第1話 プロローグ
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三百年前、女神アリファネスによる加護を授かった三人の勇者が魔王ゼロを死闘の末、なんとか倒すことが出来た。
この後、三人のうち二人は自分の国を築いたり、ある国の王女と結ばれたりと幸せだと思われるような記録が残っている。
しかし、残りの一人の勇者の記録は魔王ゼロを倒したと残っている書物しかない。誰かが意図的に消したのか、それとも実際は魔王ゼロとの戦いで死んだのではないかと学者達が推測している。
実際、その勇者以外の二人の記録が残されている書物は一般人に販売してるほど有名なのだ。なのに、一人だけ容姿や性別すら残されていない。
本当のことは女神と本人にしかわからない。本当の事実に気付くものはいないはずであった.....
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ここはアルフガレド大陸と呼ばれている。二人の勇者が王を務めていた二つの大国と亜人達のみで結成された獣人国、さらに、魔族たちのみで結成された魔国。後は小国が数十ヵ国あり、戦乱真っ只中の大陸である。
ちなみに、北にある大国はユリファニア王国と呼ばれている。勇者であり、建国王ラディアン・マクラーレンが人間至上主義を掲げ、人間以外は魔族と教えを今まで貫いてきた。これにより、亜人も獣人も奴隷以外の身分では国へ立ち入ることは許されないと国の規則に定められている。
一方、南の大国、エトルザレフ帝国は五百年ほど前に建国された、大陸で最も古い国と言われている。勇者ハジメ・アマザキが第一王女と婚姻を結び、後に王となる。特に差別が酷い訳では無いが、貧困層が多く、奴隷に堕ちる子供が多いと言われている。
この二つの大国はの間、つまり大陸の真ん中にはゲドラグル山脈があり、これを越えることはほぼ不可能に近い。簡単に理由を述べると、高くて、竜の住処で、とにかく険しい道である。これにより、山脈を越えることを考える国も人もいない。
しかし、二つの大国は魔王討伐が終わってから仲がどんどん悪くなり、数年後には周辺国も巻き込んだ戦乱となった。もちろんそれは今も継続している。つまり、未だに周辺国もとい、属国は徴兵を強要され、大国の奴隷として戦わされていた。三百年もの間、数え切れないほどの国がこれにより滅んだ。
この戦乱の中、何度も大国を退けた国があった。獣人国である。大国には人口で圧倒的に負けているが、元の身体能力では獣人の方が上である。そして、獣人は常に死を覚悟して戦に挑む。死を覚悟した兵は並外れた強さを持っている。よって、三百年もの間凌ぐことが出来ていた。だが、あの日までは......
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