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#2 線にならない約束
タイトルは、AIが考えました。
ある日の放課後、また僕たちは美術室に残って
人物画を書いた。教室の窓から夕日が
差し込み、翼の髪がオレンジ色に透けて見える。
「えっと……じゃあ、そのままでいてくれる?」
「うん。こっちは何も喋らない方がいい?」
「どっちでもいいよ」人物画を書きながら話が弾む。
カバンからスケッチブックを取り出し、
楽しそうな翼を見ながら、人物画を描いている。
こんな体験は、初めてだ。
少しずつ筆を動かし始める。
でも、やっぱりなかなかうまくかけない。
人物画を描くことに集中していた僕に、翼が話しかけてきた。「翔くんって、人物画、苦手なんだよね?」
僕はドキッとした。まるでこころの奥を覗かれた感じがして、急に筆を止めた。
「どうしたの?苦手ならさ、これからも私が モデルになってあげるよ?少しずつ、慣れていこうよ。」
「え?」
「翔くんが、人物画を上手に描けるようになるまでね。約束するよ。」
笑顔でそう言った翼は、いつもよりも
遠くを見ているような気がした。
(#3に続く)