プロローグ
初投稿ですがよろしくお願いします。ご感想など気軽にいただければ幸いです。
―君は世界を見たことがあるかい?
―あ、いやごめんね。まだ小さい君に問うことじゃなかった。とはいえ僕も見たことがないんだ。
―…なんだよその呆れた目は。旅人のくせにって思ってるんだろう?
―旅人だって人間さ。全部を見れるわけじゃない。多分一生かかっても見れないよ。
―それでも僕は世界を見たくてこうして旅人をしてるんだ。
―色んな人や街や生き物を見て、僕が生きた世界を誰かに伝えたら、それがまた誰かの世界と重なって、その誰かがまた伝えて…って、そうしたらほら、どんどん広くなると思わないかい?
―それでいつか、世界はどんなだっていうのを最後に聞いてみたい。
―ロマンチストだって? ロマンチストじゃなきゃ旅人になんてなろうと思わないさ。
―そうだな…じゃあ手始めに、君に僕が見てきたものを歌わせてくれ。本当は楽器があればいいんだけど、盗られちゃったからね。
―この歌が終わったら、また旅を再開しようかな。
―寂しそうな顔をしないでくれよ。出会いも別れも唐突さ。
―でも、いつか大人になった君にもう一度会いたいな。
―それでもう一度同じ質問をするんだよ。
―君は世界を見たことがあるかい? ってさ。