防衛戦 -破-
同時刻————
ドラクルと呼ばれる魔人、
天狗と呼ばれる魔人が二人、
鉄塔のようにそそり立つ
都市の最上部から下界を見下ろす。
雲を突き抜け
群がる飛龍の大軍団と、
迎え撃つファルザードの
レーザー砲が360度見える。
「始まったようだな」
「ウム……」
ここは本来、宇宙船の
コックピットに相当する場所であり、
ファルザードが空中都市となった現在は、
メビウスの司令塔兼、巨大な
電波塔としても機能している。
見晴らしの良い場所である反面、
身を隠す場所などが皆無であり、
飛龍の攻撃に晒されやすい。
加えてファルザードの
コントロールを行う指揮系統が
集中する重要拠点であるため、
レーザー砲を潜り抜けた
飛龍の第一陣は、真っ先に、
この場所に殺到して来る事であろう。
それを完璧にブロックするには、
機神アルゲントゥムに匹敵する
存在を配置するしかない————
「ハレルヤ殿に造られた者同士が、
時を超え、敵対し、ついには、
こうして共闘するとは皮肉なものよ」
「だが、所詮うぬは旧式。
以前、江戸で見せたあの程度の力では、
我と共闘など無用、足手まといだ」
凶悪な形相で奇声を上げる
飛龍の眷属達を前に、武人としての
矜持を持つ二人はどこか、
この死地を楽しんでさえいた。
飛龍の一匹が空から急降下し、
天狗に攻撃を仕掛けると
拳のひと突きで龍の体を粉砕する。
「余が旧式だと?
図に乗るなよ貴様ッ」
続いてドラクルが両手から
強力な業火を天に放つと、
その爆発力は空中の飛龍の大群を
いっきに巻き込み、跡形もなく
消し炭にするのであった。




