用語集・世界観
こちらも逐次追加予定です。
・帝國国防軍
大日本帝國軍が戦後、改変された新設軍。統帥権を放棄し、統合国軍省の元に内閣総理大臣を最高司令官とする(シビリアン・コントロールを従事している)。陸・海・空の三軍及び国防海軍陸戦師団から編制されている。現在、世界でも極めて優秀かつ大規模な軍隊として名をはせている。なお、現在帝國では二年の兵役の義務がある。
・国防海軍陸戦師団
国防海軍傘下の軍。米合衆国海兵隊をモデルとした常設軍で、師団単位で運用される。戦車などの戦闘車両も保有。主任務は、占領された帝國領土(特に島嶼)の奪還のための敵前上陸。
・海上治安維持機構
通称「SPO」。旧帝國海軍海上護衛総隊を改変した組織。准軍組織であり、軍隊ではない。当然、機構隊員(機構員)も軍人ではないが、階級は存在する(なお、SPOの階級制度は史実の海上自衛隊と同じである)。日本領海の警備やシーレーンの警備を行う。運輸省の管轄下にあるが、戦時は国防海軍の傘下となる。装備は、主に国防海軍からの旧式巡洋艦や駆逐艦・潜水艦を払下げて得ているが、SPO専用の造船所も横須賀に存在し、そこで巡視船や消防船・救助船などが建造されている。なお、SPOの部隊は哨戒地方隊と哨戒航空団に大別される。
・近衛隊
旧近衛師団を改編した准軍組織で、宮内省に属する。そのため正規の軍隊ではなく、准軍組織と警察組織の中間の様な組織である。主任務は皇居や皇室の警護で、総人数も一〇〇〇人程度と縮小されている。
・連合艦隊
有事に組織される非常設艦隊。帝國国防海軍の代名詞となっており、天皇の命令のみで設立される。なお、平時でも大規模演習で設立されることがあり、その場合は首相の命令でも設立可能。通称「GF」。
・幕僚
指揮官に直属し、参謀事務に従事する者のこと。旧軍では“参謀”と呼んでいた。参謀長、首席(先任)幕僚の他、砲術、水雷、通信、戦闘、航海、気象などの様々な職があり、司令部によって配置職も人員も異なる。また、航空幕僚も「航空甲幕僚」と「航空乙幕僚」と二人いることもある。また略称は旧軍のままで、例えば通信幕僚は「ツサ」と略称される。
・防衛艦隊司令部
三個常設防衛艦隊を纏める組織で横須賀に居を構え、海上司令部は巡洋艦『大淀』に置いている。大抵の場合は単に「防衛艦隊」或いは「DF」と呼ばれる。統合国軍相直属の組織で、防衛艦隊司令長官は海軍実戦部隊の実質的トップである。
・統合国軍省
通称「国軍省」。陸軍省と海軍省が合併して新設された省庁。読んで字の如く、日本帝國の国軍を管轄し、防衛を担当する。陸軍部・海軍部・空軍部に分かれており、情報局などの外局も存在する。トップは統合国軍相である。
・幕僚本部
統合国軍相直属の最高幕僚機関で、統合・陸軍・海軍・空軍の四つの幕僚本部が存在する。各幕僚本部のトップは幕僚長で、作戦立案や教育訓練・装備・人事などを管理する計画の立案を行う。
・統合国軍省情報局
通称「統情」。或いは単に「情報局」とも言う。米合衆国でいうCIAとFBIを統合したような組織で、国防に関わる情報を一元管理・統括する。諜報組織でもあり、優秀なエージェントが数多く所属している。が、気象情報や地理情報、科学情報なども担当しており、職員も全員軍関係者と言うわけではない。三軍や内務省・外務省などの各諜報機関のトップでもあり、それらの情報は全てこの局に集積され、評価分析される。
・海洋観測部
統情の部の一つで、その名の通り、海洋関係の情報を統合する部。専用の観測艦や潜水艇を保有している。制服はブルーのラインが入った、白を基調としたシャツと帽子、スラックス。全部で五つの課があり、一課は海象・海流観測、二課は海底観測、三課は海洋情報研究、四課は海洋技術開発、そして戦闘部隊である五課がある。が、五課の存在は一般には知られていない。
・海洋観測部第五課
通称「海洋五課」。統情の特殊部隊の一つで、海賊狩りを専門とする治安維持戦闘部隊。隊員は軍人ではないが、元陸戦隊員などのエリートが多く所属している。また、表向きは海洋一課から四課の職員の皮を被っており、実際そう言った知識や設備を保有している。配属されている人数は、支援要員を含めても100人以下。
・鎮守府
帝國国防海軍の陸上司令部のこと。それぞれ特定の海域(海軍区)の防衛や警備を担当し、所属戦隊や艦隊の監督などが任される。各鎮守府施設にはCICや地下第二司令部があり、さらに移動時に備えての洋上司令部(統合指揮艦)などが配属されている。現在は、大湊(北鎮)・横須賀(横鎮)・呉(呉鎮)・佐世保(佐世鎮)・舞鶴(舞鎮)の五つの鎮守府が設置されている。
