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非凡な二人組  作者: 柳仁楓音


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10/10

10.天才と俺ー中編:2:ー

 「やっべーーっ!!早く買わないと食べる時間なくなっちゃうぜっ!」

4階の教室からダッシュで階段降りて、やっと1階まできた。ここから購買部まではもうちょっとだ!

職員室の手前まできたところで、見覚えのある人が職員室の扉から出てきた。


あれは…、あっそうだ!田中先生だ!


「田中せんせー!!」


俺は手を振りながら田中先生に駆け寄る。

ちょこちょこ顔は見かけるけど、話すのは1か月ぶりとかかもしれない!

田中先生はちょっと疲れてるように見えたけど、にっこりと笑って返事した。


「やあ、高橋さん。科学作品展の準備は進んでる?」


「おう!ファミレスとか亀の家とか行って頑張ってるよ!」

俺はホントにただ亀と話してるだけなんだけど、亀は順調だって言ってたな。

最近は亀の家に行くことが多いな。亀の家は、けんすけと一緒に帰ってるときによく話になってた、ものすっっっごく大きい豪邸だった。びっくりしすぎて家の前で叫んで、道歩いてたおばちゃん驚かせたっけな。


田中先生は少し困った顔をした。


「家より学校で頑張った方がいいと思うけど。部活動は学校でやるのが妥当だよ。」


「んー、でも亀の家の方がでっかくて広いぜ?」

田中先生にも見せたいくらいだ。実験に使うビーカーとかもたーくさん置いてあったし。

けれど先生は変わらず困り顔で話す。


「でもそれは部活になってないんだぞ?亀井のためにもならないんだ。」

部活、というところを強調して言っているように聞こえた。


「そうなのか、亀に言ってみるよ!」

まあ、考えてみれば、部活って学校でやるものだもんな…。

先生も学校の仕事で部活の顧問やってるし、いろいろ困ってしまうのだろう。


先生は俺の返事で一気に明るい表情になった。だがしかし。話は終わらない。


「あ、そういえば。亀井さんがね、困っていたよ。まったく作品準備が進まないってさ。」


「うえっ!マジなのか!」

亀は表情を読み取りにくくて何考えてるかわかんないけど、俺の軽いひとりごとも聞き流さないってくらいの威勢でいるのはわかる。圧で。


「そんな風には見えなかったけどな…」

先生は俺の返事に軽く答えた。


「たぶん、君に話を合わせているだけだと思うよ。彼はほかの人と科学作品を制作したいんだと思うな。」


俺には、その言葉が重く聞こえた。

ああ、そっか…。それなら、ありえるなぁ。

急に廊下の風景がくすんでいった。


「そ、そうなのか…。まあ、そうだよな。俺とだと、やっぱり疲れるのかもな…。」

自然と足元を眺める俺は、たらたらと自分から流れ出てくる言葉に、心臓がキュッとなる。

こういうの、なんていうか…、いたたまれないって感じだ。


「わかった。俺助っ人やめるよ。俺からだと言いづらいから、田中せんせーが亀に言ってくれる?」


「そうか…。わかったよ。さみしくなるね。」


先生にひと言預けたあと、俺は廊下を歩いた。

ああ、もう購買は間に合わないな…。教室に行こう。

歩きながら、こぶしには力がこもっていった。


迷惑なら迷惑って言って…、いや、そもそも、誘ってこなきゃよかったんじゃ…。

いや、逆張りで天才少年って言ってくる大人もいたもんな。亀もそんな感じだったのかな。


…自分のバカさ加減は自分でわかってるよ、。

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