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イートニャン  作者: 坂本龍馬♀
―ファルザード―
256/273

狼煙 -列-



「ヴィヴァーチェ!」



レーザーの直撃を

音秘術の衝撃波でそらすものの、

いくつかの粒子がコックピットをつらぬく。



「……フェノさん!?」



後部座席にいた八百は

メサイアがとっさに盾になり、

無事であった。



「早くそいつを連れて医務室へ行け」



血まみれになり

虫の息のメサイアを見て、

フェノメノンが八百に指示を下す。



「で、でも……」


「時間稼ぎは私がする、急げ!」



狐を逃がした失態からか

半ば自分を責めるように

強い口調でフェノメノンが本性を

露にしたメビウスへ向き直ると、


八百がメサイアを抱え

逃げるように甲板の階段を下る。



「……ほう。

生身で挑むというのか、馬鹿め」



金色の機神に立ちはだかる

フェノメノンに、メビウスが

退屈そうに吐き捨てる。



「さっさとかかって来たらどうだ」



「ふっ、ではその心意気に免じ、

私の真の姿を見せてあげよう」



「何!?」



機神アウルムが人型から、

歪な悪魔のような凶悪な

フォルムへと変貌する。



「「お初にお目にかかる。

私はヴァサゴ、いや、()()()こそ

完全なる融合体と言ったところか」」



スピーカー越しに聞こえる声は

メビウスのものに加え、別の声が

同調して重なる。



「……まさか天人にも

紛れ込んでいたとはな」



魔人グシオン飛龍アスモデウス以外にも

寄生して潜んでいた悪魔がいた。


そして、もっとも狡猾に

隠れみのを利用していたのである。



「この者の首は私めに

討ち取らせて下さい」



それまで影として控えていた狐が

フェノメノンの存在を認め、

改めて好敵手との決着を

つけるため間に割って入る。



「「それには及ばん」」



直後、アウルムの

レーザーが狐を貫く。


仮面が剥がれ、驚愕の表情を

浮かべた狐が自らの鮮血に沈む。



「ば、馬鹿な……

そなたは人類と魔族の

融合を望んでいたはず……」



「「全ての生命が、

私たちのように調和を保った

融合ができると思ったか?


そして私たちがこの星の種を

導く責務も考えてはいない。


私たちは利害のみで動く。

それ以外の存在など不要だ」」



メビウスとヴァサゴは後悔も

後ろめたさもにじませず、

もはや用済みとなった狐に

冷酷に言い放つ。



「どうやら、この私も……

世界の行く末を託す存在を

読み違えていたようだ……」



自らの秘めたる使命のため

孤独であり続けた狐が

最期に皮肉を吐き出す。


そんな狐を前にフェノメノンが

力なく倒れるように寄り添う。



「「お前もすぐにそいつの

もとへおくってやる」」



メビウスは裏切りも死別も

飽きたかのように声を上げ

レーザーガンの照準を

フェノメノンに向けるのであった。



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