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Be My Self  作者:
17/48

夏休みになって

梅雨も明け、待ちに待った夏休みに突入した。

朝からセミの鳴き声が響き、天気予報では真夏日になると言っている。

熱中症になりやすいので運動は控えましょう。

このような警報を出しているのにテレビのチャンネルを回すと

高校野球の都大会が行われているので、矛盾しているなと感じてしまう。

綾音はそんなことお構いなく、出かける支度をしていた。

ギンガムチェックのスカートにかわいいデザインのTシャツ、

髪は肩くらいまで伸びてきたので最近は編み込みをするようになり、

今日もサイドを編み込んだ。

ちなみに愛梨はずっとショートにしているので、

最近は見た目でもすぐ区別がつくようになっていた。

最後に念入りに日焼け止めを塗って玄関へ行く。

「お母さん、行ってくるね」

「暑いから気を付けてね」

「はーい」

ヒールのあるサンダルを履き、家を出た。

すぐさまムワっとした熱気に嫌気がさす。

でも今日は楽しみにしていた日なので、気を取り直してバス停へ向かった。

待っているだけで汗が出てくるので、バッグからミニタオルを取り出して

抑えるようにして汗を拭きとっていると、やっとバスがやってきた。

平日の9時なので通勤の人たちはほとんどいない。

乗っているのは買い物にいくであろう主婦や小さい子を連れた親子、

それと高齢者くらいだ。

中は冷房が効いているのでとても涼しかった。

汗がスーッと引いてくるのがわかる。

席も空いていたので、そこに座りながら外を眺めていた。

窓に反射する自分の姿をチェックする。

ナルシストなわけではないが、

女の子になってからはこまめに身だしなみを確認する癖がついていた。

バスが駅に着いたので、Suicaをかざしてバスを降りる。

すると、再び熱気にやられたので、少し足を速めて駅の構内に向かった。

構内も意外と蒸し暑い。

どうやら今日は湿気が多いらしい。

電車を乗り継ぎ、待ち合わせ場所へ着いた。

まわりには同年代から高校、大学生くらいの若者がちらほら歩いている。

みんな夏休みで遊んでいるみたいだが、

比較的時間が早いので思ったよりは混雑していなかった。

まだ来てないかな…

スマホを開いたら横から声をかけられる。

「綾音ちゃん」

声の主を見てみると、そこには待っていた人物が立っていた。

「佳純ちゃん」

そう、今日はやっと2人で買い物に出かける日だった。

「綾音ちゃんの服かわいいね」

「ありがと、佳純ちゃんの服もかわいい」

好きな服の系統が同じなため、お互いの服を褒めあう。

ちなみに佳純の服はオフショルのトップスにレースのショーパン。

大人っぽい佳純にはピッタリだが、

どちらかというと幼い綾音には少し似合わないかもしれない服装だった。

向かった先はファッションビル。

いろんなブランドの服や小物などの雑貨などが入っていて、

オシャレが好きな女の子にとっては見ているだけでも楽しくなるような場所だ。

中に入っただけで綾音も佳純もワクワクしていた。

いろんなお店を見てまわる。

一応、和子からお金をもらったので多少の服は買うつもりでいるが、

店舗が多いので即決はしない。

特に2人が好きなかわいい系の服は念入りにチェックしていた。

「これかわいくない?」

「あ、かわいい」

はしゃぎながら見ていると、佳純が「あっ」と言って立ち止まった。

「ロマンスドールだ…」

ロマンスドールは10代後半から20代半ばくらいまでの女の子に大人気の

ファッションブランドだ。

雑誌などでも毎回出ているので、綾音も佳純も知っているし

憧れのブランドだった。

ただ、中学生には少し早いのと値段も少々高いので、2人とも買ったことはない。

「綾音ちゃん、覗いてみようよ」

「えー、買えないよ…」

「でも見たくない?」

「うー…見たい」

2人は恐る恐る店内に入ってみた。

夏休みとはいえ、平日の午前。

店内にお客さんはほとんどいなかった。

かわいい服がたくさん並んでいて、いざ目の前にあると手に取ってしまう。

綾音が持ったトップスは7000円、佳純が持ってるワンピースは1万2000円、

やはり中学生が着る値段の服ではない。

それでもいろいろ見てしまう。

「ねえ、これ雑誌に載ってたやつだよ!」

「ホントだ!実物かわいい」

「そのワンピース、すごく人気なんですよ」

いつの間にか店員が隣にいて話しかけられてしまった。

買わないのに話しかけられると気まずい。

「あ、はい…」

話しかけられるということは、お客さんということ。

つまり買うと思われている。

綾音も佳純も持っていた服を置いて慌てて店内を出ようとした。

すると、店員が呼び止めてきた。

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