・アジアオセアニア連合
通称「UNAO」。戦後に創設された国家連合体。経済・技術協力と相互防衛を基本理念としている。加盟国は物語開始時点で日本帝國・大韓共和国・中華民国(北中国)・中華連邦(東中国)・台湾民主連邦・タイ王国・フィリピン共和国・インドネシア共和連邦・ビルマ・マレー・独立シンガポール共和国・インド・オーストラリア・ニュージーランド。なお、日本帝國が永世常任理事国となっているが、言い換えれば唯の“司会役”であり、それほど権限は持たない。本部はシンガポール。有事の際は、各国が一定の戦力を出し合い、“UNAO軍”を設立する。なお、UNAO軍は、平時にも小規模ながら存在し、軍総司令部はインドネシアのジャカルタに置かれている。
・国際連合
通称「UN」。戦後に創設された国家連合体。UNAOと違い、その範囲は全世界にまで広がっている。常任理事国はアメリカ合衆国・英連合王国・フランス・中華人民共和国・大日本帝國。準常任理事国がドイツ民主共和連邦・ロシア共和国。本部はハワイにある。しかし、中華大陸での冷戦のおかげもあってか、現在はほとんど機能していない。
・警備戦隊群
第一防衛艦隊・第二防衛艦隊のいずれにも当てはまらない艦隊で、沿岸警備・護衛・対潜掃討などが主任務の艦隊。計二三個の警備戦隊群が存在し、横須賀の警備HQが統率する。防衛艦隊とは命令系統が異なり、大抵の場合、配属先の司令部――台湾なら台湾派遣軍HQ――に指揮権がある。其々の警備戦隊群は二個警備戦隊から成り、一個警備戦隊は駆逐艦四隻か海防艦四隻、時にはこれに小型空母や回転翼機母艦(ヘリ空母)などが加わり編制される。通称「警戦群」。
・第一防衛艦隊
国防海軍の常設艦隊の一つ。大型空母を中心とした航空戦隊群で編制されている。現在、世界最強の艦隊という呼び名が高い。なお、聯合艦隊は有事の際、一防艦を中心に編成される手筈となっている。その戦力は圧倒的で、帝國の代名詞にまでなっている。通称「一防艦」。
・第二防衛艦隊
国防海軍の常設艦隊の一つ。中型・小型空母から成る航空戦隊群・戦艦部隊・水雷戦隊群で編制されている。第一防衛艦隊の補助戦力としての役割が強い。なお、二防艦の中型・小型空母は順次除籍されつつあり、現在は徐々に最新鋭中型空母・高速戦艦・巡洋艦主体の高速機動部隊への再編成が進められている。通称「ニ防艦」。
・第三防衛艦隊(潜水防衛艦隊)
国防海軍の常設艦隊の一つ。潜水艦・潜水母艦・旗艦巡洋艦・潜水救難艦などで編制される艦隊。潜水戦隊群で編制されている。日本帝國国防海軍の“陰の主力”であり、その名は一防艦並に有名。通称「三防艦」。
・独立戦術大隊
表向きは高度な展開性とマルチな任務をこなせる多用途性の両立を目指した部隊編制だが、実態は次世代陸軍戦術や新兵器を運用・研究するための実験部隊。帝國国防陸軍では六個設立されている。優秀な装備と人材が集められるエリート部隊。
・国防大学校(国防大学)
戦後に設立されたばかりの新教育機関。陸・海・空の三軍の高等教育機関が合併した形となっている。合併しているのは、三軍の仲違いを防ぐためと、三軍に精通した普遍的な知識を持たせるため。神奈川の第一国防大学、神戸の第二国防大学がある。ちなみに共学。ここを卒業すると、無条件で少佐待遇が得られる程の難関教育機関で、将官に出世することを目指す者には登竜門である(ただし、国防大学出身しか将官になれないわけではない)。
・国防高等学校(国防高校)
国防大学のワンランク下に位置する教育機関。所謂“将校・士官”を育成するための学校で、国防大学と同様、陸・海・空の三軍が合併している。ここを卒業すると、少尉に任官される。第一国防高校は木更津(千葉)、第二国防高校は江田島(広島)にある。
・国防将兵学校
通称「兵校」。三軍の志願者・徴兵者が集い、教育を受ける機関。陸・海・空の三軍が合併している。釧路(北海道)・土浦(茨城)浜松(静岡)・能登(石川)・サイパン(南洋諸島)・平戸島(長崎)の六校があり、其々第一~第六国防将兵学校となっている。
・中華民国(北中国)
中華三国の一つ。首都は北京で、史実でいう満州から山東・河南方面までを領土とする国。最西端は陝西。UNAOに加盟しており、日本帝國とは同盟関係にある。国民党による独裁政治が行われているが、現在は善政を敷いている。
