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イートニャン  作者: 坂本龍馬♀
―エンデルーン―
222/273

卒業試験 -絆-



そのころ悟空とターヒルは、

ドラクルと仲間達のいる

丘の上からは離れた森の中で

人知れず一進一退の攻防を続けていた。


悟空は間合いを取って槍で

ターヒルの剣を弾くも、

技量においては分があるのか

徐々に押されはじめる。



「……ようやく体が本調子に

なってきたところだよ」



「なに!?」



お互いの得物を交える内に

ターヒルのシャムシールは

鋭さを増していく。


模擬戦の時とは様子が違うターヒルが

苛立ちをあらわにする悟空を嘲笑う。



「人目のないここでなら

容赦なく殺人技を繰り出せる。

この前のが僕の本気だったと

思っているならご愁傷様。

切り札は最後までとっておくものだ!」



槍の穂先をシャムシールで弾き、

もう片方の刃を、がら空きになった

悟空の顔面へ走らせる。



「ぐっ————」



頬をターヒルの刃が掠めると

鮮血が汗と共に地面に滴り落ち、

次に攻撃を食らえば自分は確実に

やられると闘争本能が告げる。


両手を交差させ

槍を水平に構える悟空。


そんな鬼気迫る表情の悟空を見て

避け切れないと見たターヒルは

シャムシールを十文字に構え

真正面からの攻撃に備える。



「おらあああああああああぁ!!」



悟空の怒声と共に、全身の力と

体重を槍の穂先に集中し突撃する。


まさに一点集中の捨て身技。


ターヒルは双剣の刃を交差させ、

どうにかこれを十字に受け止める。



「馬鹿め、前と同じ手が通用するか!」



最後の一撃を防がれたはずの悟空が

即座に槍を手放し、拳を構える————



「これが俺様の切り札だッ!!」



悟空の拳から闘気が放たれ、

槍を防いだ事で胴ががら空きになった

ターヒルはそれを至近距離でもろに受ける。


初めて余裕と冷静を

張り付かせた顔を歪ませ、

ターヒルは自身の胸に視線を移すと


奥義を完成させた

悟空の百歩神拳によって、

カブレラストーンは粉々に

打ち砕かれていた。



「まさか努力で……

運命を変えたというのか……」



「お前の言う通り、切り札は

最後までとっておくものだぜ」



術の源であるカブレラストーンの力を失うと、

ターヒルが力尽き、あたりの景色が歪みだす。


悟空は薄れゆく意識の中、この世界で

出会えた仲間たちの顔がふとよぎる。


彼らの力がなければターヒルを

討つことは出来なかった。


だからこそ、偽りだらけの

この世界でも彼らとの『絆』だけは

本物であると思うのであった。



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