エンカウンター
「ここまで完膚なきまでに
やられると、いっそ清々しいわ……」
不思議とため息のような
笑いを込み上げるヴァカ。
紙一重の判定で
ブラフマンの攻撃がヴァカに通り、
大会の勝者が決まった瞬間であった。
「おめでとうございます!
皆さま惜しみない拍手を!!」
零の熱気のこもった
マイクパフォーマンスに、
観客が熱い歓声を上げる。
ひと勝負を終えて筐体からでたヴァカが、
ブラフマンのネームプレートが付いた
筐体から誰かが出てくるのを目撃する。
そのプレイヤーの正体は、
学校の制服を着た少女であった。
ヴァカがその少女の後を追おうとした時、
スマホから何やら通知の知らせの
電子音が鳴り響く。
どうやら予約していた
帰国の飛行機が整備不良ため、
一便早いフライトへ変更になってしまったらしい。
せめてあの少女の顔を
ひとめ確認して帰りたかったが、
スケジュール的に今すぐ急いで
空港へ行かねばならない。
「あんもぉw」
自分を倒した存在が
どんな人物だったのか?
想像を巡らせながら、
最後にまだ幼さの残る
その後ろ姿に一瞥を投げる。
奇想天外なイートニャンの冒険が終わったあとも、
まさかこんな驚きと発見があろうとは、
世界とはつくづく広いものだと
ヴァカは会場をあとにするのであった。




