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異世界転生×ユニークスキル 武器使い ありとあらゆる武器を使いこなして無双する!?  作者: 月神世一
武器使いの勇者

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ep 41

終焉の序曲、焦土と化す平原

最終決戦:光と闇の激突 - 焦土

王都セレスティアへと続く最後の防衛線、アルクス大平原。かつては豊かな緑と穏やかな風が吹き抜けるこの地も、今や鉄と血の匂いに染まり、終末を告げるかのような不吉な暗雲が低く垂れ込めていた。セレス王国軍の残存兵力と、アルクス冒険者ギルドを中心とする各地からの義勇冒険者たちは、魔王ヴァリウスが率いる闇の大軍を食い止めるべく、まさに死力を尽くして戦っていた。

しかし、魔王軍のその圧倒的な物量と、個々の兵士の人間を遥かに凌駕する凶悪な力に、王国軍の戦線は徐々に、しかし確実に押し込まれ、崩壊の一途を辿り始めていた。

兵士たちの鎧は無残に砕け、その手にする剣は刃こぼれし、盾は見る影もなくひしゃげている。誰もが疲労困憊の極みにあり、仲間たちが次々と血の海に沈んでいくのを目の当たりにしながらも、ただ歯を食いしばり、震える足で踏みとどまるのが精一杯だった。熟練の冒険者たちでさえ、その卓越した技をもってしても、波状攻撃のように押し寄せる魔族たちの猛攻に、一人、また一人と傷つき倒れていく者が後を絶たなかった。

「くそっ、このままでは……時間の問題だぞ!」

歴戦の勇士であるはずの王国軍の老将軍が、その顔に深い焦燥の色を滲ませ、血反吐を吐き出すように叫んだ。

「何としても、何としてもここで持ちこたえなければ……リュウ様とセーラ様が、魔王を討ち取ってくださる、その時まで……!」

その、もはや祈りにも似た言葉が、絶望に沈みかけた兵士たちの最後の士気をかろうじて繋ぎ止めていた。

その時だった。戦場の喧騒の彼方、魔王城がそびえる方角から、大地そのものが裂けるかのような、凄まじい轟音が響き渡り、足元の地面が激しく揺れた。何事かと、疲弊しきった兵士や冒険者たちが空を見上げると、そこには信じられない、そしてあまりにも絶望的な光景が広がっていた。

天を衝くかのようにそびえ立っていたはずの、あの禍々しい魔王城が、まるで内側から爆発したかのように、轟音と共に崩壊し始めたのだ。そして、その崩れ落ちる城の残骸の中から、漆黒の煙と共に、あまりにも巨大な、そして邪悪な影が、ゆっくりとその姿を現した。

暗黒竜の降臨

それは、魔王ヴァリウスが、その最後の執念で変身を遂げた、伝説に語られる終末の獣、暗黒竜だった。

夜空よりもなお深い、ぬらりとした光沢を放つ漆黒の鱗に全身を覆われた、山のように巨大な竜。その背には、天を覆い隠すほどの、蝙蝠の翼にも似た巨大な翼が広げられ、ひとたび羽ばたけば、暴風が巻き起こる。天を衝く二本の角、鋭く尖った無数の牙が並ぶ巨大な顎、そしてその双眸は、まるで地獄の業火そのものが宿ったかのように、赤黒く、そして不気味に輝いていた。

暗黒竜は、その巨躯を天高く舞い上がらせると、戦場全体を見下ろし、そして、世界そのものを震わせるかのような、絶望的なまでの咆哮を上げた。

その声は、もはや音というよりも純粋な破壊の波動であり、戦場にいる全ての者たちの心を、容赦なく恐怖で染め上げ、その戦意を根こそぎ奪い去っていく。

そして、暗黒竜は、眼下に広がるセレス王国軍と冒険者たちの、最後の抵抗を続ける哀れな群れに向かって、その巨大な顎をゆっくりと開くと、凝縮された終末の炎、暗黒のブレスを放射した。

漆黒の炎は、まるで冥府から吹き出す奔流のように大地を舐め尽くし、全てを焼き払い、多くの、あまりにも多くの命を一瞬にして奪い去った。兵士たちの鎧も、冒険者たちの魔法障壁も、その絶対的な破壊力の前には何の意味もなさず、ただただ無残に融解し、蒸発していく。

王国軍と冒険者たちは、そのあまりにも圧倒的で、そして理不尽なまでの力の前に、もはやなすすべもなく、ただただ逃げ惑うしかなかった。

絶望

暗黒竜のその神のごとき、いや、悪魔のごとき圧倒的な力に、かろうじて生き残った王国軍の兵士たち、そして歴戦の冒険者たちでさえも、完全に、そして打ちひしがれていた。

「もう……もう、だめだ……。こんなものに、勝てるはずがない……」

ある若い兵士が、その場に力なくへたり込み、虚ろな目で天を仰ぎながら呟いた。その手からは、愛する故郷を守るために握りしめていたはずの剣が、音を立てて滑り落ちる。

「我々は……我々は、もう終わりだ……。リュウ様も、セーラ様も、おそらくは……」

誰もが、もはや言葉にすることすら憚られる、最悪の結末を予感し、完全なる敗北を覚悟した。希望の光は、完全に潰えたかのように見えた。

暗黒竜の蹂躙

暗黒竜は、まるで矮小な虫けらを弄ぶかのように、破壊の限りを尽くした。

天を焦がす暗黒のブレスを繰り返し放射し、大地を黒く焼き払い、その鋭く巨大な爪や、鋼鉄の鞭のような太く長い尾で、無慈悲に兵士たちを薙ぎ払い、吹き飛ばす。

そのあまりにも圧倒的な、そして絶望的なまでの力に、もはや王国軍と冒険者たちは、有効な抵抗をする術も、意志も、完全に失っていた。

魔王軍の士気

一方、暗黒竜のその神々しいまでの降臨に、それまで王国軍の必死の抵抗に押され気味だった魔王軍の残存兵士たちは、狂喜乱舞し、その士気を爆発的に高めた。

「おお……! あれこそが、我らが真の主、暗黒竜ヴァリウス様だ!」

「我々に、絶対的な勝利を! この地の全てを、暗黒竜様に捧げよ!」

彼らは、まるで新たな神の降臨を目の当たりにした狂信者のように、再びその勢いを取り戻し、絶望に打ちひしがれる王国軍の残党に、容赦なく襲いかかる。

王国軍は、暗黒竜という絶対的な脅威と、士気を回復した魔王軍の挟撃を受け、完全に包囲され、殲滅されるのも、もはや時間の問題だった。

焦土

アルクス大平原は、もはやそのかつての美しい面影を完全に失い、まさしく焦土と化していた。

大地は暗黒の火炎で無残に焼かれ、見渡す限り黒煙が立ち込め、空を覆い隠している。おびただしい数の死体が山のように築かれ、むせ返るような血の匂いと、肉の焼けるおぞましい臭いが、戦場全体に充満する。

かろうじて生き残った王国軍の兵士たち、そしてアルクスの冒険者たちは、その筆舌に尽くしがたい絶望的な状況の中で、それでもなお、最後の、そしてあまりにも儚い抵抗を試みる。

しかし、そのあまりにも健気で、そして悲壮なまでの抵抗も虚しく、彼らは一人、また一人と、暗黒竜の吐息と、魔王軍の刃の前に、次々と倒れていくのだった。

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