表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/8

どぅぁあい八話

気が向いたから更新

今回でチュートリアルの世界は終了です

 あの後。


 あの後、詳しい話を、深刻な話を、三人でした。


 アレックスはもう二度とこの世界には戻ることは無いということ。

 母親が拒否るなら諦めるとのこと。

 そして――アレックスは僕に付いていきたいとのこと。


 母親の返事は、快諾だった。


「いってらっしゃい、マコトちゃんを泣かせたら世界の壁を越えてぶん殴りに行くからね」


 とのことである。


 良い母親を持ったなぁ、アレックス。


「と、いうわけで、修行のためにこの世界でも最難関とも呼ばれる鬼ヶ島というところにやってきました」

「がくがくぶるぶる」


 鬼の頭の形を模した山を中心に、木々が生い茂っており、まるでジャングル。

 さらに雷雲が立ち込めるという、なんというかまあRPGのラストダンジョンみたいな雰囲気ですな。


「ま、まままマコト、いきなりここは無いんじゃないかな?」

「えー、強ければ強いほど倒したときの経験値高いんでしょ?」


 ならば選択肢は一つである。


 ゲームでチートを使うのは嫌いだが、生憎これは現実だ。

 チートがあるなら存分に使わせてもらおう。


「はい、というわけでアレックス、じっとしてろよ」

「な、何を……?」


 魔力を掌に込め、集中する。


 攻撃防御素早さ賢さ精神運火耐性水耐性風耐性土耐性その他もろもろが全てMAXまで上昇する呪文を想像する。


 そう、その名は――


「ジゴキルト!」


 今命名! である。


 呪文を唱えると、アレックスの身体は黄金色に輝き始めた。


「す、……凄い、今なら誰にでも勝てそうだ」

「ふふん、僕の最強の呪文だからね(おそらく)」

「そんな凄いのをこんな序盤で……」


 しかし、大分魔力消費が激しいな……。

 使えるのは一日一回か二回だな。


「さ、突撃だ! 今ならどんな鬼が出ても大丈夫だろ!」

「はい! いってきます!」


 黄金色に光るアレックスは瞬時にジャングルの中に飛び込んで行った。


 さて、と僕はバリアでも張って寝よっかな。







*****






 修行四日目。


 鬼ヶ島に出る鬼は常軌を逸してる程強く、ジゴキルトのおかげで凄まじいペースでアレックスは鬼を退治してるというのに、いまだにジゴキルト無しでは倒すことができない。


 まーそれでもアレックスは充分強くなっている。RPG的に言うとレベル60台だろうか。ちなみに鬼はレベル90台。


 そんな差があっても鬼を圧倒できるのはジゴキルトのおかげだろうなー、すげー、ジゴキルトすげー。


 お、空に黄金色の物体が浮いてる。アレックスかな。

 あいつ空飛べたっけ……。おお、空中を蹴って飛んでる。

 某海賊漫画の月歩か。


 ん……? 誰かと闘ってるな……、なんだあれ、緑の体色で、綺麗な衣を纏ってる……。


 ピッコロ……なわけないよな。

 あ、倒した。


 なんだったんだろ、今の。






*****






「風の神とやらを倒したぜ!」

「…………」


 え。


「どういうこと……?」


 時は修業後の夜。

 場所は僕のバリアの中。


 アレックスはニコニコと嬉しそうにそう言った。


「なんかさ、鬼を乱獲してたらこの島に住んでた風を司る神様に怒られちゃって」

「ふんふん」

「それで色々あってそいつと戦うことになって、勝ったら風の力をプレゼントしてやろうとか言われて」

「ふむふむ」

「勝っちゃった」

「…………」


 アレックス……たくましくなったね。


 なんか背も大きくなった気がするし、年も10行ってない筈なのに戦士の風格が付いて来てるよ……。


 主に僕の仕業だが。


「これで明日からはジゴキルト無しで戦えそうだよ! マコトにも負担かけなくて済むね」

「あー、うん……」


 ていうかもう修行する意味あるのだろうか。


 あれだ、気分は1番道路で最初のポケモンを90レベルまで育てた気分だ。


「そうだな、もう修行の必要も無いか」

「……! それって……」

「うん、もう次の世界に行こう」


 時間は無限ではないのだ。


 世界が崩壊する前に、救いに行かなければならない。


 僕の使命だ。


「どうする? 最後に母親に会ってく?」

「……いや、いいや。会うと、泣いちゃいそうだ……好きな人の前でそんなことできない」


 ……うん? 聞き捨てならない言葉が聞こえたような気がするぞ?


 こう……ボソっと言った感じだから聞こえないと思ったか! だとしたらそれは大間違えだ!


 でもま、聞こえなかった振りをしておこう。うん。


 そういえばアレックスって僕のこと女の子だと勘違いしたままなんだよな……。


「じゃ、次の世界にしゅっぱーつ!」


 そう宣言した途端、青く光る扉が目の前に現れた。


 これが、次の世界に続く扉だろうか。


「アレックス、これを越えたら――」

「大丈夫だ、もう覚悟はできてる」


 絶対にマコトは守り通す。

 そう、力強い言葉を貰った。


「――そうか、期待してるよ、僕の騎士」

「では、期待に応えれるよう、全力を持って護らせてもらおう、姫」


 姫、か。まあいいや、もう慣れた。


 さ、次の世界にレッツゴー!







*****






 白い、ただ白いだけの空間に、小さい爺さんが居た。


 この爺さんこそがマコトを異世界に送り込んだ張本人、いや、張本神。


「さて、マコトが次に向かう世界は……あ」


 スマートフォン型の機械を操作しつつ、爺さんは、一人ごちる。


「これはこれは……面白くなりそうじゃの」


 機械の画面に映し出された文字は、マコトに見せたら卒倒しそうなものであった。


「『ショタコンとロリコンしかいない世界』か……わしにはマコトが神様として崇められる未来しか浮かばんのぉ」





ちょっと急展開っぽかったかな?

まあいいか、気分転換用の自己満足小説ですし

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