・中華連邦(東中国)
中華三国の一つ。首都は南京で、最南端は浙江、最西端は重慶、最北端は江蘇までを領土とする国。UNAOに加盟しており、日本帝國とは同盟関係にある。元は、日本の支援で中立派が建国した国であるが、中華民国との関係は良好。三国の中でもっとも親日国で、日本の支援により国力も最も高い。連邦制を採用している。
・中華人民共和国(南中国)
中華三国の一つ。首都は成都で、二国中国以外の領土を持つ。三国の中でもっとも国土が広いが、近代化には遅れている。UNAOを“悪の枢軸”とし、残る中国二国とは対立関係にある。中国共産党による独裁政治が行われている。
・大韓共和国(韓国)
史実と違い、独立を保っていた(正確には一時期日本帝國が占領)大韓帝国が、国号を改変して成立した国家。UNAOに加盟しているものの、国内に多数の反日勢力を抱えている。そのため、帝國やUNAO諸国との関係は悪化し続けている。そのため、孤立主義に走りつつある。国軍は共和国警備軍で、日本帝國を見習う形で民主化がすすめられているが、未だに終身大統領制の独裁国家の色が強く、王政復古派勢力も根強い。首都ソウル。帝國からは、皮肉をこめて「閉じた国」とも呼ばれている。
・大韓共和国警備軍
大韓共和国の常設軍。警備軍と呼ばれているが、実態は国軍である。陸上・航空・水上の各軍から編制される。装備は日本帝國製が大部分を占めており、帝國の軍事顧問団も数多く派遣されたが、共和国内での反日運動の激化に伴い、帝國からの兵器供給はストップし、軍事顧問団も軒並み帰国している。そのため現在はロシア共和国に接近しているが、日露関係上、芳しい成果は得られていない。
・台湾民主連邦
帝國領台湾が、戦後に独立して建国された国。UNAOに加盟している。民族ごとに居住区域を設定した連邦制を採用している。首都は台北。国防の大半を帝國に委ねているが、陸・海・空の三軍の整備に積極的に取り組み、小型空母を始めとする艦隊や航空団を保有している。中華人民共和国とは非常に険悪な関係にある。
☆本作における日本帝國領土
カムチャッカ半島及び周辺地域・樺太・千島列島・沖縄を含む日本列島・マーシャルを含む南洋諸島・セイロン島(インドより租借中・現スリランカ)
☆日本帝國の歴史
日露戦争の辛勝以降、大陸進出を諦め、内需増強に専念。海洋貿易国家として成り立つ。
第一次大戦は連合軍に参加し、南洋諸島を獲得。また、ロシア赤色革命ではシベリア出兵をせず、国力増強と近代化に務める。
第二次大戦は史実通りに始まるも、ソ連と共に中立を貫き(大陸進出はしていないため、日中戦争も起こっていない)、戦争によって特需をあげ、高度成長を成し遂げるも、その方針に他先進国が反発。一方、ソ連の中立のため、欧州大戦は長期戦となる。
日本の“一人勝ち”(急成長)に警戒した米合衆国では、貿易摩擦もあってか反日感情が高まり、ウォーレス大統領は偽装工作により、日本の輸送船攻撃をでっち上げて宣戦布告する(1945年4月10日)。
その後、日本の徹底した守勢と兵站線叩き、空母航空団と基地航空軍の連携により、合衆国は西太平洋の制海権を喪失。後に英連合王国が合衆国側に立って参戦するも、艦隊は壊滅し、セイロン島や東南亜細亜の植民地を失う。
そして、1947年7月9日に枢軸国が降伏。しかし、スターリン率いるソ連は、漁夫の利を得るために英国・仏国などに宣戦布告。欧州侵略を開始する。慌てた英国は対日戦争を早々に切り上げ、インドやビルマ・オーストラリアなどが英連邦より離脱した。
一方、太平洋ではハワイが陥落し、合衆国内でも「ソ連討つべし」の声が高まる。
そして1948年3月7日、太平洋戦争は終結する。
その後、日本帝國は連合国軍に参加。新生ドイツ民主共和国などもこれに加わり、対ソ戦が幕を開ける。
そして1953年12月17日、スターリン死亡によりソ連が解体。
・四四式中爆撃機“飛龍”
双発の中型爆撃機。元は重爆に分類されていたが、帝國国防空軍設立(そして富嶽の配備開始)と同時に、中爆に変更された。海軍仕様機は“靖国”と呼称される。
・四式戦闘機“疾風”(高等練習機“疾風”)Ⅲ
高性能な戦闘機だったが陳腐化が進み、現在では高等練習機として活躍している。が、他国にも輸出されており、そちらでは第一線で働いている。なお、Ⅲ型は国防海軍のターボ・プロップ戦闘機“陣風”に倣い、二重反転プロペラを採用している。