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~見えない君~
君の目に、私は、どう映っている?
私の目に、君は、どう映っている?
「おはよう」
施設長の声で起きる。
「おはようございます」
目覚めのよい朝。
君は、どうですか?
「今日はね、晴れてていい天気だよ」
「そうですか」
私には、分かりません。
君は、分かりますか?
「ご飯食べにいこうか」
「はい」
今日も気分はあまりよくないです。
君の気分は、どうですか?
「足下気をつけてね」
「ありがとうございます」
歩くのが怖いです。
君は、怖いですか?
「自分で食べられそう?」
「はい」
お箸がどこにあるかわかりません。
君は、分かりますか?
「はい」
「ありがとうございます」
お箸の握り方が分かりません。
君は、上手に持てますか?
「ごちそうさまでした」
今日も、いつも通りの一日が始まります。
君は、楽しみですか?
「桜ちゃん、お花が届いてるよ」
「ありがとうございます」
「触ってみる?」
「はい」
柔らかい。
でも、冷たい。
「綺麗だよ」
見たい。
見えない。
君は、見えますか?
私には、見えない。
何も、見えない。
景色も、人も表情も、文字も、楽譜も、仕草も、物も、場所も、思い出も、全部全部見えない。
大好きな君も、見えないです。
君は、見えていますか?




