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異世界転生×ユニークスキル 武器使い ありとあらゆる武器を使いこなして無双する!?  作者: 月神世一
武器使いの勇者

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43/64

ep 43

英雄の帰還、アルクスの祝福、そして永遠に続く愛の詩

暗黒竜ヴァリウスの断末魔の咆哮が、アルクス大平原の焦土に虚しく木霊し、その巨体が光の粒子となって消滅した瞬間、セレス王国、いや、あるいは世界そのものを覆っていた絶望の闇は、まるで夜明けの光に駆逐されるかのように、完全に晴れ渡った。リュウとセーラは、満身創痍の体を引きずりながらも、互いを支え合い、英雄として、そして勇者として、アルクスの街へと凱旋した。

人々は、奇跡の生還を果たした二人の姿を認めると、堰を切ったように歓喜の声を上げ、その道を祝福の花吹雪で埋め尽くした。家々の窓からは色とりどりの布が振られ、吟遊詩人たちは即興で二人の英雄譚を歌い上げ、子供たちは目を輝かせながら「リュウ!」「セーラ!」と、その名を叫び続けた。

「ありがとう……! 本当に、本当にありがとう……!」

「あなたたちがいなければ、私たちは……! このアルクスの街は……!」

市民たちは、涙ながらに二人に感謝の言葉を贈り、その比類なき勇気と力に、最大限の敬意と称賛を惜しみなく送った。リュウとセーラは、その熱狂的な歓迎に、疲労困憊の極みにありながらも、心からの笑顔で応え、人々の温かい祝福の言葉の一つ一つを、その胸に深く刻み込んだ。

魔王とその軍勢が完全に消滅し、世界に真の平和が訪れてから、人々はゆっくりと、しかし確実に、それぞれの穏やかな生活を取り戻していった。焦土と化した大地には再び緑が芽吹き、破壊された街や村も、人々の力強い手によって、以前にも増して美しく再建されていった。

そして、リュウとセーラは、この世界を救った英雄としての喧騒が少し落ち着いた頃、再び新たな旅に出ることを決意した。

「私たちの戦いは、まだ完全に終わったわけじゃない」夕焼けに染まるアルクスの丘の上で、リュウはどこか遠くを見つめるような目で、隣に立つセーラに静かに言った。

「魔王は倒された。だが、奴がこの世界に残した邪悪な爪痕は、まだ完全に癒えてはいないはずだ。魔王の残党が、世界のどこかで息を潜め、再び悪事を働こうとしているかもしれない。そして、あの永く続いた戦いで傷つき、今もなお苦しんでいる人々が、まだこの世界のどこかにたくさんいるはずだ。俺たちは、その全てを見届ける必要がある」

「ええ、リュウ。おっしゃる通りですわ」セーラは、リュウのその言葉に、深く、そして優しく頷いた。「行きましょう。この世界に、本当の意味での平和と、そして全ての人々の心からの笑顔が戻るその日まで。私たちの冒険は、まだ始まったばかりですものね」

二人は、互いの手を固く、そして優しく取り合い、新たなる、そしておそらくは最後の平和への旅へと、アルクスの街の仲間たちの温かい見送りを受けながら、再び出発したのだった。

そして…数年の歳月が、アルクスの大地を優しく撫でるように流れた。

リュウとセーラは、その卓越した力と、決して諦めない不屈の魂で、世界各地に散らばっていた魔王の残党を全て討伐し、あるいは改心させ、この世界に、誰もが心から安らげる、真の、そして永遠に続くであろう平和をもたらした。

そして二人は、多くの冒険と、数えきれないほどの出会いと別れを経験した後、かつてS級冒険者への道を歩み始めた思い出の地、アルクスの街の、あの見晴らしの良い丘の上に建てた小さな家へと、ようやく戻り、そこで静かに、そして幸せに暮らしていた。

ある穏やかな春の日の夕暮れ時、リュウは畑仕事で少し汚れた手を洗い、愛する家族の待つ我が家へと戻った。「ただいま」

その声に、家の中からパタパタと可愛らしい小さな足音がいくつも聞こえてきて、そして次の瞬間には、セーラと、彼女によく似た優しい瞳を持つ長女、そしてリュウの快活さを受け継いだやんちゃな双子の男の子、合わせて三人の愛しい子供たちが、満面の笑顔で彼を迎えてくれた。

「パパ! おかえりなさい!」

「パパ、お帰りー!」

子供たちは、まるで小さな弾丸のようにリュウに駆け寄り、その太い足に力いっぱい抱きついた。

「おっとっと。パパ、今日のお土産はあるのかな?」長女が、少しおませな口調でリュウを見上げる。

「もちろんあるぞ。今日は、市場でとびっきり甘い蜂蜜が手に入ったんだ。それと、お前たちが大好きな木苺もな」リュウは、その言葉と共に、背負っていた籠の中から、黄金色に輝く蜂蜜の壺と、真っ赤に熟した木苺がたくさん入った小箱を、まるで宝物でも取り出すかのように取り出し、子供たち一人一人に手渡した。

子供たちは、その予想外の嬉しいお土産に、目をキラキラと輝かせ、大喜びした。

「わーい! ありがとう、パパ!」

「パパ、大好き!」

「どういたしまして。後で、セーラに頼んで、蜂蜜と木苺のパイでも作ってもらおうな」

リュウは、その天使のような子供たちの無邪気な笑顔を見て、心の底から温かい、そして何物にも代えがたい幸せな気持ちになった。

「セーラ」食卓の準備をしていたセーラに、リュウは優しい声で話しかけた。

「ああ、リュウ。おかえりなさい。畑仕事、お疲れ様でした」セーラは、夫の顔を見て、いつものように、春の陽だまりのように穏やかで、そして慈愛に満ちた微笑みを浮かべた。

「なあ、セーラ。俺たちは、本当に……本当に、幸せだよな」リュウは、しみじみと、そして万感の想いを込めて言った。

「ええ、リュウ。本当に、夢のような毎日ですわ。あなたと、この子たちと、こうして穏やかに暮らせることが、わたくしにとって何よりの幸せです」セーラもまた、心の底からの言葉で応えた。

リュウは、そっとセーラのその細く、しかし温かい手を取り、優しく、そして力強く握りしめた。二人は、言葉はなくとも、互いの目を見つめ合い、これまで二人で築き上げてきた、このかけがえのない幸せを、深く、そして静かに噛み締めた。

異世界から、何の力も持たずにこの地に呼ばれた自分が、まさかこんな未来を迎えることができるとは、夢にも思っていなかった。様々な、そして筆舌に尽くしがたいほどの苦難を乗り越え、多くの仲間たちとの出会いと別れを経験してきた。しかし、どんな時も、セーラがそばにいてくれた。彼女と出会い、共に支え合い、愛し合ってきたからこそ、その全ての困難を乗り越え、今のこの幸せがあるのだ。そして、今、目の前には、愛するセーラと、彼女との間に生まれた、かけがえのない三人の子供たちがいる。これ以上ないほどの、完璧なまでに幸せな家庭を築いている。

「ありがとう、セーラ。俺と出会ってくれて、俺を選んでくれて、そして、こんなにも素晴らしい家族を、幸せを与えてくれて……本当に、ありがとう」

リュウは、込み上げてくる熱い想いを抑えきれず、心からの感謝の言葉を、セーラに伝えた。

「こちらこそ……こちらこそ、ありがとう存じます、リュウ」

セーラは、その美しいアクアマリンの瞳から、大粒の、しかし温かい喜びの涙を静かに流しながら言った。

「あなたと出会えて、あなたと共に歩んでこられたこの人生が、わたくしにとって、何よりもかけがえのない宝物ですわ。本当に、本当に、幸せです」

リュウは、言葉なく、その愛しいセーラを、優しく、そして力強く抱きしめた。

二人は、アルクスの丘の上の小さな家で、夕焼けの最後の光に包まれながら、永遠に変わることのない、深い、深い愛を、改めて互いに誓い合った。

こうして、かつて異世界から来た一人の若者、リュウの物語は、これ以上ないほどの、完璧なハッピーエンドを迎えたのだった。

彼の冒険は、確かに終わった。しかし、彼とセーラの愛は、決して終わることなく、永遠に続いていく。そして、その愛と勇気の物語は、彼らの愛する三人の子供たちへと、そしてそのまた子供たちへと、アルクスの地に生きる全ての人々によって、いつまでも、いつまでも、大切に語り継がれていくことだろう。

伝説の武器使い、ウェポンズマスター・リュウ。そして、彼を支え、共に世界を救った聖女セーラ。二人の英雄譚は、今もなお、アルクスの空の下で、吟遊詩人たちの歌声と共に、きらめく星々のように、永遠に輝き続けている。


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