。今の私の顔が目当てで見ている奴らは10年後変わらず見てくれるだろうか? 否 見るわけが無い。そーゆー訳で仕事を探さなければいけないのだ。
「さて、そうは言ったものの顔なんて化粧でカバーすれば後5.6年は持つでしょ! さぁ!地獄の素材周回の続き!続き!」
ゲーム実況の配信をしてる時以外はずっと飲まず食わずで周回していたのだ。そろそろ必要個数も揃うだろう。
「今日中には終われそうね… 」
バタン!
そこで意識は途切れた。