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イートニャン  作者: 坂本龍馬♀
―エンデルーン―
205/273

前世



午後の授業も終わり

今日も平穏に一日が過ぎようと、

夕暮れ時の教室にたたずんでいると————



「俺たち一緒に冒険してたよな!?」



突然、叫び出した悟空を前にして、

ホムンクルスは呆れたように

肩をすくめてみせる。



「……まだ貴方は

寝ぼけているんですか」



「本当なんだ。

ここではない時代、

この姿じゃない体で、

ホムや八百の姉貴と色々旅しただろ!

海とか山とか、もちろん砂漠もよ!」



「なにそれ、前世の記憶?

そんなロマンチックな話を

する性格だったっけw」



八百が哀れみ半分、爆笑半分を

滲ませた笑顔を浮かべると、


沙悟浄と猪八戒も一体何事かと

興味本位で駆け寄ってくる。



「兄貴ぃ、その旅って

オイラ達も一緒にいた~?」



「いや、オメェら二人とは、

しばらくして別れた気がする」



「気がする?

思い出したとか今

言ってたじゃないっすか。

墓穴を掘っちまいやしたねw」



悟空のあやふやな答えに

沙悟浄がニヤニヤと指をさす。



「お前は黙ってろ。

とにかく、本当なんだってホム!

ここは俺様がいた場所じゃねぇ!」



「フフ、馬鹿馬鹿しい」



これ以上、意味不明な戯言には

付き合ってはいられないと、

ホムンクルス達は悟空の元から去って行く。


昨日と同じ悟空は自分の頬を

つねってみせるも、やはり夢は覚めない。


それでも思い出しつつある、

ここではないどこかの記憶は、

より鮮明に何かを覚醒させ

つつあるのであった。


そんな悟空の様子と、

仲間達との何気ない会話を、

何者かが盗み聞きしていた事を

悟空はまだ知らない————



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