リビングルームの三者会談:ミサイルとマスゲームの衝撃
いつもより、少しだけ賑やかな日の記録です。
お友達が増えると、それぞれの個性が見えてきて、見ているだけでも面白いのですが……
今回は、ちょっと不思議な光景に出会いました。
遊んでいるだけのはずなのに、なぜか「揃ってしまう」瞬間があって。
言葉ではうまく説明できないのですが、
ああ、こういうことってあるんだな、と。
そんな一日の様子を、そっと書き残してみました。
平和だった床の上に、突然、それは現れました。
一本の、やけにまっすぐな“棒”。
その持ち主は、どっしりと座り込んだ赤ちゃん。
髪は不思議と整っていて、
周りの子が動くたびに少しずつ乱れる中で、
彼だけが、ずっと同じ形のままでした。
まるで、最初からそこに固定されているかのように。
彼は無言でそれを床の中央に立てると、満足げに頷きました。
「バブ……!」
合図のようでした。
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次の瞬間、空気が変わります。
彼がラジコンをゆっくりと動かすと——
不思議なことに、周りの赤ちゃんたちも、同じタイミングで体を揺らし始めました。
右へ。
左へ。
一拍遅れて、また右へ。
誰かが指示したわけでもないのに、
気づけば全員が、同じ角度で、同じ速さで、同じように揺れている。
一人が止まると、全員が止まり、
また動き出すと、同じように動き出す。
——ぴたりと、揃っている。
笑っている子もいれば、無表情の子もいる。
けれど動きは、すべて同じ。
まるで、表情だけがそれぞれに残されていて、
体はどこか別の場所に預けてきたかのようでした。
その中央で、彼は何も言わずに立っています。
ただ、少しだけ顎を上げて。
それだけで、十分だったようです。
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それを見た我が家のCEOが、ぴたりと動きを止めました。
そして——
「カベ……!カベヲツクレ!」
即座に、積み木をかき集める。
迷いなく、一直線に積み上げる。
さっきまで何もなかった場所に、あっという間に“境界”が生まれました。
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そこへ、報道官が滑り込むように前へ出ます。
「ダメです!ダメです!それはダメです!」
一歩、前に出る。
「それ、ここにおけません!ダメです!」
少し噛む。
「ここは、あぶないです!あぶないです!」
自分でうなずく。
「だから、そこは、ダメです!」
——とにかく止めたいらしい。
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しかし、ミサイル好きの彼は止まりません。
むしろ楽しそうに、リズムに乗りながら、次の“棒”を探し始めます。
一本。
また一本。
気づけば、床の中央には、静かに数が増えていました。
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そのときでした。
CEOが、さらに高く積み上げようとして——
崩しました。
「カベ……!クビだ……!」
何が気に入らなかったのかは分かりません。
ただ、やり直しです。
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空気が張り詰めます。
報道官は両手を広げ、
ミサイル好きの彼は新しい棒を見つけ、
周りの子たちは、まだ揃って揺れている。
——どう考えても、収まりません。
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私は、静かに皿を差し出しました。
たまごボーロ。
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その瞬間。
すべてが止まりました。
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CEOは一番大きな粒を掴み、
報道官はそれを見て一度うなずき、
ミサイル好きの彼は、ボーロを“先端”に乗せて満足そうに眺めています。
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気づけば、誰も争っていませんでした。
ただ、静かに、ボーロを食べている。
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平和は戻りました。
ほんの、ひとときだけ。
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その足元で。
さっき立てられた“棒”は、まだ一本も倒れていませんでした。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
この日は本当に、静かに見えて、妙に印象に残る一日でした。
みんなそれぞれ自由に遊んでいるはずなのに、
気づくと同じ動きをしていたり、同じ場所に集まっていたりして——
子ども同士の世界には、大人には見えない「流れ」のようなものがあるのかもしれません。
最後はおやつで落ち着きましたが、
ふと足元を見ると、さっきの遊びの“名残”がそのまま残っていて。
あれは、ただの遊びだったのか、
それとも、もう少し違う何かだったのか。
少しだけ、考えてしまいました。
また次のお話でお会いできたら嬉しいです。




