後編
随分間を空けてしまいました。待ってた人が居たらごめんなさい。
もうすぐ夏休みも終わり。
つまんないな、まだどっこも行ってないのにさ〜
秋川誠也ともうまく行ってて2人でどっか行くなんてないけどメールしただけですごく
楽しい。
友達に言わせてみればそれは好きって事らしいけど肝心のあたしは………
喋ってるだけで楽しい、そんな関係。
to 誠也
今度どっか行く〜?
もうすぐ夏休みも終わっちゃうよ〜
from 恵
しばらくして返信が来た。
to 恵
じゃあ今度遊園地行こう!
ちょうどチケットもあるし
じゃあ今度の土曜日に行こうか
待ち合わせ場所は姫桜駅で!
from 誠也
キャ〜〜〜〜〜〜〜!!!!めっちゃ嬉しい!!!
行く行く!!
と言う訳で、土曜日。
うーんとオシャレして姫桜駅に行った。
そしたらもう誠也が待ってくれていた。
「わ〜、待たせちゃった?」
「ちょっと」
「ゴメス」
「まあいいよ、電車に乗ろうか」
「うん!」
電車の中であたし達はよく喋った。
お互いの高校の話とか、先生の悪口なんかを。
その時、電車が『ガッタン』と揺れてあたしは誠也に倒れ掛かった。
「あ……ごめん」
「別にいいよ」
誠也は気にする風も無かったけどあたしは耳まで真っ赤だった。
遊園地に着くまであたしは真っ赤で何も喋れなかった。
そんなあたしを見て誠也はクスッと笑って、
「可愛い」
と言った。
そして遊園地に着くまで頭を撫でてくれた。
なんだか小さい子になった様な感じがしたけど、黙ってた。
遊園地に着くとそんな事も忘れてはしゃいで遊びまくった。
ジェットコースターでは誠也が怖がって怖がって乗りたがらなかったがあたしが無理やり
乗せた。
「ぎゃぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!!」
悲鳴と共に出発したが登り切る前に気絶したので反応が見れなくて残念だった。
最後はお決まりの観覧車………だけどあたし高所恐怖症、誠也にしがみ付いて乗った。
「ジェットコースターはOKだったのに何で観覧車はだめなの?」
「ジェットコースターは速くて下を見る暇が無いけど、観覧車はゆっくりで長いからどうしても
下見ちゃうの〜〜(汗」
「なんとなく分かる気はするけど…やっぱりジェットコースター駄目だ」
「怖がってる誠也可愛かった」
「電車で真っ赤になってたメグ可愛かった」
2人してクスクス笑った。
もう空は薄暗くなり始めていて何かが起こりそうな予感がした。
「街の明かりってきれい………」
「メグの方が綺麗だよ」
「えっ…………」
と言った途端、電気がふっと消え、観覧車は止まってゆらゆらした。
運悪く、あたし達のゴンドラはてっぺんでふらふらしていた。
「きゃ〜〜〜〜、高い!怖い!」
「大丈夫、俺がいるから」
「怖い怖い怖い怖い怖い…………」
泣き始めたとき、ふわりと暖かいモノが覆いかぶさった。
「……………誠也?」
「大好き、メグ大好き」
「誠也好き、あったかい」
「メグは俺が守るから、泣かないで」
涙でぐしょぐしょの顔を上げて頷いた。
「うん……………」
涙で濡れたあたしの唇に誠也が指を滑らせる。
その指を口に入れる。
「しょっぱい」
「涙だもの、しょっぱいよ」
「だね」
今度は誠也の唇があたしの唇と重なる。
もうすっかり暗闇の中、夏の夜空に大輪の花火が咲いた




