表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イートニャン  作者: 坂本龍馬♀
―ファルザード―
233/273

助っ人


メビウス達のいた母星は、

現在の地球と似た環境であり、

奇跡的に地球の人類とほぼ同じ種が

自然淘汰の末、生き残り文明を築いた。


その天人もやがて地球の人類が

築き上げた文明のように、

科学と産業を起こしあらゆる種の

頂点に立つほどの繁栄を極め、


代償として惑星の

環境を破壊していった。


限りある自然の恵みが

少なくなるにつれ、資源を巡り

天人たちは国家間の血みどろの

戦争へと突入。


生き残った天人たちは、

議論の末に母星の放棄を決断する。


数万という同胞を率いて、母星を捨て、

外宇宙の惑星へ移住を計画できる

余力をどうにか残していた。


計画は速やかに実行に移され、

新たな出発を切った天人たちは、

今度こそ互いに協力し合い

過ちを繰り返さないかにみえた。


未知の移住先を求める

移民船団は長い旅の末、


限られた生活資源と航海方針を

巡って内紛が起こり、多くの船が

宇宙の藻屑となってしまう。


気が付けば移民船団は

最後の一隻となってしまい、

わらをもすがる思いで漂着したのが、

この地球という水の惑星であった。


しかし、そこには既に

獰猛な悪魔を宿した飛龍と、

その眷属たちが存在した————




「ファルザードというのは、

元々は、この船の名前なんです。

今は空中都市ですけどね。


船長として私たちを

統べる王が居たのですが、


飛龍たちとの闘いで討ち死にし、

多くの同胞が倒れていきました。

私たちはその生き残りという訳です」



母星から地球までの旅の経緯を

語ったメビウスにかわり、

アリスが補足的な説明を加える。



「イートニャン君。

私は元々王族でも軍人でもなく、

きみと同じ一介の研究者でね。

本来は司令など務まる身ではないのだ」



メビウスがここまで生き残り結果として、

天人のリーダーを引き受けている事を

謙遜けんそんしてみせる。



「何をおっしゃいますか教授!

いや、司令がいてくれたからこそ、

私の発明した機神を運用出来るのです」



「教授か。

その肩書で呼ばれるのも久しぶりだ」



二人の口ぶりから、かつて

メサイアはメビウスの弟子であり、

今もその関係は影ながら

続いている様子であった。



「機神の乗り手が少ないなか

劣勢続きの我々にも運が巡ってきた。

強力な()()()が現れてくれたのだ。

これは上手くすれば地上に巣くう

悪魔の龍にも勝てるかもしれん」



メビウスが力強く指を

組み合わせた腕を机の上に置き、

希望を見出したように声を弾ませる。



「「助っ人!?」」



「うむ、彼らもこの星の

未来からここに来たというのだ。

君たちとも()()()()らしい」



メビウス総司令の言葉に一同は

奥の部屋から響く足音に耳を澄ませる。

先ほどタイムマシンの話を聞いて

驚かなかった本当の理由はこれであった。



「司令、ハレルヤ博士の

お連れの方々が先に到着の模様です」



会議室の入り口で

内線モニターを覗いていた兵士が、

メビウスに来訪者の存在を告げる。



「ハレルヤ本人はどうした?」



「それが、研究の後始末をした後、

すぐに向かうと……」



「よかろう、先に通してやれ」



「ハッ!」



メサイアは兵士に

部屋の解錠を指示すると共に、

鋭い視線をイートニャンらへ送る。

本題はこれからだと言わんばかりに————



「ハレルヤめ、

会議に遅刻しおって」



「そう苛立つな。

弟子の頃から常習犯ではあったが、

無意味に時間を浪費する奴ではない」



愚痴をこぼすメサイアを

メビウスがなだめる。


話しの流れから

ハレルヤ博士なる人物も

メビウスの弟子ではあるが、


時間にルーズで生真面目な

メサイアとは反りが合わないらしい。


扉の電子ロックが解除され、

数人の足音がぞろぞろと会議室に響く。



「ククク、役者が揃ったねぇ」


「――!」



会議室の扉が開くなり、

間に飛び込んだのは3人の酷く

見知った人物であった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