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異世界転生×ユニークスキル 武器使い ありとあらゆる武器を使いこなして無双する!?  作者: 月神世一
第二章 新たな若鷲

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ep 19

ラッキー・ストライカーズ、古遺跡の門と新たなる役割分担?

アルクスの街から南へ、馬車道を外れて深い森の中を進むこと半日。鬱蒼とした木々が陽光を遮り、道なき道を進むアレンたちの周囲には、文明の気配が全く感じられなくなっていた。コハクがその優れた嗅覚と聴覚で先導し、ボルガンは時折コンパスで方角を確認しながら、レミーラは不安げに周囲を見回し、そしてアレンはそんな三人をまとめながら、ひたすらに歩き続ける。

「ルナさんの地図によれば、この辺りのはずなんだけどな……」アレンが、羊皮紙の地図を広げて呟いた、その時だった。

「おーい、アレン! あれ、見てみろよ!」

先頭を歩いていたコハクが、興奮した声で前方を指差した。彼女の視線の先、深く根を張る巨大な木々と、蔦に覆われた崖の間に、明らかに人工物と分かる巨大な石造りの門が、その姿を半分土に埋もれさせながらも、厳かに佇んでいた。

「これか……マルスス遺跡……」アレンは、息を呑んだ。

何百年、あるいは千年以上の時を経てきたであろう石門には、風雨に晒され、もはや意味を読み解くこともできないほど摩耗した古代の紋様がびっしりと刻まれている。門の周辺だけが、まるで時が止まったかのように、不自然な静寂に包まれており、その奥からは、ひんやりとした、そしてどこかカビ臭い空気が流れ出してきていた。

「ハッ! この殺気……間違いないぜ! この奥には、とびっきり強いモンスターがいるに違いねぇ! あー、楽しみだぜ!」コハクは、腰の両手剣に手をかけ、その琥珀色の瞳を好戦的な光で爛々と輝かせている。

「フン、古代の石造建築か。なかなか見事な造りじゃな。これほどの石を切り出し、組み上げる技術……。オイラの『轟鉄 Mk-II』の火力をもってすれば、一撃で破壊できるかもしれんが、それは少し勿体ない気もするわい」ボルガンは、職人の目で遺跡の構造を分析しつつ、不敵な笑みを浮かべた。その思考は、常に愛機が基準だ。

「はわわ……。なんだか、見ているだけで吸い込まれそうですの……」レミーラは、遺跡が放つ荘厳かつ不気味なオーラに気圧され、アレンの服の裾をぎゅっと握りしめた。

仲間たちの三者三様の反応に、アレンは苦笑しつつも、自らの気持ちが高揚していくのを感じていた。未知なる遺跡、古代の秘宝、そして強力な魔物。これぞ、冒険者が夢見るロマンそのものだ。

しかし、その高揚感に水を差す、ある重大な懸念が、アレンの脳裏をよぎった。彼は、遺跡の入り口、その床に不自然に並んだ石板の一つを指差した。

「そういや、思ったんだけどさ……。遺跡って言ったら、やっぱりつきものだよな。罠とか、仕掛けとか。そういうの、誰が解除するんだ?」

アレンのその、至極もっともな問いかけに、それまで興奮していた三人の動きが、ピタリと止まった。

そして、三人は示し合わせたかのように、一斉にアレンの方を指差した。

「「「アレン(君・だろ?)」」」

「いや、ちょっと待って!? なんで僕がやる前提なの!? 僕はパーティーのタンクで、前衛で戦うのが役目だからな!」アレンは、慌てて反論した。

「アレンが一番器用そうだからだよ。それに、アタイはアタッカーだしぃ~。細かい作業は性に合わねえんだ」コハクは、まるで当然のように言ってのけ、両手剣の柄をポンと叩いた。

「フン、オイラの『轟鉄 Mk-II』がパーティーの主火力であることは、疑いようのない事実。そのオイラに、罠解除などという地味な作業まで求めるなんて、贅沢という物だ!」ボルガンも、ふんぞり返って言い放つ。

「わ、私は、まだ賢者の卵ですから……。魔法の理論や回復は得意ですけど、そういう物理的な仕掛けは、その、専門外でして……」レミーラも、申し訳なさそうに、しかしきっぱりと首を横に振った。

タンク兼リーダー、アタッカー、後衛魔法使い兼ヒーラー、そして遠距離砲撃手。見事に役割分担されたパーティーだと思っていたが、そこには致命的な穴があった。斥候や罠解除を担当する、いわゆる「シーフ」や「ローグ」的な役割の者が、このパーティーには一人もいなかったのだ。

そして、その面倒な役目は、消去法で、器用で、真面目で、なんだかんだで押しに弱いリーダーのアレンに押し付けられようとしていた。

(嘘だろ……。僕の役目、タンク兼リーダー兼ダメージ調整役兼ツッコミ役兼、今度は罠解除役まで追加されるのか……!?)

アレンは、頭を抱えて天を仰ぎたくなったが、三人の「当然でしょ?」と言わんばかりの澄ました顔を見て、早々に議論を諦めた。

「……まぁ良いや。行こう、行こう」

結局、アレンは大きなため息を一つつくと、片手剣の切っ先で地面を慎重に探りながら、パーティーの先頭に立った。その背後を、コハクとボルガンは楽しそうに、レミーラは申し訳なさそうに、しかし全員がアレンに全任せでついて来る。

カラン…と、アレンが蹴った小石が、遺跡の暗闇に吸い込まれていく。その乾いた音が、これから始まるであろう困難な道のりを予感させていた。ラッキー・ストライカーズの、新たな役割分担(主にアレンの負担増)が決まった瞬間だった。

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